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<邪の祭り>

 現在地、ギルド内廊下。団長室に向かって、敵を避けながら最短ルートで走っていた。

「それで、敵の狙いの話なんだけど、多分ユーリスはなに言ってるかわかんないだろうけど、気にしないで聞いてくれ。まず敵の狙いがリノと俺っていうのはあっているようで違ってるんだ。正確には、リノの持つ魔力と俺の持つ剣だ。そして、敵はこのギルドとは無縁の存在、もともとギルドの状態に苛立ってたレミネに付け入りでもしたんだろう。レミネの持ってた槍は普通のものじゃなかったしな。多分目的もはじめから俺たちだったはずだ。敵はどこかで俺たちを見ていて、ここに来ることをわかってたんだ。正体まではわからないが、かなりでかいと思う」

エルナードはかなり深刻といった表情で現状と敵の狙いについての話をした。そこからの反応は誰もが等しく、唖然としていた。

「ちょっと待ってくれ。リノさんと君の持つ力のことはまだ納得がいく。敵の正体がこのギルドと無縁だということは説明ねがいたいが、どうして君の剣なんだい? そんなに特別なものなのかい?」

センスの疑問は、事情を知っている人なら考えられるものだった。

「そうだな。ギルドと無縁だっていうのは単なる推測だ。もし関わっているなら、はじめからこんな作戦しないで、真っ向から来るだろ? 第一わざわざギルド内抗争なんて起こす意味が考えられない。団長だっていっちゃわるいが餌だと思う。まあその餌にまんまと食いついてるわけだけだけど。あと狙いがこの剣って話だけど、この剣、実は《聖剣》、神の剣なんだよ。まあ性能としては他のより少しいいくらいなんだけどね。まあ要するに、この剣が自分達にとって危険だから、奪って壊そうってわけだ」

「せ、《聖剣》……。」

センスもユーリスも、まさに驚愕といった表情で足は動かしながら固まってしまった。しかし、リノはそうはならなかった。

 その事は不思議ではあるものの、今聞くほどではないと判断し、止めておいた。

 ギルド内はそこそこ広く、走り続けること5分にして、ようやく団長室にたどり着いた。

 扉は軽く開きかかっており、入ってくださいと言っているようなものだ。どう考えても罠だ。しかし、ここで引き下がるわけにはいかない。

 エルナードはセンスに目配せをすると、ゆっくりと、扉を押した。

 ギイィィィ……という古く錆びた音とともに、決戦の時はやって来た。

 部屋のなかはどこかひんやりとしていて、そこにいる数名の人間はみなエルナード達が来るのを待っていたかのような様子で立っていた。

 団長席後ろの窓ガラスの前に1人、本棚の前にもう1人、そして団長らしき人物ははじめの男のとなりにいた。

「ようやく来ましたか。待ちわびましたよ。団長さんもお待ちかねだ」

本棚の前の少女が気味の悪い笑みを見せながらいった。

「アリア団長を返してもらうぞ」

「はん、いいだろう。この女にはもともと興味はない。闇の力を持っているかと思えば、ただの残りカスのようなものとは……まったく、残念だ。……交換条件だ。そこの娘をこちらへ渡せ。あと、小僧の剣もな」

 やはりというべきか、敵は交換条件というものを仕掛けてきた。これに応じなければ団長の命は無いだろう。しかし、剣はそう簡単には折れないと信じるとして、リノを敵に引き渡すのは避けたかった。

 しかし……

「わかりました。ただし、師匠の剣はわたせません。あなた達だって、剣より私の力のほうが大事でしょう? 師匠の剣だって簡単に折る事はできませんしね?」

「ふん、面白い。いいだろう。機会ならすぐに作れる。お前とこの団長で交換だ」

「待て! 何勝手に話し進めてんだ!」

しかしリノはまったく動じることなく囁いた。

「大丈夫ですよ師匠。きっと、すぐ助けてくださいよ?」

エルナードは敵のほうに歩き出すリノの背中を見つめながら、じっとチャンスの時をうかがった。そのたくましい背中にはエルナードへの強い信頼と期待が込められており、より気を引き締められた。

「そこで止まれ。人質と交換する。おい、手枷を付けろ」

ボスらしき男はもう一人にそう命じると、アリア団長のそれを外し、背中を強く押した。

「ほら、行け。俺は約束は守る男なんだ」

これで、団長は取り戻した。次は、リノを取り戻す。

「よし、おい、ココは任せたぞ? 俺は外に行く」

そういうと、男はリノと共に突如姿を消した。エルナードやユーリスは驚愕したが、センスは違った。

「エルナード、窓の外を見るんだ。すぐ下にいる。速く行くんだ! ユーリス、ココは僕らが持つよ!」

「わかった。恩に着る」

「俺怪我してるんだけどな……」

エルナードはそこから勢いよく駆け、窓ガラスを突き破った。そして、リノと男のいるギルド正門前にたどり着いた。

「ふん、来ると思っていたぜ? その行動は、この俺が《邪神配下の四天王の1人》獄炎のヒューリアスと知ってのものか?」

「へー、そうなのか。それはいいことを聞いた。これで、あんたをぶちのめす理由が1つ増えたな……。《邪神》の情報、吐いてもらうぜ?」

 エルナードは1つニヤリと笑うと、剣を鞘から抜き、前へ構えた。

「ふっ、面白い! きやがれ、聖剣使い!!」

 最後の戦いが、とうとう幕を開けたのだった。

次回からまた戦闘続きになりますね。

自分で言うのもなんだけど、なんだよ四天王ってwww;

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