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誕生日 2

午前中に頼まれた買い物を終えて、帰宅したのはやはり昼過ぎになっていた


『ただいま〜』


家に入っても静かで靴なども朝のままだったので、百合が家にいるのはわかっていた


(寝てるのかな?何か良い匂いがする)


約束してた通り昼ご飯を用意しておいてくれたのだと思い、買い物した荷物を持ったままリビングに入った


パンッ、パンッパンッ


『おわっ!』


リビングに入ると同時に、何かが弾ける音が聞こえて俺は驚いた


「誕生日おめでとう!」


『え…あ、ありがとう』


いないはずの女の子達が、目の前にいて祝ってくれた

。家族の靴以外なかったので、皆がいるとは思っていなかった


『うわ〜、凄いな』


「龍司君のために、皆で準備をして待ってたんだよ〜」


一葉達が手を大きく広げ、部屋をアピールしてきた

。リビングの壁などには、今日のためにつけてくれたのか装飾がされていて、部屋が華やかに感じた


『え、嬉しい…てかメイド服!?』


目の前の女の子達は皆、メイド服を着ている。それは漫画の世界でしか見ないような、非日常の光景だった


「今日はご奉仕するからね」


百合が腕に抱きついてきた、胸元が強調されていて年頃の男子には刺激的な服装だと感じた


『メイド服はわかったけど、なんで一葉と霞のはそんなスカートが短いの?』


五人共メイド服なのだが、一葉と霞だけ他の三人に比べてセクシーなメイド服だった


「うぅ、それは…メイド服買おうとしたら三着しかなくて、他のとこで買ったらこんなデザインだったの」


一葉が顔を真っ赤にしながら、説明をしている


「ほらあれよ、お風呂の時の真白ちゃんの」


『ああ、あれか…』


霞の水着がどう見てもコスプレとかに近い、俗に言う旧スクール水着だった


「足りなかったからそのお店で買ったの、ついでに真白ちゃんの水着もね」


『…なるほど』


他の三人のスカートが膝の上くらいまであるのに、一葉と霞のはもうなんというか見えるレベルのものだった


「見ちゃだめじゃないけど、恥ずかしいよぉ」


一葉がスカートに手を置いて押さえている。ちょっと動いたり風が吹けば、簡単に白い物が見えてしまう


「龍司君ならセクハラも許す」


霞は逆に俺の手を取って、スカートの後ろ側を撫でさせようとしてきた


「真白さん何してるの!」


「龍司君も流されないで」


双葉と桜が、慌てて止めに入ってきた


(これは…凄いな)


想像してなかった光景に、ただ驚きを感じるしかなかった




「お腹空いたでしょ、ご飯を食べましょう」


「龍司君、それ預かるよ」


「龍司君こっち」


百合の言葉に、一葉が俺の持っていた荷物を受け取り霞が椅子まで案内してくれる


「はい、ど〜ぞ」


『ありがとう、お〜凄いな』


百合と双葉や桜がテキパキと、用意されていた料理を目の前に運んでくれた。俺の好物の海老フライや天婦羅、ステーキなどのメインに大皿のサラダが置かれていった


「ご飯はおかわり出来るからいつでも言ってね、おかずもまだまだあるから先に食べていいからね」


『ありがとう、いただくよ』


ご飯と取り分け用の皿を渡され、俺は先に食べる事にした


「私達も先に食べるから交代ね」


目の前に双葉が座り、隣に霞が座った。百合と一葉は海老フライや天婦羅を揚げたりして、桜は使い終わった皿などを洗うようだ


『いただきます』


「いただきま〜す」


せっかく用意してもらえたので、遠慮せずに先に戴く事にした






「龍司君、あ〜ん」


『あ、ありがとう』


双葉が海老フライを、口に運んでくれる。揚げたてで熱いので、息を吹きかけて冷ましてから口に入れてくれた


「美味しい?」


『ああ、美味いよ』


「龍司君、こっちも」


『霞もありがとう』


霞が横からも、食べさせてくれた


「飲み物のおかわりは?」


『あ〜、お願い』


洗い物が一度落ち着いたのか、桜がコップに注いでくれる


「今日は主役なんだから、好きな事を言っていいのよ」


「エッチな事も可」


『いやエッチって、十分してもらってるよ。ありがとう』


皆が俺のためにしてくれるのが、素直に嬉しかった






『美味しかったよ、ありがとう』


ある程度お腹が膨れてきたので、少しゆっくりしようと思った


「まだ入るよね?」


『入るけど、皆も食べて欲しいな』


料理をするのは途中途中で交代していたが、まだ全員が食べ終わってなかった


「私達は大丈夫よ、それより入るなら…」


一葉と双葉が冷蔵庫に行き、何かを運んで来た


「じゃじゃ〜ん、ケーキです」


『え、マジで?』


「皆で作ったんだよ〜」


大きな皿に乗ったケーキを、二人が俺の前に置いてくれた


『お〜』


手作りにしては綺麗に整えられていて、店で売っているホールケーキと言われても差がなかった


「いっぱい食べてね」


『ありがとう』


一葉が切り分けて皿に乗せてくれる、チョコで出来たプレートに俺の名前が入っていた


『美味しいよ、ありがとう』


誕生日に食べるケーキが、こんなに美味しいとは思わなかった


「龍司君どうしたの?」


双葉が俺の顔を見て、泣きそうになっていた


『えっ』


俺はいつの間にか泣いてたようだ、頬が熱く感じていた


「龍司君」


霞が涙を拭いてくれるが、暫くは止まらなかった


「どうしたの〜」


百合が俺の顔を優しく包んで、胸に引き寄せてくれた


(柔らかい…)


硬いものを感じない胸の温もりに包まれて、暫くは動けなかった






「落ち着いた?」


『ああ、ごめん』


百合の胸から離れて、少し落ち着く時間をもらった


『みんな今日はありがとう、人生で一番幸せな誕生日だよ』


「そっか〜、私達も嬉しいけどまだ終わりじゃないんだよね」


桜がそう言うと、他の四人が一度リビングから出ていった




「プレゼントタ〜イム!」


一葉が元気よく入ってきた、皆も後から続いて入ってくる


「まずは私からね、はい」


百合から受け取ったものを開けると、ジャージが入っていた


「この前借りて着たら、結構長く使ってるのわかったからさ。これでまたランニングに行ってね」


『お〜、ありがとう』


最近また身長が伸びてきていたので、丈とか合わなくてちょうど新しい物が欲しかった


「私達からはこれです」


双葉が箱を手渡してくれた、開けると運動用のシューズが入っていた


「ランニングしてるって聞いたから、高梨さんがジャージなら私達はこれかなって」


一葉がそういって、履かせてくれた


『お〜サイズもぴったり、横もきつくないよ』


「えへへ、良かった〜」


『これで頑張って走るよ』


「うん!」


履かせてもらったシューズを脱いで、一度箱に戻しておいた


「私達はこれ」


霞から渡された袋を開けると、予想外の物が出てきた


『あれ、これは首輪とリード…?』


「私を飼って欲しい」


「真白さん、ちゃんとやって!」


犬の真似をする霞を、桜が注意した


「冗談、それはパールと散歩する時に一緒に使いたい、こっちが本命」


そう言うと、先程よりも大きな袋を渡された


「ジャージと靴はあるから、これはどうかなって」


桜の話を聞きながら取り出すと、中には速乾タイプのシャツとハーフパンツが入っていた


『実用的で助かるなぁ、これから皆のくれたもの使うからな。ありがとう』


「良かった〜」


「大切にするのよ」


喜ぶ俺を見て、皆が笑顔になっていた




(あ、そうだ)


午前中に買った物の事を思い出した


『すいませんそこの紙袋取ってもらっていいですか?』


先程預けた荷物のうち、キーホルダーの入った紙袋を取ってもらった


『俺からも渡したい物があって』


紙袋から取り出した包装の中の、更に個別に分けている袋を配った


「これは?」


『今はこれだけですけど、そのうちは皆でその…指輪とか買えるといいかなって』


各自渡した袋を開けていった


「凄い、誕生石がついてる」


「あ〜デザインは皆同じで色とか違うのか」


「え〜、嬉しい」


「どこにつけようかな〜」


各々、渡したキーホルダーを見て喜んでいる


「こんなのいつ買ったのよ〜」


『今日の買い物の時に、たまたま見つけて』


「あ、もしかして…あ〜なるほどね〜」


百合は一人で納得してる様子だった


『何かあった?』


「いや、もしかしたら今度皆で行こうとしてたとこかもって」


『そういう事か』


たしかに過去に連れてかれた記憶があるから、そうかもしれないと思った






「龍司君ありがとう」


皆に御礼を言われたが、俺こそ皆に感謝をしていた


『今日は俺のために、皆ありがとう』


途中泣いてしまったが、最高の誕生日だと思えた


「さて、ここからは皆で龍司にご奉仕しましょうかね」


『いやもう十分だよ』


「ふふふ、そんな事ないわよ〜。ね〜?」


「はいっ!」


徐々に皆が近づいてきた


(これは、まさか…)


そう思った時に、玄関から声が聞こえてきた


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