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日曜日 午前

『んっ』


目が覚めて横を見ると、部屋に見慣れない女の子がいた


『あれ、桜?』


桜は俺の部屋のテーブルを使って、勉強をしている様だった


「龍司君おはよう、上がらせてもらってるわよ」


『おはよう桜、起こしてくれても良かったのに』


「いいのよ、顔くらいは洗ってきたら?」


時計を見ると八時半で、家に来る時間は決めていなかったので、もう部屋に来ていたことに驚いた


「母さんや百合は?」


「私が八時に来た時には二人は出るとこで、家に入れてもらえたわ」


タイミングが良かったのだろう、家に入れてもらえたからそのまま俺が起きるのを待っていてくれたようだ


『なるほど、じゃあちょっと顔を洗ってくる』


部屋を出て顔を洗い髪を整えた、また部屋に戻ると寝間着も着替える


『ごめんお待たせ、今日はどこか出かけるのか?』


「ん〜、午前しか時間ないから決めてないわね。それよりも朝ご飯はどうかしら」


桜が持ってきた鞄から弁当箱を取り出す、開けると中にはミートボールや卵焼きなどが入っている


『お〜桜ありがとう、嬉しいよ』


「どうぞ」


桜から箸を受け取り弁当に手をつける、卵焼きは甘めで美味しいと感じた


『美味しいよ、わざわざありがとうな』


「いいわよ、ちょっと早く起きすぎただけだから」


桜は頬を染めながら、手元にあるノートに数式を書き込んでいた


『そういえば、もう少ししたら期末考査か』


中間考査の時は俺以外の五人で勝負をしていたらしい、そして一葉が勝ちこの前お願いをされた


(結局叶える形にはなったけど)


『もしかしてまた勝負の話があるの?』


俺に内緒で五人で動いてる事が多々あるので、一応確認してみる


「今回はまだ話はないけど、まぁするでしょうね」


『前回俺は何も聞かされてなくてさ、結局一葉に教えてもらう形になったよ』


一葉の願いは初めてする直前に言われたが、結局はするつもりだったので叶えることになった


「その教えてもらった内容は、まぁ聞かなくてもそうよね」


『…まぁ、そうかな』


一葉以外の四人も俺と一葉がした事を知っている、桜も結果としてそこに結びつけたのだろう


「次は私が一位を取るわ、龍司君が欲しいもの」


話ながらずっと手を動かしている、教室でも休み時間に復習している姿をよく見ていた


『そこまで根を詰めなくても、桜の事もちゃんと考えているよ』


「わかってるけど、ちゃんと理由が欲しいの!」


桜はこちらを見て涙を流していた


『桜?』


「私があの時間違いを犯してなかったら、今頃は龍司君の隣に普通にいられたかもって思うと悔しいの」


中学一年の時の話だろう、俺の記憶は曖昧な部分があるが、幼馴染と今でも付き合っていた未来があったのかもしれない


「今の関係でいられるのは嬉しいと思ってるのは本当よ、でもそれだからこそ龍司君の傍にいられる理由が欲しいの」


『俺は桜が傍にいてくれるだけでいいんだよ』


桜がそんな風に考えているとは思ってなかった、ただいつまでも過去の事を引きずってもこの先は楽しくないと思う


『俺はもう気にしてないから、だからこそ桜にも前を向いて欲しい』


桜のためにも俺は思っている事を伝える、桜には泣いて欲しくないと思った


「でも少しでも、頑張らせて」


『わかってるよ、朝ご飯ご馳走でした。俺も勉強したいから一緒にやろう』


「うん」


桜と期末考査へ向けて、勉強をして午前中は過ごす事にした






「そこ間違ってるわよ」


『あ、本当だ』


俺は桜の反対側に座り問題集を解いている。桜は自分のノートを埋めながら、たまにこちらの様子を見ていた


『そういえば手応え的にはどうなんだ?』


中間考査の時は、桜は上位に入っていたはずだ


「ん〜今回は少し範囲が広いから、なるべく家に帰ってからも復習はしてるのだけれどまだ厳しいわね」


本気で一位を取りたいのか、険しい表情で返事を返す


『俺と霞は確実に赤点だけは回避しないとなぁ』


「夏休みが潰れるんだから、絶対駄目だからね!」


赤点を取った場合、補習で夏休みの半分は潰れると聞いていた。それだけは回避せねばと気合が入る


『また皆で、勉強会をしようかね』


「そうね、そういうのは結構楽しいと思ったわ」


桜も楽しいも思ってくれるなら、また皆で勉強会をする相談をしようと思えた


「そういえば柊さんは何時に来るの?」


午後は双葉が来る予定だ、メッセージを確認すると午後一時には着きますと来ていた


(昨日のような事があるからなぁ)


皆約束の時間より早く来ていた、そうなると三十分は早く見ておいた方が良さそうだ


『昼頃かな』


「じゃあ後一時間くらいか」


時計を見ながら桜が何かを計算している、何かしたい事があるのかと思ったが俺には想像がつかない


「ちょっとだけ、恋人らしい事がしたいな」


桜が俺の横に来る、俺の手に自分の手を重ねて横から顔を近づけて来る


「今日はこれで我慢するから、今度はもっと色々したいな」


『ああ、ちゃんと考えておくから』


頬を染めて話す桜の唇に、俺から唇を重ねる


「んっ」


一度唇を話すと、俺の首に手を回しもう一度キスをしてきた


『んっ』


抱きしめながらキスをした後に桜が離れる


「はぁ、龍司君好きだよ」


『ありがとう、桜も過去の事は忘れてもう泣かないでくれよ』


「もう、馬鹿!」


俺の言葉が嬉しかったのか、少し涙を目に浮かべながら顔を逸らした


「今日は勉強はもういいかな、お昼ご飯もあるから食べない?」


朝ご飯の弁当を入れてきた鞄とは別に、銀色の袋の中から二人分の容器が出てきた


『お、少し冷たい』


「サンドイッチだから保冷材入れてきたの」


朝ご飯だけではなく昼も用意してくれて、わざわざ時間も考え保冷材を入れるのはさすがだなと思えた


『俺のために手前かけさせてごめんな』


「いいのよ、私がしたかったの」


『結構大変だったんじゃないか?』


弁当と別にわざわざサンドイッチを作ってるので、二食分を用意してきてくれている


「龍司君の喜ぶ顔が見えればいいの」


『今度ちゃんと御礼するからな』


「考えておくわ、本当に気にしなくていいのに」


桜に感謝しつつお昼もいただいた、卵のサンドイッチにハムやレタスで作ったサンドイッチもある


(尽くしてくれるのは嬉しいが、申し訳ないレベルだな)


桜には今度何かをしてあげたいと思った、お菓子を作ってあげたら喜んでくれるかなとも考えている


(プレゼントを贈るのもいいけど、平等じゃないとか言われるのかな)


こういう事に慣れていないのもあるが、バランスを取るにはどうすればいいかも、これからの課題なのかもしれない


『ご馳走様、美味しかったよ』


「お粗末さまでした」


桜は容器を片付けている、俺は食後の飲み物を取りに行こうと思った


『俺はコーヒーを取ってくるけど、桜は何がいい?』


「同じものでいいわ、ミルクとガムシロップは欲しいかな」


『了解』


部屋を出て一応玄関の外を確認しに行く、さすがにまだ双葉が来る時間までは、一時間ほどはあるので待ってはいなかった


(後三十分くらいかな)


飲み物を持って部屋へ戻る、桜とはその後ゆっくり過ごし双葉から着いたとのメッセージが来たので、入れ替わる形になった

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