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嫉妬

『あ、アラームセットするの忘れた』


昨日アラーム代わりにしてたスマートフォンの電源が切れていたので、そのまま充電器に挿して寝てしまった


一回起動して設定をしてなかったので、いつもの時間に起きる事になった


(早く起きて勉強するつもりだったのだが、結局いつもの時間か)


起きれなかったものは仕方ないので、自分の不甲斐なさに反省をする


『ん?』


隣を見ると、百合がしおらしくこちらを見ていた


『百合おはよう』


「龍司、おはよ」


結局昨日は夜中に起こされたが、百合を落ち着かせて一緒に寝るだけにした


こういう時に勢いで何かをしてしまうと、絶対お互いだけではなく皆が後悔することになる


(子供とかそういうのも早いしな)


まだ先は長い、皆円満に過ごすには、その時の勢いに任せるのは良くないと思った


(なんか昨日の百合は、自暴自棄になってる感じだったな)


「ねぇ、嫌いにならない?」


『ならないよ、ごめんな』


甘えモードになってる百合を抱きしめた




スマートフォンの起動が終わると、一気に通知が来た


(あ〜、電源が落ちたのはこのせいか)


元々充電は適当にやっていたが、それでも電源が落ちる事はなかった


見てみるとメッセージや着信の履歴が、大量に残っていた


(皆を不安にさせたよな)


お互いが安心出来るように、話をしようと思った








登校の準備をしていたら、全員が一時間早く家を訪ねて来た


昨日の事を話したかったみたいで、リビングに上がってもらった


「龍司君ごめんなさい」


百合も含めた五人が、頭を下げてきた


『いや、俺も悪かったよ』


「言い訳でしかないけど、日曜日に楽しく過ごせたけど、龍司君をお風呂で倒れさせたから、嫌われてないか心配してたの」


「うん」


「それで学校で知らない子達と話をしてて、私達が全然話出来なくて、昼休みに皆で話した時に不安になっていって…」


『あ〜』


「何度も龍司君を信じるって言ってたのに…重い女でごめんなさい。他の子と話す龍司君に嫉妬したの」


(う〜む…どうするべきか)


土曜日の件が、こんな事にまでなるとは予想してなかった


(俺の気配りも、足りなかったって事だもんな)


正直昨日のは少しショックだった、だけど寝れてないのだろう、皆の憔悴して元気のない顔を見ると、責める気にはならなかった


『俺には皆を責める事は出来ないよ、俺が辛くなる』


「…」


『だから次からはちゃんと話そう、俺は絶対皆を裏切らないから』


「龍司君…」


『俺だって、ある日いきなり俺以外の男と皆が仲良く話してたら、不安になると思うからさ』


「うん…」


『お互い様だよ』


「ごめんなさい」


百合以外の四人が抱きついてきた、百合とは昨日から話してるから問題ないと思ってる


(恋は盲目って言うもんな)


『そもそも、俺が中途半端なのが悪いし』


「そんな事ないよ!」


『そんな事あるよ、だから安心して欲しいからさ、皆で同じアクセサリーをつけるとかどうかな?』


「えっ」


『今すぐは無理だけど、後々は指輪とかどうかなって思うよ』


「ほ、欲しい」


『それで皆が安心してくれるなら、俺はありだと思うよ』


「そうね、中間考査が終わったら見に行きましょうか」


『そうだね、でもこういうのはいつか起きる事だったし、早めに起きて良かったかもな』


恋愛はいつ勘違いなどで拗れるかわからない、そしてそれを修復するのも簡単にはいかないものである




『遅刻しないように行こう、俺も今日は昨日の二人にちゃんと話して皆を安心させるからさ』


話し合いをしてるうちにいい時間になったので、皆で登校をした


教室や廊下で昨日と同じく話かけられたのだが、昨日ついた首周辺の痕を見て悟ったのか、それから話かけられることはなくなったのだった


俺達の自意識過剰だったのかもしれないが、二人にもし何か期待させたのであれば、申し訳なかったと思っている





放課後、また高梨家に集まった


「今週は金曜日まで、皆で勉強しましょう」


名目は勉強会だが、本当は皆俺の傍にいたいと百合にお願いしたらしい


この事は後々聞かされるのだが、俺はその時に皆を少しでも安心させたかったので良かったと思った


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