日曜日 午後
「来る時間大丈夫だった?」
双葉と入れ替わりに桜が帰り、俺の部屋に移動すると双葉に確認をされる
『ああ問題ないよ、むしろちょうど良かったかも』
「それなら良かったけど、そういえばお昼は食べたの?」
『桜がサンドイッチ作ってくれてたから食べたかな』
双葉が来る少し前に、桜の作って持ってきてくれていたお昼の弁当を食べたところだった
「ふむふむ、それでは私が持ってきたお菓子は後で食べようね」
双葉もお出かけ用の鞄とは別に紙袋を持ってきていた、その中身はお菓子との事なので落ち着いたら戴こうと思う
『ちょっと飲み物持ってくるから待ってて』
「わかった、ちょっと準備しておくね」
部屋を出て飲み物を持って戻ると、双葉は携帯用のゲーム機を二台起動させていた
『あ、それって』
前に柊家に遊びに行った時に、三人でやったレースゲームのスタート画面が見えた
「前やったやつだね、他にも色々持ってきたよ」
双葉は手元にある小型のケースから、ソフトを取り出して見せてきた
『今日は部屋でゲームする感じでいいの?桜は期末考査で一位を狙ってるみたいだから、双葉は勉強しなくて大丈夫かなって思うけど』
「大丈夫です、そのために午前中は勉強したし他の皆と情報共有してたので、被らない事したいなぁって」
『なるほど、俺のために考えてくれてありがとう』
双葉だけではなく他の皆も、俺との事を考えて過ごし方を工夫してくれているようだった
(色々と気を使わせてしまっているかな、今度遊ぶ時は俺も色々と考えよう)
今回は半日ずつと言うことで、少ない時間をうまく使ってくれてるのを感じた
「とりあえずレースゲームやってから他のもやろう」
双葉から渡されたゲーム機は、双葉の青色と違って赤色だった
『これってもしかして』
「うん、お姉ちゃんに許可もらって借りてるから大丈夫だよ」
『傷つけないように丁寧に使おう』
双葉から受け取ったゲーム機を持って、操作の仕方を教わりながら動かしてみる
『この前はテレビ画面を使ったし、コントローラーだったからこういうタイプだとまた感覚が違うね』
「そうですね〜、でもコントローラーの真ん中に画面が付いてると思えば、あまり変わらないかも?」
『まぁたしかに』
テレビと違ってゲーム機の画面は小さいが、ちゃんと見れるようになっているこういう技術は凄いなと思った
『てか双葉って結構ゲームするんだ?』
「ん〜そうですね、たまにお姉ちゃんとしたり友達と遊んだりもしますね」
『どういう系が好きなの?』
「自分の土地の畑に作物を植えて育てたりとか、後は可愛いモンスター捕まえて育てたりとかですかね」
『なるほど、結構人気あるやつもあるね』
双葉の持ってきたソフトを見ると、アニメ化もしているモンスターを捕まえて戦わせるやつがある
「私は好きな子を育てて戦わせるだけですけど、友達は色々とこだわってたりしますね」
いわゆるガチ勢ってやつがいるのだろう、大樹に聞いた事があるがかなりやりこみが必要らしい
「とりあえず勝負しますか、負けたら勝った方の言う事を聞くと言う事で!」
『いいけど、軽めでお願いね』
さすがにゲームくらいで変な事は言ってこないと思うが、一応言っておく
「大丈夫ですよ、今日はそのつもりではないので」
俺の言いたい事が伝わったらしい、双葉の事もちゃんと考えるつもりだ
「そちらのお楽しみは、私は夏休みに入ってから期待しますね」
『ちゃんと考えておきます』
そして双葉とレースゲーム対決が始まった
『うわ、勝てねぇ』
「ふっふっふ〜、普段から練習してますからね」
圧勝と言っていい程に双葉に実力の差を見せられた、一応ハンデはもらってたのだが意味が無いレベルだった
『それで、勝った側の希望はこれでいいのか?』
「うん、お願いします」
双葉の希望は俺に膝枕をして欲しいと言った、ベッドの上に座り双葉の好きにさせてあげた
「頭撫でて欲しいです」
『こうかな?』
ゆっくりと双葉の頭と髪を撫でる、柔らかい髪からふわっと甘い匂いがしてきた
「気持ち良すぎて寝ちゃいそうですね〜」
『別に寝たいなら寝てもいいよ』
「それじゃ勿体ないじゃないですか〜」
双葉は膝に乗せてた頭を俺の腹の方に向きを変えて、腰に抱きついてきた
『今日は随分甘えん坊なんだな』
「だって〜せっかく二人っきりなんですよ〜」
双葉は俺の腹に顔を埋めながら、ずっと抱きしめている
「龍司君の温もりと匂い幸せ〜」
『双葉が良いと思ってくれてるなら嬉しいけどさ』
あまりされる機会がないから、少し恥ずかしい気持ちもある
「ん〜、えいっ!」
双葉は少し身を起こすと、俺を押し倒してきた
「これくらいはいいですよね」
『大丈夫だよ』
双葉を抱き寄せて唇を重ねる、双葉が上なので離れるまで暫くそのままでいた
「ありがとう、龍司君大好き」
「俺もだよ双葉」
唇を離して笑顔で話しかけてくる、そのまま俺の胸に頭を置いて心臓の音を聞いていた
「龍司君もドキドキしてくれてるんだね」
『それはそうだよ、双葉といるんだからさ』
「そうだよね、ふふふ」
双葉はそのまま暫く、胸の上に頭を乗せていた
「そうだ、おやつ食べよう!」
双葉はベッドから降りて、持ってきた紙袋からお菓子を取り出した
『これ知ってる』
「お母さんが持っていきなさいって言ったの」
双葉が持ってきたのは地元で有名なケーキの美味しい店の物だった、入っていた箱を開けるとシュークリームや個包装されたカステラなどが入っている
『ここのやつたまに母さんが買ってくるんだよね、美味しいから好きだよ』
「良かった〜、うちもよくお母さんが買ってくるんだよね」
もしかしたら同じ店に行くなら、お互いの母は顔見知りかもしれないと思った
(世間は狭いし、万が一はあるかもな)
『じゃあ、いただきます』
「うん、食べよう食べよう」
双葉が持ってきたくれたおやつを食べて、その後は持ってきたゲームをいくつかやってみせてもらった
自分の家を持ったり畑で作物を育てて販売したり出来るゲームに、結婚の機能もついててその相手の名前が俺なのがバレた時は、双葉は恥ずかしそうにしていたが見てしまったものは仕方がないので気にしなくていいよと伝えた
(最近はあまりゲームをする機会がなかったけど、今って色々出来るんだな)
少し前までは大樹の話ばかり聞いていたので知識が偏っていたが、今日は双葉に色々と見せてもらえて勉強になった
『またゲームやろうな』
「うん、夏休みに入ったら皆で勝負するのも面白そうだね」
『それもいいな、そのうち提案してみよう』
これから期末考査もあり夏休みにも入っていく、土日だけでは皆と過ごす時間が足りないので夏休みに入ったらもっと沢山過ごせる時間を作ろうと思った




