<門前の戦闘Ⅰ>
今回は少し話が進みそうな気がしてきますかね?
裏に暗躍するほにゃららが見えては来ないけど。
――――エルナードサイド。
行動開始のときがとうとう訪れ、エルナード達の間は緊張感で一杯になっていた。
「よし、リーダー指示よろしく」
「だから違うっていってるだろ」
そういってユーリスは飽きれがおのまま話を始めた。
「これから作戦開始だが、死ぬなよ。これは敵の誘導が目的なんだ、下手に目だって一気に呼ぶのもなしだ。下手すればこっちがやられちまうからな。向こうにも手練れは複数いるんだ。いいな」
「わかったよ」
「了解」
「へいへい」
みな、大事なところはしっかりと理解しており、真剣な表情で首を降った。
「よし、行くぞ」
ユーリスの掛け声とともに、一人ずつ担当の位置を目指して走り始めた。そんな一人ずつ一人ずつ順番に走っていくなか、その時は訪れた。
エルナードが他と比べ大きく突き出ていた木の根に足をすくわれ、大胆に音をたてて転けたのだ。
「ん? 今なんか聞こえなかったか?」
「ああ、あの辺だったよな」
「おい、あそこに誰かいるぞ! 兵を集めろ、侵入者だ!!」
エルナードの転けっぷりに、敵が存在に気づき集まってきた。
「あはははは……やっちまった」
何を隠そう、実はエルナードは以外とこういうときこそなにかやらかすのだ。
「攻撃開始だー!」
敵兵がエルナードへの攻撃を開始した。
「やるしかない……か。短剣でどうにかなればいいけど」
いまにも襲いかからんとする敵集。しかしその敵集も、エルナードの右手に握られる短剣を見ると静まり返った。いや、そう思えたのは一瞬だった。
これだけの大人数にたった一人でしかも短剣がひとつと変な石膏がひとつ、と笑い始めたのだ。まあ無理もないだろう、ざっと20人とうすぐらい森の中ひとりで戦おうというのだから。
「おい兄ちゃん、逃げてもいいんだぜ? 魔だ見なかったことにしてやってもいいからよ?」
口から出てくる言葉はそんな言葉ばかりだ。
「なめられたもんだね」
その言葉を放つや否や、エルナードはすでにその場にはいない。
気づけば、すでに数メートル離れた木のもとにいた。
それと同時に倒れる奴が2人。その現状に、理解できないと固まっているのが他全員。
「逃げてもいいってたよね? だから逃げたつもりだったんだけど、当たっちゃった?」
そう澄ましがおのエルナード。
「てめえなめやがって!」
そうにらみをきかせて武器を構える他全員。
他のグループメンバーの所の爆発音から、戦闘は開始する。
幸い、ここは木が多い森の中。障害物の多いところなら、エルナードのオリジナルスキル《アクセル・ウィンド》による急加速のブレーキを木で代用できるため、比較的戦いがスムーズにいくのだ。
そうして、急加速からの一撃から最寄りの木に短剣を突き立てることでのブレーキにより、次からと次へ敵を蹴散らしていく。
木の葉により包まれたうっすらと暗い空間で、残ったのはエルナードただ1人だった。
「さて、誘導するどころか全員倒しちゃったな〜。他のやつらはまだ誘導中っぽいし、俺だけ先に行くってのもあれだし、どうしたもんか」
悩みながら進める足取りは遅く、なかなか前に進んでる気がしなかった。ただ、少しの肌寒さを気にしつつ、歩いていた。
少し時間は遡り、ユーリスの担当区域。
「結構数いるみたいだけど、たいした敵じゃないな」
このときユーリスは順調に敵を誘導し、首尾よく倒していっていた。数は大体十数ほど。敵の殲滅は時間の問題だろうと思われた。
がしかし――
「よくもまあ倒していくねー」
聞き覚えのある少し低めの声だ。
「だれだ!」
近づく気配に振り向いたユーリス。
そして、驚愕する。
「な、お、お前は……そんな、牢にいるはずじゃなかったのか……!」
「あんな堅苦しいところにいつまでもいるわけがないだろう」
男は道化のような不気味な笑みでそう言った。
その瞬間、ユーリスは勝機のないことを悟った。男から感じられる狂気が、そうせざるを得なくさせるのだ。
そっと振り上げらる男の槍に、足はいうことを聞いてくれない。
「くそっ、レミネェェェェ!!」
ドゴオォォン!!!!
その叫びは爆発音とともに散り、レミネと呼ばれる男はもうそこにはいなかった。
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