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一葉と 3

『お邪魔します』


一葉の家に入り挨拶をしたが、今日は本当に誰もいないようだった


「皆出かけてるみたいだから気にしないで、飲み物持って行くから部屋に入っててね」


『了解です』


一葉の頬が赤くなっていた、俺も緊張でどんな顔をしてるのかわからない


(ん〜先に部屋入るのもなぁ)


部屋の扉の前に着き、少し待つことにした


(一応今日は、そういう事もなくはないだろうと思っていたけど)


この前の図書室で、しようと言った一葉の想いに応えられなかったので、近々叶えてあげたいとは思っていた


(ただ…正直今日の一葉を見たら、自分でもしたいと思ってしまった)


恥ずかしい話だが、外見で惚れ直してしまったのだ


(結局俺もそこら辺の男達と変わらないということなのかな?だけどそう思うのは今の五人だけなのは間違いない)


俺の傍にいてくれる彼女達だけを見ていようと、俺は心に誓った


「…あ」


『ん、えっ!?』


一葉が二人分の飲み物を盆に載せて持ってきたのだが、先程まで着ていた服を脱いで下着姿になっていた


「あわわわわ」


『あ、ごめん!』


下着姿を見てすぐに目が合い、その後に視線を逸らした


『な、なんで下着!?』


「いや、もう引けないように気合を入れようと…」


『あ…』


一葉は初めての事だ、この前だって自分からしようと言っていたが少し手が震えていた


(そうだよな、簡単なものじゃないものな)


色々と思うところもあったのだろう、ここで何もしなかったら一葉を裏切る事になる


(俺も覚悟を決めよう)


扉を開けて、一葉と共に部屋に入った






「…」


『…』


今俺達はベッドの上に正座で座り、向き合っていた


(正直このパターンは初めてなんだよな…)


初めて経験した時、俺はその頃の事をあまり覚えていない


(あの頃は百合に全てを任せた記憶しかない)


今でも自分からはする事はなく、百合が求める時は応える日がある


(正直嫌ではないし、百合の事は好きだから)


ただそれは、周りから見たらおかしい事なのかもしれないと少し思ったが、それは百合に失礼だと思う


(全ては俺のためにしてくれてた事だ、百合は悪くない)


「…あの」


『は、はい!』


沈黙が終わり一葉が口を開いたが、考え事をしていた俺は変な返事をしてしまった


「あ、ごめんね」


『い、いえ、こちらこそ』


「…」


『…』


俺が変な返事をしたせいで、また少しお互いが黙ってしまった


「…」


一葉は下を向きながら、チラチラとこちらに視線を送り様子を確認している


(初めてだものな、不安だろうな)


そう言っても俺からするとかの経験もなく、正直踏み出せない俺もいる


(キスとかもいつも俺からはしてないし…)


いつも受け身な自分は本当に目の前の相手を好きなのかと、自信が持てなくなりそうだった


「あ、あの…」


『…はい』


また一葉が口を開く、その顔は真っ直ぐにこちらを向いていた


「この前の中間考査の事なのだけど、実は私達五人だけで勝負してた事があってね」


一葉が一位を取った中間考査の事だろう、俺は何も聞いてなかったが女の子達だけで勝負をしていた様だった


「その勝負で一位を取ったら、龍司君が何でも願いを叶えてくれるって話になってて…」


『えっ』


(なんだそれ〜!俺は聞いてないぞ)


女の子達だけで約束してたらしい、だから百合が悔しがっていたのには納得がいった


「やっぱ百合さんから聞いてないないか〜」


『聞いてないですね…』


「やっぱそうか〜、たぶん皆一位だった時は同じ事考えてたと思うのだけど…」


『う、うん』


「私としてください!」


一葉は両手を強く握りしめて、神に祈るかのように俺を見ていた


『あ…はい、お願いします』


もうその覚悟を決めていた俺は、一葉はすぐに返事をした




「龍司君は経験あるんだよね」


『そ、それは…あります…』


(やっぱり経験がある事を責められるのだろうか)


俺が百合とした事を悪く思えば、百合に申し訳ないから否定はしない


「あ、違うの」


俺が落ち込んでるのか不安そうな顔をしていたのか自分ではわからないが、俺の顔を見た一葉がフォローしてくれている


「あのね、その…経験あるのは高梨さんから聞いているの。でもそれが駄目って事じゃなくて、それ以外は龍司君にとって私が初めての相手なのかなって」


『…それは、そうですね』


言われて思い出してみても、百合以外の相手は思いつかない、俺は正直に答える事にした


「キスも?」


「一葉が初めてだと思う」


「…そっか〜龍司君にとっても、初めてみたいなものだよね」


目の前の一葉は少し目が細くなり、嬉しそうな顔をしていた


「過去の事だからね、今更私がもっと早く龍司君と知り合えてたらとか支えてあげていられたらとか、考えても遅いのだけど…」


(もっと早くか…)


今のこの状況は、色々なものが噛み合った結果だと思っている


(もしかしたら、一葉とだけ付き合うような運命もあったのかもな)


元々は桜との事から始まった過去から今までの話、でもあの時桜と何もなくて付き合っていたら、一葉とは知り合っていたのだろうか


俺の中学の時の件は桜との事で間違いないと聞かされていた、その事はもういいが今の五人との関係はそれがあったからだと思っている


「前も言ったよねもっと甘えて欲しいって、龍司君は今私の事どう思ってる」


『…正直に言うと、初めてキスした時に何かが心に芽生えて、この前の図書室で本気で好きになったと思う』


『え…嬉しい、ねぇもっと私の事を愛してくれる?』


(好きではなく愛してか…)


これからする事を考えたら、愛という表現のが正しいのかもしれない


「龍司君がしてくれる?」


一葉が俺と距離を近づけて正面から抱きついてくる


「ああ、勿論だよ」


俺も一葉を抱きしめた


「私初めてだから優しくしてね、あと私にとって最初で最後の男になって下さい」


俺の背中に回った手が震えているのはわかった、一葉も覚悟を決めていた


「わかってる、一生傍にいて欲しい」


そして俺から、一葉と初めての経験をした










「ふふふ」


ベッドで寝ている俺の横で、一葉は少し起き上がりお腹を擦っていた


『大丈夫?初めては痛いと聞いたけど』


「う、うん、痛かったけど…嬉しかったし、最後の方は…良かったよ…」


『そっか…』


女性は痛いものと聞いているので不安はあった


(あ〜あとこれ三人にもするのか?)


百合と一葉を除く三人ともする予定がある、全員初めてと聞いてるので男として出来ることはしてあげたいと思った


「龍司君、幸せだよ」


『んっ』


一葉は俺の上に来るようにして唇を重ねてきた


「次はいつしてくれるのかな〜?」


唇を離した一葉が、笑顔で甘えるように聞いてくる


『またしたいの?』


「うん、初めては痛いから仕方ないけど慣れたら良いって聞くし、龍司君とはもっとしたいよ」


相手から求められる事は嬉しい事だが、他の子もいるのでどううまく立ち回るか考えなければいけないと思った


『そうだよな〜そういう事もちゃんと考えていかないとね』


正直一葉としている時に身体の相性は良いと思えたし、している時の顔や声も可愛いと思った


『そういうのも相談して決めていこう、ごめん一葉、一葉だけと一緒にいられなくて…』


「あ、ううんいいの、私は龍司君の傍にいられるだけで幸せだから…だけどこういうの経験したらもっとしたくなるのは私がエッチなのかな?」


微笑みながら話す一葉は色気があり、惚れ直す可愛さがあった


『俺はそういう一葉も大好きだよ』


「んっ」


一葉を引き寄せて唇を重ねて抱きしめた


『一生離さないからな』


「うん、一生傍にいてね」


抱き合いながら確認をした




「ふぁぁぁ、昨日緊張して寝れなくて、したら眠くなってきちゃった」


『あ〜わかる、俺もあまり寝れてなくて眠いかも』


「少し寝よっか、龍司君とくっついていたいし」


『ああ、どうぞ』


一葉が俺の腕を枕に寝ようとしたので、反対側の腕で抱きしめながら寝ることにした


「龍司君、大好きだよ」


『俺も一葉の事が大好きだ』


幸せな気持ちを胸に、二人で夢の中に入っていった


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