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一葉と 2

(さてどうしようか)


待ち合わせ後、一葉と二人で歩いている


お互いがお互いを意識して、うまく会話が出来ないでいた


(まさかここまで一葉が変わるとは思わなかったなぁ)


元々の素材はいいと思っていたが、プロの手にかかればここまで化粧は人を変えるのかと思った


(一葉は元々可愛いし、綺麗だなと思っていたが…)


いつもの三つ編み姿からは想像出来ないくらいの、派手とは言わないが地味とは無縁の女性が横にいた


「わ、私ね」


暫く下を向いて俺と同じく考え事をしてた、一葉が口を開いた


「龍司君の傍にいられる事に自信が持ちたくて、変わりたいと高梨さんに相談したの」


『うん』


「私自身も予想より変わっててびっくりしたんだけど、龍司君のお母さんって本当に凄い人なんだなって思ったよ」


母は普段は芸能人やモデル相手に仕事をしていると聞いた事はある


(霞の時も凄いと思ったしな)


あの時も凄いと思ったが、今日は過去一やばいと思った


『一葉は凄く綺麗で可愛くなったよ、正直惚れ直した』


「う、うん…龍司君も今日はいつもよりもっと良いよ」


『俺も母さんのおかげかな』


正直自分の事は相手しだいだったので、よくはわからなかった


「もしかして私を待ってる間、結構声をかけられた?」


『あ〜、カフェで朝御飯を食べてる時とか、待ち合わせ場所でそれなりに』


「やっぱり!龍司君もモテるのを自覚して欲しいな!」


俺と目を合わせて拗ねてくる一葉は、可愛いと思えた


(やっぱり目が綺麗で良いなぁ)


まだ出逢ってすぐの頃に、一葉の目を見て綺麗だと思った事があった


『一葉も結構途中声かけられてたよな』


待ち合わせ場所から見えた光景は、何かのイベントかと思ったくらいだ


「見てたなら助けて欲しかったな〜、断るの大変だったんだよ!」


『いやいや一葉とは思わなかったし、他の女性を見てたら一葉に悪いと思ったからさ』


目の前に来るまで気がつかなかったと正直に告げる


「私は髪を切った後の龍司君を見てたから特徴を見てわかったけど、正面から見た時は少し驚いたんだよ」


『そうなのか、そんな変わったかな?』


「今までで一番かっこいいなと思ったよ」


その様なお互いを褒め合う会話をしてたら、目的地についた


『本当にここで良いの?』


デートコースを相談したが、初めてなのでお互い緊張しないようにいつも行くところが良いと言われた


(まぁ結局お互いを意識して緊張してるのだけど…)


「うん、私は二人でいられるのが大事だから」


まずはいつも行く書店が良いと言われて中に入った、そこでは一葉の好きなものについて聞いたりした


「そういえば最近ね、書いた漫画を見てもらったんだけど」


『あ〜持ち込みとかしてると言ってましたね』


「実は皆には内緒なんだけど、最近の私達の話をねネタにして書いたら結構評価が良くて」


『え、俺達の?』


「うん、全部が全部書いてるわけではないんだけど」


部室だけではなく家に帰ってからも書いていたらしい、俺達の日常をネタにしてるとは思わなかった


『駄目だったかな?』


言うのにも勇気が必要だったのであろう、不安そうに見上げてくる一葉に嫌とは言えるわけがない


『いやいいんですけどね、あまり恥ずかしいのは書かないで欲しいかも?』


「そこはまぁ、双葉にも確認はしてもらってるので」


双葉に見せてるなら問題はなさそうだ


『まぁそれなら大丈夫かと』


「良かった〜今度協力して欲しい事もあるから、お願いしたいな」


『俺で出来る事ならやりますよ』


「ありがとう!」


そういう会話をしながら店を見て回って出る事にした、買ったりは今日は荷物になるからとしないようだった




『そういえばお昼は、俺が選んで良かったんですよね?』


「うん、大丈夫!」


『と言っても俺も詳しくはないので、ここなのですけど』


「あ、ここ!」


その店は、前に百合とデートした時に入った雰囲気のいいお店だった


『今日はまだ涼しいので良かったかも』


「えっ?」


予約しておいて案内されたのは、一回で二組までしか利用出来ないテラス席だった


『前に百合と来た時は見られてたってのは聞いてるので、この店の事は知ってると思うのですが』


「うん、ごめんね」


百合とのデートが気になって、皆で様子を見にきていたのは聞いていた


『店内であまり見られるのは好きでないのと、一葉とはゆっくり過ごしたかったので』


梅雨の時期で天気が読めないので、いつもなら人気のテラス席も今日は予約が取れた


「ありがとう、その気遣いが凄く嬉しい!」


一葉が喜んでくれてるのでここを選んで良かったと思えた


「ではお待ち下さい」


コースでお願いしていたので、飲み物だけ注文し待つことになった


「この前は食べれなかったから楽しみだなぁ、あとここ凄くいいね!」


テラス席は店の横に広く場所が取られていて、二組分の席もそれなりに離れている為、お互いの会話もあまり聞こえず雰囲気も良かった


「お待たせしました」


飲み物と料理が順番に出てくる、一葉は目を輝かせて写真を取ったりしていた


「あまりこういう店に行く機会がなかったから嬉しいよ」


『それは良かった、まぁ俺もいつも母とかに連れて行ってもらうだけですけど』


母や百合はこういう事については詳しく、いつも驚く様ないいお店に連れて行ってくれた


「龍司君はデートとかって百合さんくらい?」


『あ〜、まぁ彼女とか出来たことなかったし』


「そっか〜私が百合さん以外では初めてなのかな?」


『あ〜、まぁ正直そうですね』


格好つけても意味がないので正直に言う、だが一葉は嬉しそうだった


「ねぇ、あ〜んしてもいい?」


『ああ、いいですよ』


お互い同じ料理が来ているが、一葉の希望には応えてあけたいと思った


「あ〜ん」


一葉の手に持つフォークの先にある料理を口に含む


『ん、ありがとう。じゃあ俺もね』


同じく違うものをスプーンに載せて返してあげる


「あ、あ〜ん」


俺が食べさせてあげたものを口に含んだ一葉は、美味しいそうに食べていた




「龍司君と来れて良かった〜、この先もずっと一緒にいたいな」


『一葉…俺も同じ気持ちだよ』


「ふふふ、嬉しい」


食事も終わり、食後に追加で飲み物を注文し少し話をしてから店を出た


(相変わらず凄いな)


店を出ると前回と同じく入店待ちの列が出来ていた


「凄い人気のお店なんだね」


『予約しといて良かった〜』


前回の経験が生きて良かったと思えた




『これからどうしようかな、行きたいとこはある?』


「え、あ〜うん…あそこ」


一葉が指を指した建物はご休憩やご宿泊と書いてあり、値段の看板の出てるところだった


『か、一葉?』


「龍司君は行った事はある?」


『あ〜』


(社会勉強だと、一度だけ百合に連れてかれた事があるな)


「あるんだ…」


『いや一回だけね!一回!』


「ふ〜ん、なら私とも行けるよね?」


腕に強く抱きついて言う一葉は魅力的だったが、ふと冷静に考えてしまった


『一葉の事は好きだし、今日はそういう事を意識してない事もないんだけど』


「うん」


不安そうに一葉が見てくる


『こういうところって、本来高校生以下は駄目だったような…』


「あ〜、そうだよね」


俺と百合との事は社会勉強なのでノーカンだと思いたい


『万が一誰かに見られていて、一葉が嫌な思いをしたら俺が嫌だ』


「龍司君とならいいんだよ…」


腕を抱きしめる力が強くなる


(う〜ん、一葉には応えてあげたいけど…あ、そういえば)


『双葉から聞いてたんだけど、一葉の家って今日誰もいないらしい』


「あ、そういえばそうかも」


(いや…でも、意識して家に行くのもなぁ)


「私はいいよ、龍司君は私の部屋でもいい?」


『…ごめん、甘えさせて』


「うん!行こう!」


一葉の家に向かう事になったが、お互いその先を意識して会話が出来なく、無言で家まで歩く事になってしまったのだった

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