<黄昏の会議室>
今回は短いです。
「それじゃ、話を始めようか」
センスの呼び掛けから作戦会議が開始された。
ここはセンス達《赤い森》メンバーの避難先であるボロい木造の小屋。会議には、ヘネス除く《赤い森》メンバーとエルナード、リノが参加している。
――っと、ここで少し話が変わるが、日中の話をしよう。
ゴーレムを倒した後日談というものだ。日は変わっていないが……。
あのあとエルナードはすぐに目を醒ました。リノの治癒魔力のおかげということもあるが、エルナード自信の驚きの回復力というものもある。
とにかく、エルナード痛みさえ残るものの、傷は大体塞がり、ある程度なら激しく動いても大丈夫なくらいだったのだ。
「さて、ゴーレムのことだけどね……」
センスは先ほどリノに問われた質問に答え始めていた。
「まず、アレを倒したと思ったら何をしたわけでもなく、いきなり砂になって散ってしまったんだ。そこは、エルナードも覚えてるよね?」
「ああ。覚えてる」
エルナードは小さく頷いた。
「それに加えて、エルナードが気を失ったあと、その砂の中から魔府が出てきたんだよ」
「決まりだな」
「たぶん。大変なことになったね」
深刻な表情を見せる2人の間にわってはいったのはリノだった。
「何が大変なんですか?」
その言葉に、エルナードもセンスも少しばかり呆れ顔だ。
「リノ、まずゴーレムだってんのは分かったな?」
「はい。砂と魔府が出てきたからですよね? 確かゴーレムは砂や泥、石などに魔力を付与した札を混入させる事によって製造する。って、あ……」
やっと気づいたか、というような調子でエルナードはため息を吐き、その様子にセンスは苦笑していた。
「あんなすごいものを作るような人が師匠を狙っているってことですねぇっ!!」
「ああ……」
声をあげて詰め寄るリノに、エルナードは情けない声で答えた。
「ゴホン、まあそういうわけだから、エルナードは色々気を付ける必要があるね」
「ああ、そうだな……」
ここで話は終わり、現在に至る。黄昏時のボロ小屋での話だ。
司会をセンスとして、みな緊張と焦りを顔に浮かべていた。エルナードとリノは何故か司会の隣という席位置で、若干気まずいというのはまあいいとしよう。
「さて、まずは作戦の詳細を説明するよ。まず、このメンバーを2つのグループに分ける。リーダーは、僕とユーリスが勤める。それじゃあ、メンバーを発表するよ。センスグループ、エレン、ユマ、ドレイク、ヘンリー、ラコット、リノ。そしてユーリスグループが、アイザック、シュレイド、カール、エリ、ランダ、エルナード。このメンバーで作戦を決行する」
センスが話し終えると少々のざわつきが起きた。エルナードもそのうちの1人だ。
「ユーリス班か……。リノはセンスの方となんだな。まぁ、戦力的には妥当か」
「さて次に本作戦を説明するけど、これは敵に人質を取られている以上、失敗は許されない。自分にはできないというものは、今のうちに退席してくれ」
しばらくの間、その場は静まり返った。動くものは居らず、誰1人として口を開く事すらせず、みな前を見つめた。
「わかった、ありがとう。それじゃ、まず僕のグループは団長奪還班、下水と地下通路を通って内部へ侵入、そのまま団長の奪還を狙う。次にユーリス班だけど、君たちには門の周辺の監視及び、門前での誘導をしてもらいたい。敵は少ないに越した事はないからね。僕らが侵入する前にできるだけの敵を誘導して叩きのめしてくれ。――これが本作戦の全てだ。何か質問はあるかい?」
「「ない!」」
みな声をそろえ、センスの問いかけに返事をした――。




