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3話 神棲航宙要塞艦ギガント・フォートレス・ベガ

明転した俺の視界には、とてつもなく近未来そうな設備の数々が飛び込んできた。






……まじでどこ



[初めまして、マスター。神棲航宙要塞艦ギガント・フォートレス・ベガへようこそ]



うわっ!


びっくりした!!



[失礼いたしました]



……脳内に直接語り掛けてくるタイプか




姿は見えないが、怪しさ満点のこいつが誘拐の犯人と断定する。







周囲の光景を一言で表すなら、「司令室」だった。



大学の一番大きな教室くらいの空間に、いくつもの機械やオペレーションデスクのようなものが並んでいる。


前方は一面ガラス張りで、恐らく外の風景が写っているのだが…




これ、地球か?





[その通りです。本艦は197.8秒前に、恐らくマスターを起点にしたシステム干渉により当該惑星の衛星軌道上に出現いたしました]




なんだか難しそうなことを言っているが、心当たりは1つしかない。


…ガチャか




[本艦に対する強制干渉力を解析した結果、現次元の管理システムからマスターに付与された特殊な権能によるものかと推測されています]



どうやら、スキルを用いた『ガチャ』は想像以上の不思議トンデモ能力だったらしい。


ちゃんと考証せずにスキルをぶっぱなしたことを今更後悔する。




[改めて、本艦と私の自己紹介をさせていただきます。

本艦の名称は、神棲航宙要塞艦ギガント・フォートレス・ベガ。

■■■■から周辺の物理次元探索のため■■■■■様により造艦、運用されていました。

私は本艦のオペレーティングシステム全般を管理する超次元恒子級情報生命体No.0046,通称ベガと申します。以後よろしくお願いします]



声の主は、どうやらこの船を管理する情報生命体(AIみたいなもの?)らしい。


おう


難しくてよく分からなかったけど俺の名前は野田翔斗


ガチャ引いたら宇宙要塞に誘拐された24歳だよろしく



[翔斗様ですね。よろしくお願いします。早速、マスター登録をさせていただきます]



引っかかる点。


その一。


こいつは今、その応答から明らかに俺の脳内を読んでいた。仕組みは全く分からないが絶賛現実逃中の俺は見逃さない。



そしてその二。


何故かこの宇宙要塞は俺をマスター?だと判定しているが、そんな大層な役職に就いた覚えは毛頭ない。




[読心機能に関してはデータ収集の一環なのでご了承ください。また、本艦のマスター権限は■■■■■様から私が預かっておりますので、翔斗様へと権限を譲渡する判断は私が行いました]





……何か問題でも?みたいな雰囲気出すな。


なんでワクワクでガチャ引いたら地球の衛星軌道上に浮かぶテレパス宇宙要塞の管理権限までついてくるんだよ。




[判断の基準といたしたましては、

1.現次元の管理システムが私に翔斗様をマスターにするよう干渉し続けてくる

2.本艦は現在生体マスターが不在なので、マスター登録が可能な方に速やかにマスター権限を譲渡するべきと判断した

3.翔斗様は十分にマスター登録が可能


以上の三点があげられます]




……多分に向こう都合の理由しかない気がするが、判断の理由は分かった。


確かに俺はわくわくニートとはいえ器のでかい男だ。要塞の一つや二つどうってことないぞ。




[尚、本艦のマスター登録をしていただけることには以下のメリットがあります。

1.惑星間航行が現次元最速で行える

2.本艦の内部にいる限り、地球規格で言うところのビッグバン3つ分の攻撃行為に対してまで安全が保証できる

3.マスター自身の生体能力、システム的な権能を私が一部改造、強化出来る可能性が非常に高い

4.現在の地球規模の惑星なら本艦を用いることでマスターの統治下に置くことができる


まだまだありますが、主なところはこの四点です]






四つ目の殺意が高すぎる。


そんなの全然メリットにならないだろ。独裁者じゃあるまいし。



別に俺は地球征服とかしたくないぞ?


[もちろん判断はマスターにお任せします]





……うーむ。

もうなにがなんだか分からないではあるが、元はと言えば俺が考えなしにガチャを引いたのが原因か。


俺は責任感が強い男なのだ。こうなったら最後まで面倒を見るしかない。




「分かった。マスター登録するわ。」


[ありがとうございます]




内心は何を思っているか分からないが、ベガもどうやら嬉しそうだ。


とは言え、マスターってなにするんだろうな。偉そうにしてたらいいだけ?




[マスター登録が完了いたしました。改めましてマスター、よろしくお願いします]


登録はやっ!


よろしく!









こうして俺は、特に深く考えることもなく超巨大宇宙要塞の飼い主になった。









[…………事前予測通り■■■をマスターから確認。第一段階として現惑星系のリソースコード改変をオブジェクトに設定。オペレーションを実行します]

暴走AI(情報生命体)です

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