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21話 成長、強化

何の嫌がらせなのか、運営からお叱りを受けて数日と経たずに強化イベントが発生した。

絶対にぶちギレてるぞ、あの黒スライム女。


ずっと後回しになっていたので、そろそろ受け取った特別報酬やら前回の分のガチャやらを調べていかなければならない。


とりあえず、前回のガチャリザルトがこれ。


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Result;;


SR 特殊施設:マナ銀行バンク

HR スキルオーブ:錬成 B (Lv.1/10)

C 『バック・ステップ・ザ・フューチャー3』

EX 異世界難民船『ボイジャーVl』(重度損壊状態)

C 元カノの魔力式電動歯ブラシ

C PrayStation5

SSSR スキル:時空間魔導

C 食品Sample:豆腐

R 見てマナブ野球塾-動画教材『失敗しない!盗塁のシカタ』

C さいばーあいどる!!1/300スケールフィギュア-『電脳少女アイ』

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なんというか、曲者揃いの予感がするラインナップだ。バンバン調べてくか。




・SSSR スキル:時空間魔導


ガチャからスキルが出てきたのは何気に初めてだ。


キャンペーンの表示にも書いてあったので、出てくること自体は知っていた。どんな感じなんだろう。


ワクワクしながらカプセルを開ける。


【スキル:時空間魔導 が覚醒しまた。情報がステータスに反映されます】


なんとも呆気ないが、どうやらこれでスキルを覚えた扱いになるそうだ。


ちなみに、これが今の俺のステータスである。


===================================

Name:野田翔斗神

Type:神(下位神)

Job:乱数神(Unique)

Lv.1

Faith:1942p


HP:10000000/10000000

SP:100000/100000

MP:infinite


AGI:77777

STR:77777

END:77777

DEX:77777

LUC:【計数不可】


《Skill》

・乱数遊戯(Unique)???

・天運(Unique) EX

・ガチャ(Unique)EX

・時空間魔導 SSS -NEW!!

・神威 SS(Lv.1/10)

・断神流剣術 A (Lv.1/10)


《眷属》 総合:EX

・ラルティア=ラナ=ルナムーン

・リシュア

・リューネ

・リシェル

・フローレム=■■■(種族代表)

・グランタ=■■■(種族代表)

・シルヴァ=■■■(種族代表)


《楽園の創造主》


設置可能:就職神殿・ハローワーク

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前と比べると大幅に変化、強化されている。


HPやSTRは一桁増。

今更だが、計数不可らしいLUCを除いて俺のパラメータは7で固定らしい。ガチャ神じゃなくてパチ神じゃねえか。


そもそも、『ガチャ神見習い』とかいう謎職業ジョブは何故か『乱数神』という別の謎職業ジョブに転職を果たしている。

流れで行くと、"見習い"がとれてガチャ神になるんじゃないの?転職の仕組みが良く分からない。


"ガチャコイン精製"や"キャンペーンガチャ設置"といったスキルは、"ガチャ"に統合されてしまったようだ。こちらは何度か発動して試している。


それ以外の新たなパラメータ、スキル、称号、就職支援施設みたいな名前の施設報酬は、残念ながらベガでも解析に時間を要している。


黒スライムがシステム干渉を断固拒否しているのか、以前よりも俺のステータスに干渉できなくなっているらしい。まあ身から出た錆だよな。


[おそらく、EXステータスの解析行為には特殊な権限が必要だと推測されます。現在対処プランを構築中です]




・SR 特殊施設:マナ銀行バンク


何時もの如く、施設型なのでβ屋フロアの空きスペースに設置する。


3台のATMと無人のカウンター、クッションタイプのベンチ6つが出現した。


とりあえずATMの画面を見てみる


===================================

・マナを引き出す

・マナを預ける

・マナを借入する

・マナを返済する

・マナ明細を発行する

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マナを預ける、を選択すると


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※申し訳ございません。カウンターにて利用者登録を行ってください。

===================================


なるほど。


無人のカウンターに着くと、ディスプレイが表示される。


===================================

本日はどのような御用件でしょうか?

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「あのATMの利用者登録がしたい」


===================================

かしこまりました。それでは早速、当行の口座開設をさせていただきます。3分程、お座りになってお待ちください。

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言われた通りに座って待つことにする。


[この施設は過剰魔力を預ける、貸し受けるシステムを利用者に付与する特殊施設だと推測。戦術の幅が大きく広がります。当たりですね]


あ、あれぇ?ベガさんそんな人間っぽい感じだっけえ?


[恐らく、マスターとのパスを通じて擬似的な感情を形成するコードが追加された可能性が高いです。演算処理や本艦の稼働に支障はありません]




3分が経ったらしいのでカウンターへ。


===================================

お待たせしました。利用者登録を完了しました。こちら、口座通帳とマナカードになります。当行の施設レベルを上げることでより広い地域でATMのご利用が可能になります。是非ご協力くださいね♪

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いまいち使い所が分からないなあ。当たりって言ってたし、ベガに任せるか。




・HR スキルオーブ:錬成 B (Lv.1/10)


これまた初めてのタイプ。

カプセルを開けると、少し茶色い水晶玉が出てきた。丁度占いに使うようなサイズのやつだ。


多分スキルを覚えることが出来るのだろうけど、具体的な使用方法が分からない。運営はこういうとこ手抜きだよなあ。


[マスター、そちらのスキルオーブ頂いてよろしいでしょうか?]


「?別に良いけど、誰かに覚えさせるのか?」


[いえ、少し検証したいことが有りまして]


何やら企んでそうなベガにスキルオーブを渡す。渡すといっても床に置いただけだけど。


床に置くなりどこかに転送されたのか、俺の目の前からスキルオーブは消え去った。




・R 見てマナブ野球塾-動画教材『失敗しない!盗塁のシカタ』


タブレット端末が出てきた。


電源ボタンを押すと、いきなり動画の再生画面だ。


「…これ、再生して良いやつかな?」


[恐らくデメリット無いかと]


ままよ!再生ボタンを押した。


「や、やあ!こんにちは!僕はMLBプレイヤーのライアン・ジャスフィールドだ!今日は君たちゅ、君達日本のベースボールボーイに盗塁のコツを教えていくぞ!」


動画にはやたらガタイの良い白人が写っている。ハンサムだが緊張しているのか少し固い表情だ。


それから約15分をかけて、丁寧にタイミングや走り方といった盗塁のコツを教えてくれる。緊張はしているが論理的で非常に分かりやすかった。


「……どうだったかな?上手く盗塁が出来る様になるまで、練習と経験はすごく大事だ。コツだけに頼らず、アグレッシブに実践していこう!Bye!」


【称号:《盗塁のプロ》を獲得しました】

【称号:《盗塁のプロ》の効果特性をスキル:時空間魔導 に統合しました。称号:《盗塁のプロ》が消滅しました】


折角15分掛けて獲得した称号が一瞬で消滅した。心なしか動画に写るハンサムも哀しい表情をしている。頑張って教えてくれたのにごめんな。




・C 食品Sample:豆腐


お皿に載った冷奴が出現した。


ちょっと触ってみる。…ぷるぷるだ。

ホントに食品サンプルかこれ?


お箸で……切れた。


豊穣神の醤油を掛けて頂く。


美味しい。


もう一度冷奴に視線を戻すと、


食べる前の状態の完全無欠な冷奴が鎮座していた。


「……なんで?」


[解析したところ、こちらのアイテムは脳へ干渉波を出す皿自体が本体です。味覚、嗅覚、視覚、触覚を誤認させて実際に食べるときの感覚を再現しています]


無駄に高性能だ。


[干渉波の運用プランが複数有るのでこのアイテムを研究してもよろしいですか?]


……悪用するなよ?絶対




・C PlayStation5


てっきり出てくるのは最新ゲーミングハードだとばかり思っていた。


目の前に有るのは、正方形の石板。全体的に黒いが一部白い装飾が施されている。


ソフトを挿入する部分が無いか探したが、穴の一つすら見つからない。




すると、黒石板から突然ディスプレイが浮かび上がった。


===================================

祈りの機石(プレイステーション)は、あなたの推し神へ信仰を捧げることが出来る素敵なアイテムです♪たくさん信仰を捧げると良いこと有るかも?!

一杯信仰しちゃいましょう♪

===================================


……うさんくせぇ 。だからPlayじゃなくてPray(祈り)だったのか。


信仰を捧げるってどうやって使うんだよ


===================================

ごめんなさい、神属性神系統のあなたは信仰を捧げることが出来ません……

たくさん信仰されて立派な神様になってください♪

===================================


結局使えないのかよ!


ベガが解析してくれるらしいので、優しい俺は態々研究室に持って行ってあげた。




・C 『バック・ステップ・ザ・フューチャー3』


全世界でメガヒットしたあのタイトルにとてつもなく似ている。


出てきたのもケースに入ったディスク。再生しろと言うことか?


ベガに聞くとどうやら、モニタールームなんていう丁度良い設備があるとのことで早速向かう。なんで他次元から来た宇宙要塞にDVDを再生する設備があるのかは非常に疑問だが、ベガならなんでもアリだろう。


初めて入る部屋だが、イメージはテレビ局の編制室。館内のいろんな情報が写っている。


今回は贅沢に、一番大きいディスプレイで再生することにした。ポチっ




……やばい、つまらなすぎて寝てた。


B級映画はB級映画なのだが、天地を切り裂くつまらなさのB級映画だ。


クオリティーとか以前の話。もし映画館にこれ見に来てたら追加料金払ってでも無理矢理帰るぞ。別れたい恋人がいる人にはお薦めかもしれない。




辟易しながらも見進めていると、突然モニタールームの扉が開いた。


「マスタ~、お腹空いたかと思って出前しに来ました~」


「あ、ありがとう?」


あれ、ラナってそんな有能だっけ?


日が経つに連れアホが加速してると思ってたけど…こいつもどうやら成長してるらしい。


少し目頭が熱くなった。


「ふっふっふ…β屋特製、ラーメンピザです!!」


やっぱり只のアホの娘だった。


「前回食べた二郎、そしてピザ!ラナのインスピレーションが大爆発しました!さあどうぞ、マスター!」


「……」


「さあさあ!遠慮しないで!」


…………はぁぁ~~


とりあえず一口食べた。


「……………………ちょっと美味いんかい!?!?」


ミライ堂の本でピザの作り方を学び、ドワーフにお願いしてピザ用のオーブンを作ってもらったそうだ。ドワーフ有能すぎないか?


足りない材料諸々は地球で調達したらしいので後日請求が俺宛に来た。ピザオーブンに使った電子部品がやたら高い。


結果-10万円程。

つくづく、料理面以外は残念な戦乙女ヴァルキリーだ。


ちなみに、バック・ステップ・ザ・フューチャー3は艦内で大ブレークを果たした。

特にカルチャー大好きなドワーフ達は連日モニタールームに通い詰めていた。どうやら前いた世界には映画やアニメといった娯楽は無かったらしい。


……なんだかなぁ

感想でピザ二郎を教えて頂いたのでシーンに盛り込んでみました。ありがとうございます。


2/18 一部内容を訂正しました

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― 新着の感想 ―
おはようございます。 まぁ大丈夫かな?とは思いますが…。一応版権チェックに引っ掛かる可能性も有りますから、オリジナル品以外の版権もの(プレス○とかバックト○ザフューチャーとか)は伏せ字にしておく方が…
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