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リリリュビさんとザフィールが楽しそうにマグラルド様へと質問攻めしながら歩いているのを少し後ろで見ながら、討伐へ向かう。まったく会話が聞こえないわけじゃないけど、集中して聞き耳を立てないと何を会話の内容が分からない程度の絶妙な距離。街中ではなく森へと向かうような道なので聞こえるようなものだ。
普段なら聞き耳なんて立てないけど、今は話が別。二人の質問に答えるマグラルド様の言葉から、どうしてマグラルド様がここにいるのかを知れないだろうか、と思ってつい気になってしまう。
マグラルド様がわたしを探しに来てくれたのは嬉し――じゃなくて。それはそれとして、よくもまあ、従者や護衛もなしに一人でここにいるものだな、と。
確かに、マグラルド様は強い。彼自身、腕が立ち、下手に警備隊や護衛の近衛兵よりも強いため、彼の警備周りの人数が減っていたのを、王城に勤めていたときに見ている。
とはいえ、まぎれもない王族なのだ。一人で国境を超えることが許される立場ではない。というか、平民に交じっていたなんてバレたら国際問題である。自国の王都にお忍びで、なんて話とは次元が違うのだ。
マグラルド様がやってきた現実感のなさ、わたしを探しているということへの嬉しさ……、ではなく驚愕。そのせいで一人でいることの違和感がなかったけど――よくよく考えたら一人でいるのはおかしいのである。
王城にいるときも一人のときが多かったから麻痺しているというのもあるかもしれない。本来、王族が護衛もなしに歩き回るなんてこと、ありえないのだ。
わたしがいなくなったことで、何か彼に不都合があったのだろうか。
わたし自身は、裏で手をまわしたあの伯爵令嬢とその関係者が全部悪いとは思っているけれど、王城聖女のわたしが国から出た原因の一端を担っていると周りから思われる可能性は十分にある。
自分で言うと嫌味っぽいから口にはしないけど、王城聖女というのは、国にいる聖女たちの中でも、上から数えた方が早いくらいに優秀な聖女だけが就ける役職。人工地であるジュダネラル王国にとっての聖女とは、神から与えられた天然の土地、神与地にいる聖女とは比べ物にならないくらい重要視されている。現役の王ならまだしも、王位継承権を持つ者、という立場ならば同等か、それを上回るほどの地位なのだ。そんなわたしを追い出したのに、新たな聖女が偽物だったとしたら……。
逃げてきたわけじゃない、とは言っていたけれど……も、もしかして、王位継承権はく奪されちゃったとか!?
聞き出したいけれど、それにはまず、わたしのことまですべて教えなければならない。それはできない。でも、でも……。
リリリュビさんとザフィールがうまいところ聞き出してくれないかな、と思いながらも、昨日、王城勤めかどうかの話をしていたときにマグラルド様が挙動不審だったからか、彼の生い立ちに関わるようなことは、二人ともほとんど聞き出そうとしない。無理に聞くことじゃないと判断したんだろう。マグラルド様のへたくそな嘘が、こんな風に影響してくるなんて。
うう、もどかしい……っ。




