<炎塵再びⅡ>
本日2回目の投稿です。
レミネ戦決着です。なんか適当な終わらせ方ですが;
レミネの槍からとどめの大爆発が起こされた。耳がはちきれんばかりの爆音と、目がつぶれそうになるほどの閃光、意識が一気に持っていかれそうになるくらいの衝撃が起きた。それともう1つ、物体の砕ける音も。
「はーっはっはっはっはー!! とうとう死んだか。呆気ないもんだなー! まったく、こんなやつに負けたかと思うと恥ずかしいぜ!」
爆煙からは何かが出て来るという気配もなく、刻々と風と共に晴れていくだけだった。そして、とうとう全ての煙が晴れる。
しかし、そこに残っていたものはただの、石膏の欠片だった。
「なっ、あいつどこ行きやがった! あの状態で逃げられるわけがねえ。それにこの石膏、あのガキが腰に下げてたヤツじゃあ……」
ガサッ……。
その時、土の上に落ちた葉を踏む音がした。レミネはよくない勘に後ろに振り向く。
「惜しかったなレミネ。両手を塞ぐべきだったよ」
そこにいるのは、先ほどまで木に左手の袖を固定され動けなかったはずのエルナードだった。
「てめぇなんで! 一体どうなってやがる!」
「どうなってる、ねぇ。簡単な答えだ。その石膏でガードしたんだよ」
「馬鹿言ってんじゃねえ! そんな石膏でガードできるわけねぇだろ! 俺の本気の一撃は岩をも砕くんだぞ!」
へー、そんなに強いんだ。初耳だ。そんなことを思いながら、エルナードは反撃に出る。
「行くぞ!」
「何度やっても同じだ、小僧ぉ!!」
レミネは再び目にも留まらぬ速さでエルナードに急接近してきた。またしても爆発で攻撃を仕掛けてくるつもりだろう。しかし、今度はそうはいかなかった。
レミネの槍が振り下ろされた瞬間、激しい閃光とともに大爆発が起きるというところまでは今までどおりだった。しかし、その後エルナードが爆煙の中から吹き飛ばされ、木に叩きつけられる事はなかった。
空気の焦げた匂いのする空間をレミネは凝視していた。その煙が全て払われた時、その光景に驚愕した。
煙が晴れるとそこには、右手に剣を持ち攻撃を防ぐエルナードがいた。その剣には1つの焦げ後もなく、またすすがつくこともなく、空を彩る2つの輝きを反射しかえって光り輝いて見えた。
「てめぇ、まさかその剣でさっきの一撃を防いだのか?」
「ああ。この剣も少々奇怪でね、《邪を退けし聖剣》そういうことになってるんだ」
「そういうことになってるって……」
「詳しい事はわからない。でも、少なくともこの剣なら、あんたに勝てる……!」
エルナードはレミネの動きをしっかりと見ながら、右手の剣をしっかりと握りしめ、攻撃を開始した――。
ザッザッザ……。
落ち葉を踏む音と、掠れた吐息が1セットあった。
薄暗い森の中をゆっくりと進み、ある地点を目指していたのだ。
「くそっ、レミネの野郎、一体どうやって牢から出てきたんだ。いや、それよりもこっちにはエルナードがいたはずだ。あいつは大丈夫なのか?」
ユーリスはレミネとの戦いで大きな傷を負い意識を失っていたが、少しほど前にそれを取り戻していた。
負った傷はまだまったく治ってはいないが、それでもユーリスはエルナードの安否が心配だったのだ。なにより、レミネが想像以上の更にうえをいくつよさだったこと、それとセンスからエルナードが依然レミネと戦ったと聞いていなかったことがあったからだ。
そして、とうとうエルナードの許にたどり着いた。
レミネとほぼ互角かそれ以上に戦闘を繰り広げるエルナードにユーリスは驚愕していた。
そしてもう1つ、エルナードが右手に持っている武器がリーチの短い短剣ではなく、人の腕ほどの長さのある長剣であったことにも驚愕した。この世界では儀式のさいにしようする短剣以外の《剣》というものを神によって禁止されている。 それなのになぜエルナードは長剣を使っているのか? エルナードという人間は悪しき異教徒だったのか。
しかし、ユーリスはそれがエルナードという人間の本質だとはどうしても思えなかった。赤の他人のギルドの問題に首を突っ込み、自分のギルドの敵を命を懸けて守り、そして何よりセンスとへネスが信用いていた。楽しければ笑い敵を前にすれば真剣な表情で戦っていた。そんな人間が悪人なわけがない。そう思わざるを得なかった。
そんなユーリスの目の前、今もエルナードはレミネの槍と剣を交えていた。
火炎による焦げ臭い空間のなか、エルナードはレミネの背後を奪うべく、ヒット&ウェイを繰り返しつつ走っている。右手には長剣シルバークロス、左手には護身短剣を持ち、二刀流の構えで戦闘を繰り広げていた。
少しずつ少しずつ、ペースはエルナードのほうに偏っていっている。レミネも今はガードに精一杯で攻撃もまともに仕掛けてきていない。
「くそっ! なぜこんなガキにこの俺がっ!」
「言っただろ? あんたのセコイ武器じゃ俺には勝てないんだよ!」
――そして、とうとう勝負の決着がつく。決め手はエルナードのものではなく、その他のものでもなく、ギルドから放たれた一撃によるものだった。
「なんだ!?」
その決着から一呼吸すぎてからようやくエルナードはレミネが狙撃された事に気づいた。そして、その目をレミネまで運ぶと、その手に握られていたはずの槍は一本も無く、ただ、大量の血を流しているだけだった。おそらくもう助かりはしないだろう。
自業自得。そう割り切って前に進むしかない。エルナードは剣を鞘に納めると、コートローブのうちがわに隠し、他の誘導グループメンバーを探すため歩き始めた。
まずは爆発の起きた――つまりレミネとの戦闘のあったユーリスの許へ……。
今月中に今章終わらせたい。




