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<異質の力を持つ者>

今回からは完全に回数稼ぎに走ってます。

当初はこんな展開考えてませんでしたので;

 唖然として立ち尽くすエルナードの視線の先、赤い鎧を身に纏った大男レミネは付け足すようにいった。

「それとな、お前を殺せば俺はさらに名誉を手に入れることができるんだぜ? 何でだと思う? まあお前はよくわかってるよな! 破壊を招く《闇の力》よ!! 神からのお告げがあったのだ。光を欺く闇の力を排除すれば世界一の名誉を与えるとな!」

レミネは高らかに笑いながら見下すような顔でリノを睨み付けた。

「……闇……?」

「ん? お、そこにいるのは我がギルドのヤンチャ治癒魔導師(ヒーラー)ヘネスじゃねえか。気づかなかったぜ」

ヘネスにやっと気がついたレミネの視線は余裕の眼差しから鋭いものへと変わった。

「お前、邪魔だな。今の段階で団長に報告されんのは困る。ここで消えてもらうか」

「なっ……!?」

レミネの予想外の言葉にヘネスそしてエルナードも目を丸くした。

「おい待てよ、お前こいつの仲間だろ?」

「仲間? 違うな。誰だか知らんが、俺は一度も仲間だなんて思ったことはない。あいつらはみんな俺のための石末だ。俺の名誉のための生け贄なのだ!!」

「……いかれてるな」

高らかに笑うレミネを睨みながら、エルナードはそっと手を背中の剣に回した。

「おっと待ちな。下手な真似すりゃあこいつの首が飛ぶぜ?」

「くっ……」

リノに向けられるレミネの槍を横目に見ながら、エルナードは固唾を飲んだ。そして、柄を握った右手をそっと下ろす。

「ごめんなさい師匠〜」

「お前は悪くないから安心しろ」

涙目になって謝るリノを慰めながら、エルナードは打開策を考えた。

 この状況、どうすればいい。あいつの槍があそこにあると下手に手出しできない……。

「さぁ、まず1人目だ!」

「――やめろ!」

レミネの槍がリノの首目掛けて降り下ろされた。

 そして、槍がリノに命中した、と、そう思われた瞬間――どこからともなく飛来した火球がレミネの槍を弾いた。その衝撃でリノは軽く飛ばされたが、その首はまだつながっている。

「リノ! 大丈夫か?」

「は、はい。なんとか」

しかし一体何が、と視線を火球が飛来してきた方向に向ける3人。

「あの技は、まさか……」

 火球によって発生した白い蒸気の晴れた先、その先に見えた、青みを帯びた黒い短髪、鉄製の灰色の胸当て、そして、右手に持った小槍(スピア)

「センスの《ヴォル・スピアー》だ……」

 そう。白い蒸気の晴れた先、炎を放ちリノを救ったのは、ヘネスと共にギルド《赤い森(レッドフォレスト)》に所属するセンス=レミアスだった。

「早く! リノさんを連れて逃げるんだ!」

「お、おう!」

センスに催促されエルナードはリノを背負うと、ヘネスをつれてその場を離れた。センスもまた、レミネが視界を取り戻す前に一時離脱したのだった。

 場所はレミネとの遭遇地点より南の公園裏。この公園は木々が生い茂っており、影も多く隠れるにはもってこいなのだ。それに、戦闘となっても広い公園中央を使えば被害も少なくてすむ。

「さて、話は少し聞かせてもらったけど、なんで、僕に黙って亡霊討伐なんてしたのか、説明してもらおうか?」

「そ、それはだな、こっちにもいろいろあって……話せないんだよ……」

エルナードは目線を逸らす。

「それは、闇の、ことでかい?」

「……そうだ」

そこまで危機的状況というわけでもないが、緊張感が立ち込めてきた。

「どうしても、僕たちには話せないのかい?」

「…………」

「わかった。でもこれだけは答えてもらうよ? 君の剣にはいや君は、魔宝石を持ってないね?」

「……ああ」

「ちょ、ちょっと待てよ、魔宝石無しでどうして魔法が?」

話に割って入るヘネス。

「1度聞いた事がある。この世界には、僕たちとはまるで違う、《異質》の力を持った人間が存在するってね。つまりはそれが君で、その《異質》っていうのが、レミネの言う《闇》だね? 違うかい?」

「……その通りだ」

エルナードは俯きながら、こぶしを握り締めた。

「んで、大方、君が数日前にリノさんと2人きりにさせて欲しいと言ったり、内緒で亡霊退治したのも、それが関係してるんだろ? まぁ、その本質は察するけども」

「そうしてもらえると、助かる」

センスはそれ以上何かを言う事はなく、ヘネスにも何を言うなと視線を送った。

 そしてここからが本題だが、おそらくエルナード達を探しているであろうレミネの策的範囲から逃れ団長への報告を有するか、誰かがレミネを倒すかという話になる。

「悪いが、俺は後者だぜ? 他ギルドの事なんざ知らんからな。それに、リノを殺そうとしたんだ。許すわけには行かないさ」

「何か冷たいこといってるけど、後の意見には僕も賛成だ。あんなヤツを報告する必要はない。これで残る問題は、誰が倒すかだね。さっきからエルナードがかなり殺気立ってるけど、僕は譲っても構わないよ?」

センスの視線がエルナードに向く。

「そうか? んじゃ、お言葉に甘えて、いっちょ、暴れるか!」

「君の実力もこの前見れなかったからね」

「それが本音かよ……」

腑に落ちないというような表情だが、いつの間にか完全に打ち解けている事に気づきエルナードは少し表情を和らげた。

「よし、じゃあ、行くか!」

「そうだね。行こう」

 エルナードを筆頭に、4人は先ほどの場所へと移動した。そこにはレミネがまだ居り、少々驚いた。あたかもここに来る事がわかっていたと言うような顔でレミネは振り向き、そして言った。

「わざわざ自ら来たか。まぁ、探す手間が省けたからよしとするか」

 エルナードはそんな言葉は受け流し、右手を背中の剣へ運び鋭い視線を送る。

「覚悟しろ! 今から俺が全力でお前を倒す!」

「やれるもんならやってみろ!!」

 赤いヘルテスの光の下、殺意を帯びた視線が交錯する。

ご閲覧ありがとうございましたー

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