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5話 家系ラーメン・β屋

十連ガチャで引いた景品の前半検証回です。

ベガの指示でチートすぎる能力を獲得した後、自分の家に置いてきたままのガチャ景品のことを思い出した。


俺の家に勝手に上がる様な人間はいないと思うが、恐らく現在地球は空前絶後の大パニック。混乱に乗じて悪いことをする人間はどこにでもいるので油断しすぎは良くないか。




「ベガ、部屋に置いてきたガチャの景品が心配だから一旦家に帰してくれ。」


[ご心配なく。該当するアイテム9個をマスターのご自宅から転送致します]



目の前に、青い光のエフェクトと共に9個のカプセルが現れた。

なんでもありすぎて、今さらテレポートごときで驚かないぞ。




最初にした十連ガチャ。一番の大当たりだったEXランクを先に開けた結果、こうしてベガの船内にいるのだがそもそもカプセルの中は見えないのでランクしか分からない。


そんなことを考えていると、


[大まかな内容物はマスターのスキル『キャンペーンガチャ設置』にて出現する筐体に記載されるように調整致しました]




何てことを言うのでガチャの筐体を見ると、ガラス部分のウィンドウに「ガチャリザルト履歴」と書かれた欄が出来ていた。

タップしてそのページを開くと、



===================================

Result;;


SR 狂育神ロゼルの聖徒名簿

SSR Job:神見習い

HR 特殊施設:家系ラーメン・β屋

SSR 《Unique quest:魔神■■■の畑を荒らす皇魔蟲(インペリアルセクト)コラプスを駆除せよ!》

EX 神棲航宙要塞艦ギガント・フォートレス・ベガ

R 魔力式自動小銃MS2.5

HR 豊穣神印の醤油:1本

C フライパン

SSSR 断神剣ガーラナージャ

C 炎熱神ガールズ 3rdアルバム『クリシュナ』

===================================


しっかりリザルトの履歴が閲覧可能になっていた。



[また、筐体にカプセルを近付けることで内容物を判別する機能も搭載させました]



言われた通り試してみると、


===================================

SSSR 断神剣ガーラナージャ

===================================


確かに表示された。



「この仕様は助かるな」


[お役に立てて良かったです]




地球の自宅でガチャの開封作業をするのは非常にリスキーだ。何が起こるか分からない。


その点ベガの艦内ならちょっとやそっとのダメージも耐えるだろうし、アイテムの効果検証等心置きなく勤しむことが出来る。






折角なので、このままガチャの開封作業を実行する!




・SSSR 断神剣ガーラナージャ


SSSRと書かれたカプセルを開けると、案の定中は空っぽだった。

しかし今度は目に見える変化として、目の前の空間に突如禍々しい大剣が出現した。


[そのアイテムからは凄まじいリソースが検知されます。恐らく現次元の管理システムが最上級の等級として認識しているEXランクの1つ下のアイテムでしょう]


そのまま握ってみると驚くほど軽く扱えることに気付く。剣から発されるエネルギーは全く武器を扱ったことの無い俺でも、冷や汗をかく位にはとんでもない。


[……司令室内部での効果検証はお控えください。本艦内部には戦闘訓練室がございますので後程ご案内します]




・SSR Job:神見習い


カプセルを開けステータスを見ると、


【神属性職業と賭博師系職業の融合を確認。野田翔斗神様の神属性職業への転職に際し各パラメータの情報、最低値を更新致しました】

【神属性職業への就職を確認!ステータス情報を参照し野田翔斗神様へ特別報酬を贈呈いたします】

【特別報酬:SSR確定眷属ガチャコイン】

【上位職業への転職に際しHP,SP,MPの値を最大値に充当します】


===================================

Name:野田翔斗神

Type:亜神(デミゴッド)

Job:ガチャ神見習い


HP:1000000/1000000

SP:10000/10000

MP:infinite


AGI:7777

STR:7777

END:7777

DEX:77777

LUC:-※計数中です。今一度お待ちください。


《Skill》

・天運(Unique)EX

・キャンペーンガチャ設置(Unique)SSS(Lv.2/10)

・神威 S (Lv.1/10)

・ガチャコイン精製 B(Lv.MAX)


《眷属》

--Nothing--

===================================


凄まじくパラメータの数値が上昇した。それに加え、また特別報酬だ。


驚かないが、驚かないが

なんか名前に神がついてるんだけど。



「……またなんかしたか?」


[今回のマスターのパラメータの変更、上昇、特別報酬の獲得に関して私は一切干渉していません。また、神性の獲得によりスキルの上方改造プランが新たに46個確認されました。直ちに実行致しますか?]


「……今は良いです」


亜神、始めました。




・SSR 《Unique quest:魔神■■■の畑を荒らす皇魔蟲(インペリアルセクト)コラプスを駆除せよ!》


…ちょっと今は開けるのやめようかな、これは。

開けた途端にクエスト開始とかだったら確実にめんどくさいことになる。



[マスター、管理システムの等級付与の法則性と排出結果、本艦と私の攻性能力、マスターの現在のパラメータから予測するに該当クエストは直ちに攻略可能かと]


「一旦ゆっくりさせろ!!」




・SR 狂育神ロゼルの聖徒名簿


ポンッと音がなると、目の前の地面に真っ黒のファイルが落ちていた。


中を見てみると、



『炎龍神見習い ジュロウ(1453才)』

『男神。まだ幼いが才能の片鱗を感じさせる。元教え子である炎龍神 ジュコウの息子。家庭訪問の際には美味しいワイバーンの酒蒸しをご馳走になった。時空間ホッケーが好き。』

『連絡方法:ワールド387の炎龍の巫女と接触する。またはワールド387の神龍山にある自宅を直接訪ねる。』



等と明け透けな個人情報が顔写真付きで記載されていた。

炎龍神見習いは1453才と言う年齢にはそぐわない、小学校の低学年くらいの見た目をしている。


聖徒名簿にはそんな感じの神見習いとか亜神とか大天使とかの個人情報がてんこ盛りだった。




「なんか、神様の世界の学校?って個人情報の保護とか無いのか」



[マスター。そのアイテムをこちらのデバイスの上にかざしていただけますか?神属性を持つ者の情報は貴重なので、データとして取り込んでおきましょう]



厄介事の匂いはしたが、特に反対する理由もないので言われるがままにデータとして取り込ませた。




・HR 特殊施設:家系ラーメン・β屋


今回一番驚いたのはこれだった。


カプセルを開けると、ガチャの筐体に


===================================

・施設型の景品の設置には、当筐体を設置予定場所へ移動させて画面下の「設置」ボタンを押して下さい。

===================================


と出ていた。


[マスター。施設型の設置を本艦内部で設定することを提案します]


そもそも家系ラーメン屋が景品ってどうなってんだよ。

店舗だけなのか、自動でラーメンでも出てくるのか。


まあ宇宙要塞の後だ。何が来ても俺が動じることはない。


とりあえずベガが協力してくれるので、検証も兼ねて艦内でスペースを探すことにした。




ベガの内部は、想像の100倍以上の広さだった。

ザ・宇宙要塞って感じの通路を歩いてみると一定間隔で空きスペースになった部屋がある。


艦内中央部は巨大な吹き抜けになっている。吹き抜け部分の空間体積は量りようもないが、地方のショッピングモールなら4つ位は入りそうだ。


「でかすぎない?」


[本艦内部は、■■■■■様の時空間魔導により空間拡張が為されています。物理的な総体積を超えた容量になっています]


さっきからちょこちょこ出てくるよなー、その■■■■■様。全然聞き取れないけど。


こんな超魔法を使ったり宇宙要塞を作ったりするやつだ。出来るだけ関り合いになりたくない。



ベガのデカさを侮ってはいたものの、中央吹き抜け部に面した通路に程よいスペースを見つけることが出来た。


改めてベガに許可をとり、ガチャ筐体を召喚。ラーメン屋の「設置」を実行した。




それまでいた空間が、見事に一瞬で様変わりした。


豚骨臭いキッチンとカウンタータイプの席。家族連れにも優しいテーブル席もある。

内装も、宇宙船の中みたいな見た目が一気にラーメン屋仕様へ。

比較的大きな入り口部分にはいつの間にか暖簾がかかっていた。






そして何故か、カウンター席の上に一杯のラーメンが置かれていた。





……ごくりっ


何を隠そう、俺が地球上で一番愛しているもの。それがラーメン。


家系ラーメンなんて生まれてから5000杯以上は食べている。ラーメン愛はそんじょそこらのもんじゃないのだ。


そんな俺の鼻は、ラーメンから間違いない豚骨の香りが漂って来るのを嗅ぎ逃さない。




[テーブル上の食品から毒性は検知されません。地球の「ラーメン」とほぼ同じものかと]




β屋なんて屋号のラーメン屋は聞いたことが無い。管理システムの変なセンスで名付けされたのか。


しかし、眼前のラーメンは俺の目を誤魔化しきれない。間違いなく美味いラーメンだ。


血が騒ぐ。もう我慢できない!!!






ズルルルッ


「……くっ?!」





なんだこれは?!



余りにも……美味しすぎる。





家系特有のぶっ濃い豚骨醤油スープ。キレのある飲み口だが、口内ではどことなく優しいまろやかさも感じることが出来る。


カタメの中太麺はスープによく絡み。豊潤な小麦の香りがスープの香味と混ざり会う。


シャキシャキのほうれん草と味玉は100点をつけざるを得ない完璧な茹で加減。ほうれん草の臭みは全くなく味玉はとろっと半熟。


香り高い海苔でほうれん草と麺を巻く。啜る。官能的な味わいは、宇宙に漂うかのような夢心地で俺を昇天させる。宇宙には実際いるけど。


そして、奇跡のごとき大判のチャーシューだ。脂身と程よい歯応えの部分のコントラストは完璧。敢えて淡白な味わいはスープとベストマッチ。


ああ、なんで白飯が無いんだぁぁぁあ!!

ベガ、今すぐ白飯を持ってこい!!!


[現在の本艦では地球上で繁殖してる農耕物を栽培しておりません。植物栽培専用の施設はございますので後程ご案内します]








余りにも、余りにも余りにも完璧な一杯。



家系の極地に至ったラーメンがそこにあった。





「……はぁっ!もうない?!?!」



気付くと丼は底が見えていた。


真っ黒の丼の底には達人の筆致で"β屋"の2文字。




暫く呆然とした俺は、ふと気が付きキッチンに飛び込んだ。


……ついさっきまでくつくつと煮込まれていたスープが無くなっている?!




もしかして、今の一杯で終わりだと?!?!




[施設名・β屋を解析完了。

マスター、この施設は施設内にあるタブレットから従業員登録が出来るそうです。従業員登録が完了し研修が修了すると"ラーメン"を提供する資格を有するらしく、その後施設から認証が降り営業が可能になるとのこと。尚、先ほどマスターがお食事になられたものは初回無料サービスだったらしいです]




キッチン内には言われた通りタブレットがあった。


迷うこと無く「従業員登録」の項目をタップする。


【神属性職業の方は転職不可能です。職業(ジョブ)を持たない方、または転職可能職業の方を登録するようお願い致します】






クソがぁぁぁッッ!!


まさかここでSSRの職業(ジョブ)が足を引っ張るとはっ!!!


もう一度、もう一度あの一杯が食べたい!


なるべくすぐにっ!!




「ベガァ!転職可能な地球人を拐ってこい!!!」


[現在の地球から従業員登録の出来る生命体を探索、転送することは可能ですが、自我がある生命体に従業員登録を強要するよりも先程獲得した「SSR確定眷属ガチャコイン」を使用してラーメン専門の眷属を召喚してはいかがでしょうか??そちらの方が戦力の増強にも繋がります]


「確かに!採用だ!ラーメン天使でもラーメン悪魔でも召喚してやるぞ!!」



その勢いのままに出しっぱなしのガチャ筐体にコインをセットした。


ガチャガチャ、ガチャッ


コロコロ



ラーメン眷属の解放だあ!!










「……ふぇぇ?どこですかここ??」




===================================

Result;;


SSR 竜戦乙女(ドラコヴァルキリー)ラルティア・ラナ・ルナムーン

==================================

飯テロ出来る文章を狙ってます。狙い続けます。

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