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<奪還作戦開始>

今回もまた短くなってしまった……;

 黄昏時も去り、夜になった。といってもそれは名ばかりで、実際空は明るいのだが、それでも日中よりは暗いような気がした。

 エルナード達《誘導班》は一定時間待機ということで、今は門前付近の草影に身を潜めている。そこから見る様子だと、どうやら見張りに戦士が5、6人いるようで、強行突破は難しいだろう。

「さて、しばらく待機ってことだけど、向こうはうまくやってくれるかな?」

 センスはなんとかできるとして、同行しているリノの方が、エルナードは気になっていた。

「大丈夫だろ。センスもいるんだから。あんたにも、しっかり働いてもらうぜ?」

「ああ。よろしく頼むぜ」

「よろしくね」

グループのメンバーからの声もかけられ、エルナードは少しばかり緊張と心配がとれつつあった。


――一方、センス・リノサイド。

「さあ、ここだよ。ここから内部に侵入して団長の奪還をするんだ。一応ここでいっとくけど、なかには罠がある可能性はなくない。各自注意して進んでくれ」

 そうして、道を知るセンスを先頭にして、ギルド北東の下水道に侵入していた。

「センスさん、ここって不気味ですね……」

藪に隠されていた梯子を降りリノ達が足を踏み入れたそこは、下水道というだけあってとても暗く、微かに霧がかかっていて数メートル先は山育ちで夜目の利くリノでさえも、見渡すことはできなかった。足元には冷えたかぜも漂っていて、本当になにかでるのではないかという雰囲気をもかもし出している。

 簡潔に言えば、不気味なのだ。

「そうだね。僕もそう思うよ。それにしても、以前来たときはここまでひどくなかったと思うんだけどね」

「それ、どういうことですか……?」

リノは微かに掠れた声で聞いた。

「もしかしたら、何かあるかもしれないね」

「えぇぇぇ!?」

とうとう限界なのか、リノはついには涙を流し始めた。

「ああ、泣かないでって、大丈夫だから。もしなにかいてもなんとかなるよ」

「なんとかなってもなにかが出てくる時点でアウトです!!」

「あ、あぁ……」

ものすごい顔で詰め寄るリノに、センスは情けない顔で返事をした。

「と、とにかく、きっとなにもないから、泣かないでくれよ? 君みたいな女の子を泣かせるっていうのもどうかと思われるしさ」

「……はい」

 そうして、ようやくリノは泣き止んだのだった――。


――その頃、エルナードサイドにて。

「さて、そろそろセンス達も下水道にはいった頃だよな。どうするんだい、リーダー?」

「変な呼び方するな。それは単なるグループ分けのための材料だ。……それにしても、お前それ本当に持っていくのか?」

 そう言うユーリスの視線の先、若干包帯に巻かれたエルナードが腰を下ろしている。ユーリスのいうそれ、とはエルナードが肩から下げてる石膏のことで、他のメンバーもずっとこの事を気にしていたらしく、ユーリスの言葉に賛同するかのように頷いていた。

 その中身に関して言えばそれはエルナードの愛剣シルバークロスなのだが、この世界で剣を持つことは禁忌。けしてその本質を伝えることはできない。なので、騙しているようで悪いがエルナードには適当なことをいってうまく誤魔化すしかなかった。

「んー、まあな。俺の大切なものなんだよ。置いてくるわけにはいけないんだ」

「へぇ〜。それがね〜」

 なんだか腑に落ちないという顔をしているが、しかたない。それに、一応、嘘はついてないのだから。

 今回、ドラゴンのときに砕いた石膏をもう一度作り直し、再び剣を覆ってあるのだ。

 つまり、今のエルナードの主力武器(メインウェポン)は腰にさした短剣ということ。あまり激しい戦闘はできないということだ。

「まぁ、そんなに気にするような物でもないからさ」

「そういうことにしとくよ」

「そういうことってなんだよ……」

 会話をしているエルナード含めその他の傍観者達は目の前の光景に苦笑していた。

 この頃、時はちょうど午前零時。当初の作戦開始時間となった。

「んほら、もう時間だぜ? これのことはいいから早く行こう」

「なんだもう時間か? ちっ面白いとこだったのに……」

 これあんたらの団長救出する作戦だよな。

 内心呆れたエルナードだが、センスの頼みだから仕方ないと割りきった。

 そして、ユーリスグループ――エルナードサイド――も、行動を開始した。

ダメナトコロガシリタイナー

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