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18話 異世界難民問題

危ねぇ。もう少しでガチャコイン1日分無駄にするところだった。


ガチャコインの精製は「72時間に一回」ではなく、「精製日から3日後再精製可能」なのだ。日付大事。


それにEXも引けたっぽい。万歳三唱。


===================================

Result;;


SR 特殊施設:マナ銀行バンク

HR スキルオーブ:錬成 B (Lv.1/10)

C 『バック・ステップ・ザ・フューチャー3』

EX 異世界難民船『ボイジャーVl』(重度損壊状態)

C 元カノの魔力式電動歯ブラシ

C PrayStation5

SSSR スキル:時空間魔導

C 食品Sample:豆腐

R 見てマナブ野球塾-動画教材『失敗しない!盗塁のシカタ』

C さいばーあいどる!!1/300スケールフィギュア-『電脳少女アイ』

===================================


既に0:00を回った。お酒も入っていて眠いので、こいつらの検証は起きてからで良いかな。


ベガとラナにおやすみと伝えて自室に戻る。明日が楽しみだ。




◆◆◆




それでは!!始めていきましょう!


・EX 異世界難民船『ボイジャーVl』(重度損壊状態)


…重度損壊状態?直せってことか??


EX級は例に漏れず凄まじい効果やアイテムなので少し身構える。


オープン!


……あれ?……あれれ?


ホントになんも起こらないな…カプセルの中は相変わらず何も入ってない。


すると、突然船内にサイレンの様な音が響き渡った。


[5番ドックに戦艦級の機体が侵入。機内に複数の生命反応有り。戦闘用アンドロイドを派遣します]


何とも物騒だが、俺には大きな心当たりがある。


念のため『断神剣ガーラナージャ』を召喚して、急いで5番ドックに向かう。


するとそこには、…巨大な、ボロボロの宇宙船?なんだこの球体…


戦闘用アンドロイド達が銃口で宇宙船を囲み威嚇する。さて、鬼が出るか蛇が出るか……




固唾を飲んで宇宙船を観察していると、


丁度俺の目の前の壁面がシャッターの様に開き、中から両手を上げた状態で何者かが歩み出てきた。


「…敵対する意思は無いわ。出来れば、この艦の代表者とお話させて欲しいの」


目の前に降り立ったのは、息を呑むほどに美しい……エルフの女性。


ピチッとした紫のハイテク風ボディースーツに身を包み、白金色の髪をポニーテールで結わえている。


「俺がここの代表をしている。

お前達は一体何者なんだ?」


「私の名前は、フローレム・■■■。種族はスペースエルフよ。

この船、『ボイジャーVI』で次元の狭間を彷徨っていたら…時空嵐に巻き込まれて、気付いたら船ごとここにいたの」


『ボイジャーVI』、やはりガチャで出たEXと同じ名前。それにしてもスペースエルフとは?エルフと違うの?


ベガはまだ油断していないのか、アンドロイド達は銃口を向けたままだ。


「お前達はガチャのことを知っているのか?」


「ガチャ?確か……超宇宙爆発インターブラスト以前に、■■■■の間で流行ってた賭博型娯楽じゃなかったかしら??」


ガチャに対する認識が少しだけずれている気はするが、彼女達はどうやら召喚前の記憶が有るらしいことが判明。ラナ、リシュア達とは違うパターンに少し戸惑う。


「じゃあ、"ワールド1492"という言葉は?」


「ごめんなさい、聞いたことすら無いわ…」


前々から気にはなっていた、運営の使う『ワールド1492』という言葉。ベガによると、おそらく俺達が存在するこの次元全体を指しているそうだ。


この言葉を知らない聞き覚えがないということはつまり、彼女達は別の次元からやってきた可能性が高い。


ガチャでは始めてのケースじゃないか?あ、でも超次元ドリンクサーバーは別次元と繋がってるらしいからな…


「今、船内には一体何名の、その、スペースエルフが居るんだ??」


「スペースエルフは私を含めて10人。だけど、この船の中には私達以外にも2つの種族が居るの。合計で30人よ。彼らの代表も呼んで良いかしら?」


「ああ、かまわない。話し合うんなら場所を移そう。」


スペースエルフの女性が船内に何かしら呼び掛け、更に2人が出てきた。


一人は俺の2/3くらいの身長でやけに筋肉質、モジャモジャの……恐らくドワーフの男性。戦闘になると思ったのか豪華な金鎧を着込んでいる。


もう一人は、ラナともまた違うくすんだような銀髪をボブカットに切り揃えた、これまた美人さん。着ているのはサイバー感漂う機械鎧。やけに白い肌に真っ赤な目が映え、妖艶な雰囲気を醸し出す。種族はなんだろ?


「オリジンドワーフの代表、グランタだ。よろしく頼む」

「僕はヴァンパイアヘリオスのシルヴァ。よろしく」


各々と簡単な挨拶を済ませ、早速艦内の会議スペースに移動することにした。




◆◆◆




その後、3人から状況説明を受け大まかな現状は理解できた。


どうやら三種族とも同じ上位種族に作られた存在で、姿形は違えど元々固まって生活していたのだそう。別次元の宇宙(3人は真宇宙と呼んでいた)では、一番最初に作られた生命体として崇められてもいたそうな。


しかし、その世界の人間のような存在の種族が3種族の持つ力を狙い侵略を開始。3種族全員で、戦地から逃げ出し船に乗り込んだ。




「……なるほど、そのせいで30人まで減らされたのか」


「あ、違うわよ?だって元々30人しかいなかったもの」




どうやら、能力的に遥かに劣る相手種族を滅ぼしても良かったが、同じ上位存在に作られた謂わば兄弟の様な相手を滅亡させるのが忍びなく、争うよりはと思い次元間航行を続け新たな安住の地を探していたらしい。


30名しか居ないのは昔からで、超長寿である3種族はほぼ繁殖行為が要らないから。その世界の神話扱いで穏やかに暮らしていたんだって。


文明や持っている知識の話を聞く限り、彼らがいた宇宙は相当発展している。逆に地球文明について話すと赤ん坊を見守る母親の視線を向けられた。




一通り話を聞いた俺は、ひとまず俺のスキルのせいで恐らくここに召喚されたことを伝え謝った。


「スキル、ねえ……一個人がそんな権能を持つのも驚きだけど、この世界ではそれが当たり前なのかしら?」


[マスターに代わりお答えします。マスターの持つ権能は私が航行した9つの次元と比較しても上位に当たる潜在リソースと性能を有しています]


「当たり前ではないのね。なら、良かったわ。流石にそんな世界で生活したくないもの」


それから、改めてベガの説明や現在の地球について知ってることを話した。どうやらどれも彼女達がいた世界でも理外の事物。心底驚いていた。




「…それで、これからどうする?俺が呼び出してしまった責任もあるし、この艦で生活してもらっても地球でどうにか生きていくのでも良い。他の惑星を探すなら船を修理することも出来るらしい……どっちみち、責任は取って支援はするから好きな道を選んでくれ。」


「うむ。申し出は有り難く受け取ろう。しかし、…少し我々で相談させて欲しい。一旦船内に戻っても構わないかな?」


「ああ、もちろんだ。何か食糧がいるなら持っていくが?」


「大丈夫。船内に完全食がまだある。お気遣いありがとう。」


「そうか、わかった。ゆっくり考えてくれ」


どうやら全体で相談するっぽい。しっかり考えて決めて欲しい。




◆◆◆




「…どうする?あの■■■■に似た男の子から感じるエネルギーは異常。近くにいたら面白そう。それに、チキュウのダンジョンってやつも楽しそう。」


「お主らはどんな環境でも生きられるからな…我々オリジンドワーフとしては、■■■様から与えられた文明の明導としての役割が、このチキュウという場所でもう一度担えるというのに心惹かれるものがあるのう……」


「話を聞く限り、チキュウは星霊様の怒りを買いかねない文明展開をしてるわ。私達スペースエルフも、出来ることならチキュウの星霊様に綺麗な状態でいて欲しいわね。それに、あの男の子からは■■■様と似た波動を感じるもの…悪いようにはならないでしょうし、出来るだけ近くで観察しましょう」




◆◆◆




大体5時間くらい経った。ラナは昨日遊びつかれたのか知らないが部屋でゴロゴロ漫画を呼んでいた。呑気なものである。


暇潰しに戦闘訓練用アンドロイドに断神剣の試し切りをしていた俺に連絡が届いた。結論が出たそうだ。




「協議の結果、私達の希望としてはこの艦内で生活させてもらう方向に決まったわ。改めて大丈夫かしら?」


「わかった、何も問題はない。ベガの住人としてみんなを歓迎しよう。」


「ありがとう、…ええと、マスター?がいいかしら?」


「好きに呼んで構わないぞ。マスターでも、野田でも翔斗でも。」


「確か、ショートが名前なのよね?なら私は名前で呼ばせもらうわ

よろしく、ショート」




こうして、ベガに新たな住人が増えた。今夜は歓迎パーティーだな。

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