13話 P新成紀 エヴォンゲリオス17
もともと11話のタイトルでしたが、こっちの方が合ってるので変更しました。すみません。
例えレアリティが高くなくても、有用な景品があることが分かった。
この本屋なんて貴重な情報が溢れ返っている。悪意をもって用いれば世界中がとんでもないことになるだろう。
流石に何百万とか何千万単位のお金は持っていないので、通徐の値段が付いた漫画を数冊買ってにラナにあげることにした。俺と同じ趣味にハマってもらおう作戦だ。
・HR 超時空ドリンクサーバー
簡易設置型の魔導具らしい。
筐体画面で操作することで好きな場所に設置することが出来る。
見た目は普通のドリンクサーバーだが…
・マルクの磨ぎ汁
・鵺王の生き血
・■■の涙
・ソテュヌ
・《爆液》■■■■■神の冷汗
・アップル(Lv.5674)ジュース
普通のドリンク飲ませて?!
[超次元、と名が着いてる通り内部で次元魔法が発動している反応が検知されました。恐らく特定の異次元で生産される液状物質が補給出来る魔導機器だと推測されます]
それはいいんだが…
生き血とか冷汗とか、絶対飲みたくなすぎる。
何気にアップル(Lv.5674)とかも訳わかんねえよ…伏せ字多くて怖いし…
[ここはお任せください。精製される液状物質を本艦内の研究施設に回します。結果が出たらお教えします]
お、お前…そんな頼りがいのある提案出来たのか…!!
今日だけはベガがかっこ良く思えてくるぜ!
[性質、効能が判明した後、本艦の運用や自陣営の強化、戦術兵器としての運用が見込める場合別途マスターに許可申請を送ります]
いつも通りだった。
・HR 電脳ネギ培養セット
現れたのは、種子が入ってるであろうパックと緑の液体で満たされた注射器みたいなやつが三本。説明書みたいなのも着いてる。
「電脳ネギ培養セットのご購入、誠にありがとうございます!!3643コロニーの名産である電脳ネギは灼熱の恒星、ハルマスとアルデスの良質なΩ放射線を受けて元気一杯に育つ特III級指定簡易戦略食糧物質です!!今回はハルマスとアルデスが無くても元気に育つように、我々3643コロニー農務研究室が開発したDX-974を同梱しました!!電脳ネギをもりもり食べて、第6次サイバー戦争にみんなで打ち勝ちましょう!!」
「…これも研究室送りで」
[かしこまりました。結果は追ってご報告します]
・HR 恐竜型魔導戦闘騎獣ヴァロキラプトルll
開ける前から、恐らく巨大だろうことは予想できたので戦闘訓練室にやって来た。
β屋の仕込みが終わったのか暇そうにしてたラナも誘って連れてきた。
解放!!
「…こ、これは…すごいっ、かっこいいです!!」
目の前に現れたのは体高が6m、横に全長が13mの全身金属で出来たティラノサウルス。
側面や上部に砲塔やマシンガンがたくさん着いている、殺意マシマシ生物感少なめなマシンティラノだ。
騎獣と着いてる通り、頭部はコックピット型になっている。
ついでに全然ラプトル要素はない。
「……Gryuuuu!」
え、こいつもしかして生きてるの??
「恐竜ハンパないです!!マジかっこいいです!」
「Gryrrruuuu!」
てててっ、と安易に近付いてくラナ。
そのままペタペタ脚部を触っている。
「…Grrryyuuu」
大丈夫??嫌がってない??
…あ、ほら!何かラナの方に顔を向けて……伏せた?
……頭をナデナデされてる。
「こうしてみたら可愛いですねー♪この子何か食べたりしますかねー??」
「機械なんだしオイルの補給くらいじゃないか?オイルで動いてるのかも分からないけど」
[機体名:恐竜型魔導戦闘騎獣ヴァロキラプトルllの動力源は解析した結果魔力であることが判明しました。また、口部から魔力を強く含んだ食糧を補給することが可能だそうです]
まじか。この子も魔力で動くのね。
「それって搭乗者の魔力を吸い取るのか?それとも事前に貯めたやつを切り崩しながら動くやつ?」
[恐らくどちらもです。内部に搭載されてる■■製疑似知能が戦況や環境を判断しながら、補給方法を切り替えるシステムが採用されています]
「ヴァロちゃんおまたせしましたー♪ラナ特製竜姫ラーメンです!」
残念な子であるラナはマシンティラノに家系ラーメンを食べさせようとしていた。
…なんか恐竜の口部からホースが出てきた…うわ、一瞬で吸い取った…
「GRYUUUU♪」
「ヴァロちゃんが気に入ってくれたなら嬉しいです~」
[ラナ様が作成するラーメンは、性質上多分に魔力を含みますからね。理論上はマナの補給源として完璧な食糧です]
「決めました!マスター、この子はラナが大切にお世話します!!」
「お、おう…がんばって…」
「任せてください!」
機械恐竜に乗って野を駆ける残念な戦乙女の姿を幻視した。
・SR P新成紀エヴォンゲリオス17 ~シン;未来への咆哮FF~
ついに来た。
正直、こいつが今回で一番気になってたんだ。
何を隠そう、俺はパチンコがそこそこ好きだ。これまで何度パチンコのせいで給料日3日以内に所持金が底を突いたか。
そしてこのタイトルは見覚えがある。名称は捩られているが、元々は名機と謳われホールに導入されてから長いことパチンカー達に愛されてきたST機。一律1500発、継続率81%のバランスの良さ。秀逸な演出や役物。この台の前に座ればみんな虜になってしまうのだ。
果たして、俺の前に鎮座する一台のパチンコ台は……紛うことなき件の名機である。
少し唾を飲み込む。手持ちの1万円を機械へ投入し、玉貸のボタンを押す。
ジャラララララ…
おお!ほんとに、ほんとに打てるじゃないか!!
[…………!!…マスター、その球状の金属を10個程頂いてもよろしいでしょうか?]
「え…これ俺の金で借りた玉だし…」
[金銭はお返しします。その球状金属の成分は大変有用な可能性があります。研究させてください]
そこまで言うなら…まあ
[ありがとうございます。当該魔導電子機器と合わせて解析が終了したらお知らせします]
訓練用のロボットに手渡しすると、ダッシュで消えていった。
いやーまさかガチャからパチンコ台が出るなんてなー。やっぱこのスキルは良く分からない。
検証しないといけない景品もまだあった気がするし…換金とかどうするんだろうな?とりあえずこの1万円で検証が終わったら…
『リーチ!!』
お!!いいねいいねいいね~
左上奇数テンパイ!赤セリフからの…銀…外した
まあまあまあ。これからだからな。
~1時間後~
ふぉぉぉぉぉぉぉ?!?!!
きもてぃぃぃぃぃぃ
RUSHキター!!!
いやー500とかハマる前に当たってくれて良かった!
ブッ飛ばしていくぜぇ!!
~3時間後~
投資分は飲み込まれた。
つまりここからは当たるまでマイナス。
パチンコはよく言われる、「引き際を見分けることが大事」だと。
もしかしたら今がその引き際なのかもしれない。
でも……分かるんだ、俺には。この台が吐き出したがっているのが…!
エヴォ17!!お前も苦しいよな!!
俺が助けてやる!必ず!
~それから3時間後~
…………。
……一文無しですが、なにか?
パチンコはクソだ。ここ最近打ってなかったから忘れていた。パチンコとは派手な演出や高揚感のある音光で射幸心を煽り我々から金銭を吸い取っていく現代に於ける触れる業だ。すっかり忘れていた。
なにが"天運"だ。一度も発動しなかったじゃないか。
クソ。
[マスター、当該機器の解析が完了しました]
今更こいつを解析する必要はないぞ、ベガ。
何故なら今から俺がぶっ壊すからだ。この忌むべき搾取機械を。
[それはやめた方がよろしいかと。マスター、当該魔導電子機器、機体名:P新成紀エヴォンゲリオス17 ~シン;未来への咆哮FF~ですが、排出される球状金属に非常に興味深い特徴が見られました。
この球状金属物質の一部は未発見の元素で構成されています。その元素からは電子的な情報を受信、演算、発信する性質と魔力を注げば注ぐほど防御性能が向上する性質が見受けられました。私の魔導電子情報加工技術と本艦内部の開発、生産施設を用いて魔力的、電子的な固有のパスを作成すれば、この次元内何処でも遠隔運用出来る魔導機器や魔導兵器軍が作成可能です]
…それはつまり?
[この金属が大量に手に入るなら軍事的、経済的に地球を統治することや未発見の星団、銀河で開拓行為を行うことが非常に円滑になります]
えげつないな。毎度のこと侵略者視点だけど。
とは言われても、あくまでパチンコ玉だろ?
今も有り金全部スッてるし…
……思い出したらイライラしてきたな。
[マスターのスキル"天運"を私が当該魔導電子機器にリンクさせ、システム干渉、改変を行えば半永久的に球状金属物質、仮称:ベガニウムを取り出すことが可能です]
なに?!
それは任意的に大当たりを引き続けることが出来るってことか?!
[はい。その様な状態になります]
そんなの最高のパチ台じゃないか!!
採用!全速力採用!!
[では、案内するので所定の場所へ当該魔導電子機器を設置しに行きましょう]
エヴォ17はベガに魔改造された結果、永遠に玉を吐き出し続けるガバガバ状態の神台になってしまった。
最早永遠に左上打ち状態に移行すること無く、機体自体がベガに制御されているためハンドルは右打ち電チューは開きっぱで固定されている。
人間で言うところの薬漬けにされて永遠にアヘ顔Wピースしてるみたいな状態なのかな。
つまり、そんな台打っても全然楽しくないのだ。
やっぱり、パチンコ台も女の子もガードが固い方が燃えるよね!
「マスタ~、ガチャでヴァロちゃんの彼女ちゃん出してあげてください~」
「gr、Grryuuu…///」
パチンコは程々にしよう!