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双葉の悩み

「龍司君、今日の放課後付き合ってもらえませんか?」


『放課後?』


「はい、お願いします」


朝の登校時に隣を歩く双葉から、そうお願いをされた


日中も双葉は、スマートフォンで何かを調べてるのかずっと操作をしていた


ただ思い詰めてるとかではなく、何かを想像してるのか考えてる様子だった


(何か悩みでもあるのかな?)


俺個人が誘われるくらいなので、俺に関わる事なのかもしれないと思った


(俺が力になれるならいいけど)






放課後になり部室に移動したが、時間がどれくらい必要なのかわからないので、双葉に確認する事にした


『双葉、朝の件だけどどうする?』


「あ、そうですね…もう少ししたら行きますか」


俺の言葉に少し考え、そう返ってきた


「何かあるの?」


一葉達が気になったのか、俺と双葉に声をかけてきた


『あ〜、双葉が用があるみたいで』


「ちょっと龍司君とデートしたかっただけよ、気にしないでね」


双葉はたいしたことはないよって皆に説明していた


「ズルいなぁ」


「今日は龍司君と二人で行きたいの、お願い」


そう皆に言うので、俺だけに何かを相談したいのかなと思った




『じゃあ行こうか』


一時間ほどが経ち、少し早めに下校させてもらう事にした


「う〜、私達も龍司君とデートしたいよぉ」


「今日は絶対ついてきたら駄目だからね!」


双葉が皆に念を押していた


(そう言われたら、余計に来そうだが)


そう思いながら、双葉と二人で部室を出た








『髪?』


「そうです。昨日龍司君が切る話をしていて、私もどうしようか悩んでて」


双葉の朝の誘いは、髪についてだった。今は二人で学校帰りに書店に寄り、雑誌を見ながら話をしていた


『双葉は一葉と双子かってくらい似てるものな』


双葉と一葉は顔や雰囲気が似ていて、俺も一度騙されかけた事があった


「そうなんです!だから個性が欲しいなぁって思ってて」


学校での双葉は、一葉みたいに髪を三つ編みにしてはいない


『家だと一葉と逆なのにな、学校の時は朝セットするの大変そうだよな』


「プライベートはいいんです。毎朝大変ですけど、でも学校とかは関係なく龍司君にも可愛いって言われたいな」


『あ、双葉は可愛いよ』


「そうじゃないの!もっと可愛いと思われたいの」


女の子は複雑みたいだ


(う〜む、双葉の髪型か)


家では三つ編みだったり何かしら縛って地味な雰囲気でいることが多いが、学校では髪をおろしていてふわっと浮いた様な柔らかい雰囲気をしている


『髪のセットも大変だろうしなぁ』


(いっそ短くとも考えたが、女の子が髪を切るのは何か特別な感じがした)


「そうなんですよね、毎朝大変だし、それなら今あるのを肩より上くらいまで切るのもいいかなぁって」


双葉も同じような事は考えていたらしい、肩より上くらいならそこまでバッサリでもないしいいかもしれないと思った


「今はセミロングくらいなんですかね、それをミディアムにして」


『ふむ』


双葉は髪を持ち上げて長さの調節をしている


「ショートって似合うと思います?」


『双葉は何でも可愛いと思うけど』


「龍司君の趣味は?」


『す、少し長い方が好きかも』


「高梨先輩も龍司君のお母さんも長いですもんね〜」


百合も母も長い髪が似合っている、それでもその人ごとに合う髪型があると思う


『双葉はどうしたいの?』


「ん〜?龍司君に振られたりしたら、ショックでショートにしちゃうかもな」


髪を押さえながらこちらを向いてきた


『え、そんな事しないよ』


「ふふふ、ずっと一緒にいてくださいね」


一瞬不安そうな顔をしていた双葉に、明るい笑顔が戻った


『勿論だよ、自分がしたい髪型にすればいいんじゃないかな?毎朝セットが大変ならそれも考慮して』


「龍司君の趣味だと、短すぎなければ大丈夫かな?」


髪を触りながらこちらに視線を向けて来るので、正直に答える事にした


『う、そうだなぁ…ミディアムはあると嬉しいかも』


「なるほどなるほど、龍司君はいつ髪を切る予定なのですか?」


『百合には、週末を空けとくように言われてるかな』


「私も同じとこに行ってみたいですね」


『ん〜メッセージ入れとくか』


百合に向けて確認のメッセージを送っておいた


『送ったよ、逆に俺はどうするのがいいと思う?』


「私はそこまで詳しくもないので、でも前髪がなくなって目が見れるようになったら嬉しいかも…」


『目?』


「はい、龍司君の目が好きでその泣きぼくろもいいなって」


顔を赤くしながら話す双葉を見てたら、こちらも恥ずかしくなった


『でも双葉達には今よりは良く見て欲しいし、傍にいて釣り合うようにはしたいかな』


「今でも私達はそう思ってます、ただ周りが無駄に煩いだけです!だから自信を持ってください」


『ありがとう、嬉しいよ』


双葉の言葉に胸が温かくなった、自分は良い子達と知り合えて良かったなと感じる


「でも…他の女の子達が寄ってきても、私達だけを見てて欲しいな」


『当たり前だよ、俺には双葉達しかいないのだから』


「その言葉信じてます」


ここ最近は念には念を押されてるくらい言われるが、髪を切ってそこまで何か変わるのか、それが俺には理解出来なかった


『あ、百合からメッセージ来た。日曜日空けといて欲しいって』


「本当ですか!わかりました」


土曜日はバイトらしく日曜日に髪を切るとの事だった


「楽しみですね〜」


『そうだね、てかさ…』


先程から視線の端に、チラチラ見えるものがいた


「あ、気がつきました?結構前からいますよ」


さすがに鈍感と言われる俺でも、気がつくくらい近くに一葉達が来ていた


「どうします?見せつけるように濃厚なキスでもしますか?」


『えっ、それはさすがに』


「もっと先のもいいんですよ」


頬を染めながら耳打ちしてくる双葉の声は、少し色っぽかった


『こ、今度二人っきりの時にね』


「ふふふ、約束ですよ」


勢いで何か凄い事を約束させられた気もしたが、後の祭りだった


『今日は帰ろうか』


「そうですね」


その後書店から出て、バレてないつもりだった一葉と霞と桜を捕まえて全員を送っていった


百合は今日は生徒会があったので別行動で、俺が帰る頃には家にいた




「日曜日はみんな来るみたいよ」


百合に皆が連絡したのだろう、日曜日は全員で行くことになった


『あ〜ごめん、お店大丈夫かな?』


「お母さんの知り合いのとこだし、皆可愛くなりたいのならいいんじゃない?」


『一応今日双葉と、雑誌とか見てきたんだけどさ』


「ふ〜ん、まぁ楽しみにしてなさい」


『ボウズとかはやめてください』


「そこまではしないわよ、絶対いい男にしてあげるからね」


そう話す百合は自信があるようだった




それから平日が過ぎ、土曜日は中間考査の結果がそこまで良くなかったので、期末に向けて勉強してるように言われて一日が終わった

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