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第3話 守るべきもの

カイの家の事を知った後輩達。


それでも変わらず、今まで通りに接していた。



何も変わらない、いつもの毎日だった。

「聞いて、そういえば、ホクトに彼女が出来たんだってさ〜」


バカでかい声で、注目を浴びたのは一番泣き虫のしのぶだ。

「マジ!どこの人?」

カイは、大切な後輩に彼女が出来たことが嬉しかった。


「隣の高校の人。かなり可愛いよ。」


みんな、それぞれ思い浮かべ、羨ましがった。


「いいなぁ〜。彼女かぁ〜。俺にも出来ないかな?」


カイは妄想でにやけた。


後輩達は、口をそろえて

「ムリムリ」

と、からかった。


すると、駅にホクトと彼女が現れた。


恥ずかしながら、こっちを見てにやけてる。


「ヒュ〜ヒュ〜。」

カイは、二人をからかいながら、内心は喜んだ。


「カイ兄、ウザイ。うらやましいなら、早く彼女見つけろよ。まっムリだけど」

ホクトは、ピースすると彼女と一緒に歩いていった。



大切な後輩の幸せそうな顔を見てカイは、嬉しそうな顔をした。


ホクト達は、みんなが羨ましがるほどのバカップルぶりだった。

したがって、みんなは暖かい目で見ていた。


「ミカ〜、聞いてるか?」

時々、周りをキョロキョロするミカにホクトは不信感を抱いていた。


「どうしたんだ?最近やたらと周りを気にしてるじゃねぇか?」


「そ…そうかな?」

「はは〜ん。さては恥ずかしいんだな?」

ホクトは、可愛いと思いにやけた。


「ホクト、最近変わった事ない?」

ミカは小声で聞いた。


「ないよ?何で?」

「実は…」



ミカはホクトにあることを話した。

「まじかよ!大丈夫か?」

心配な顔でミカを見つめた。


「今のところはね。でも…」

また暗い顔になると、ミカはうつむいた。


ホクトは、しばらく黙り、ふと思いついた。


「カイ兄に相談してみようか!」


普段は、カイをからかう後輩達だが、やはり頼りにしてるようだ。


さっそくカイと会った。


「で?話って?」

喫茶店のテーブルに、ズラリと並んだデザートを見つめながら、カイは聞いた。

「はぁ〜、カイ兄さぁ、何とかならないかな?この子供っぽいところさぁ」

相変わらず、年上のくせに、見た目も中身も子供っぽいカイを見て、ホクトは呆れた。


そんな声も無視して、カイはデザートを食べ始めた。


「もういいや。話すよ。

実は…ミカがストーカーに合ってるみたいなんだ。」


突然の事で、ほおばっていたケーキを吐き出した。


「ストーカー?」


ホクトは、かかったケーキを拭きながら話した。


「これ見てよ。一週間前から、こんなメールが来るようになったんだ。何度アドレスを変えても、またすぐに来て…」


カイは出されたケータイを見た。


『ミカちゃん♪今日は帰りは遅いね♪また、あの男とエッチな事していたのかな?キミは、オレの子供しか産めない体なんだよ。』


気持ち悪い内容が、受信ボックスに何件もあった。

しかも、一時間おきにだ。


「キモイな。心当たりはないの?」

カイはミカを見た。

ミカは下を向き、

「実は、元カレのメールに似てるんですよ。あの人は、最後にいつも、〜だよって使うから。」


カイは、しばらく見ると

「よしっわかった。コイツを呼ぼう。オレも一緒についてるからさ。」


次の日、カイとホクト達はメールの相手と会った。


やはり、ミカの元カレだった。


会った瞬間に、ホクトは殴った。


「どこの奴だか、知らないけど。コイツに手を出したら許さねー」


ひとまず、カイはホクトを止め話をした。


「…というわけだから、コイツらには、もう迷惑かけんなよ」


元カレは、ゆっくり頷くと店を出た。


「これで一件落着だな」

ホクトは、ミカと見つめ合った。


「ホクト、これからもミカちゃんを守れよ。次はオレは手は貸さないからな」

カイは、そう言うと2人と別れた。



しかし、まだ終わらなかった。


一週間後…


ホクト達は、ストーカー事件を忘れていた。

その日も、2人で遊びミカは夜遅くに帰った。


「じゃあまたね。」

いつものように、部屋に行くとミカは驚いた。

部屋の中がめちゃくちゃに荒らされている。


ミカは恐怖で震えた。

机の上を見ると、置き手紙があった。


『おかえり、ミカちゃん♪この前は嬉しかったよ!ミカちゃんから会って来て。だけど、あの男も連れて来るから驚いた。だが、ミカちゃんは僕のものだ。これからもね!あの男に話したら、アイツを殺すよ。覚えておくんだよ』


ミカは恐怖だった。しかし、元カレの事だから本気だと思い、ホクトには内緒にした。



それから3日経った。

ホクトの前では明るくしていた。


そして、事件は起きた。


カイはその日は、青龍会の食事会で下の連中と食事していた。


「若。どうですか?学校の方は?」

小早川が聞いた。


「ん?普通だよ。みんなといると楽しいしさ。」


「そういえば、今日若の後輩を見ましたよ。あのホクト君の彼女。少し若い男が近くにいましたけど…」

「若い男?」

「はい。一緒にいるとは言えないですが、男が遠くから見てる感じで…」


カイは胸騒ぎがした。

「そいつ、どんな顔してた?」

「サングラスをかけてましたよ」


カイは確信した。

その男は、例のストーカーだ。


カイは席を立ち走った。


一方、ホクトはミカを見送っていた。


「じゃあまたね」

普通に別れた。

ミカが家の中に入るのを見ると、ホクトは後ろを向き歩いた。


その瞬間。中からミカの悲鳴が聞こえた。


「ミカ?」

急いで家の玄関に行ったが、カギがかけられている。


隣の窓から見ると、元カレがミカの前にいた。


手にはナイフがある。

「ミカ!」

ホクトは玄関を開けようとしても開かない。


「助けて!ホクト!」

必死で助けを求めるミカを見て、何も出来ない自分が悔しかった。


「どうすればいいんだよ」


その時ケータイが鳴った。


「おい!ホクトか?」

電話の主はカイだ。

「カイ兄。今ミカが…」

「知ってる、今オレも向かってるから。」

カイは走っていた。

「カイ兄。どうすればいい?オレ…」

ホクトは、泣きそうな声でカイに言った。


「バカやろう!てめぇが、情けない声だすんじゃねぇよ!てめぇが好きになった女だろう?

てめぇの力で守りやがれ。」

カイは怒鳴った。


ホクトはしばらく黙ると、涙をふいた。

「わかった。でも、カギが…」


「カギなら壊せ。大丈夫だ。オレが指示を出す。」


ホクトは、決心した。

(ミカはオレが守る)


カイは電話越しに、ホクトに話した。

「まず、助走つけるためにドアから離れ、」

ホクトは指示通りに離れた。


「一気にドアを突き破るように体当たりしろ。」


ホクトは深呼吸すると体当たりした。

だが、まだ壊れなかった。


「カイ兄…」

「あきらめるな。大丈夫だ。ミカを守るんだろ?」


そしてまた、勢いよく体当たりをした。今度は、思いっきりした。


ドアが外れた。勢い過ぎて、家の中で倒れたが、すぐにミカの前に行った。


「てめぇ、何してるんだよ」

ホクトは殴りかかったが、男はナイフでホクトの右肩を切りつけた。


「ホクト!」


ミカはホクトに駆けつけた。

ミカを後ろにして守るようにホクトは男を睨んだ。


「邪魔なんだよ。僕のミカちゃんを取るな!」

男は、ナイフで刺そうとしたがホクトは受け止めた。


「ミカは誰にも渡さねー。ミカはオレの女だ」

つかみ合いになり、部屋はめちゃくちゃになっていた。


「ホクト、危ない。」

ミカはホクトを守るように、そしてホクトはミカを守るようにかばった。


「2人とも死ね」

男はナイフで2人を襲った。


その時!


「そこまでだ」


カイが現れ、男を殴った。


男は倒れ頭をぶつけ、気を失った。

「カイ兄!」


ホクトは嬉しい顔をした。


しばらくして、警察が駆けつけ男は逮捕された。


「ったく…誰に似たんだか危ない真似するなよ」


カイはホクトを見ると、頭をなでた。

「似たのは、誰かさんのせいだよ。どっかのヒーローのね」

カイは笑顔になると、ミカとホクトに抱きついた。


「もぅ、愛してるぜ〜」

「気持ちわりぃよ」

2人は、カイから逃げ回った。



次の日、ニュースで聞いた、た〜け〜達は

「大変だったね。」

「ああ!でも、信じていたよ。」

そう言うと、横で寝てるカイを見た。


「しかし、カイ兄は子供だな」

「バカだし、エロいし」


「でも、かっこいいオレらのヒーローだよな」

後輩達は、カイを見て笑った。

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