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<地下に響くⅠ>

もうしばらくは短いと思ってください……

――――センス・リノサイド。

 現在地、ギルド外壁そと地下、下水道。相も変わらず霧によって先は見えず、その足取りはとても順調とは言えないものであった。

「なあセンス、いまどの辺だ?」

しばらく続いた沈黙を破り、口火を切ったのは後方で歩いていた黒髪の拳銃使いドレイクだった。

「そうだね。大体外壁辺りかな?」

「そっか。まだまだなんだな」

少々ドレイクは残念といった表情で地面を見つめ、隊列の後方へと戻っていった。

「それにしても、暗いですね。全然進んでる気がしませんよ。道も結構別れたりしてるし、よく迷いませんねセンスさんは」

「いや、嫌というほど迷ったよ。道を完全に覚えるくらいにね」「そ、そうなんですか……」

なんだか微妙な空気になってしまった、と自分の発言に後悔するリノだった。

 それから更に歩き続けた。入り口付近の方では、水路からとんできたのか、時々水溜まりがあったのだが、いまではそれさえもほとんどなくなっていた。その他にも足音がよく響くようになったりと、進んでいることを感じさせるものは少なからずあった。

「止まって」

「何かあったの?」

不意にセンスに止められなにか出たのかと青ざめるリノ。少しずつ血の気が抜けていく顔に色が戻ったのは、奥にあるものを視認したときだった。

「あれは、合成獣(キメラ)?」そこにいたのは、数刻前に話で聞いた合成獣だった。

 そして、センスの様子が可笑しいなことに気づく。

「どうしたの?」

「あ、あのキメラは、あのキメラはあのとき僕らの村に現れたのと……。いや、違うな。同じなのはその溶媒と媒体、つまりは原料だね。それと、術者だ。合成術は材料がいくら同じであっても術者によってどうしても形状、能力に差ができてしまうんだ」

どうやらセンスはキメラについてかなり調べたらしく、リノ知らない知識を多く持っていた。

 いや、まって……

「同じ術者によってって、なんでこんなところに?」

「わからない。でも、以前見たときのやつよりも断然強いのはわかる。一度退いて、作戦をたてないといけないね」

 しかし、果たしてそんな時間があるのか? ここで時間を使っているうちに団長になにかあったら? せめて、相手の行動パターンでもわかれば。

 いや、無駄なことは考えるな。考えるより行動しろ。

 センスはそう自分を追い詰めるようにして念じていた。そうすることでいつもなら新たな道が見えてくるかもしれないが、今回のような限られた時間の中での場合は違った。センスはただただ自分を追い込んでしまっていたのだ。

 その様子は周りからも見てとれ、焦りのようなものが漂い始めてきていた。 そんなときまた口火を切ったのはドレイクだった。

「どうやら、センスには時間が必要そうじゃないか? だったらその時間、この俺が作ってやる。意義は受け付けないぜ。それに俺はセンスに借りがあるしな」

少しずつ前に進みながらドレイクは続けた。

「それにだ。俺はお前より強かったからな、なあに、死にゃしないよ。お前達が退いたの確認したら適当なところに避難するよ」

「本当に大丈夫なのか?」

「大丈夫だ。安心しろ」

その言葉にセンスは一度うつむくと小さく頷いて後ろへかけた。そのあとをリノ、ヘンリー、ユマがついていったのを確認すると、ドレイクは両腰のホルダーから二丁の拳銃を取り出した。

「キメラを見んのは初めてだがな、手加減はしねえぞ? 全力でやってやるから覚悟しな。と、まあこう言うが、どこまでやれるかな? ……俺の命の恩人は頼んだぞ、センス」

 ドレイクは両手の銃を相手に向け構えると、キメラ目掛けてトリガーを引き、前方へ向かって駆けた。左右の道の分岐点を探しながら……。

最近あまり膨らまないなー

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