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浮気

「まさか私達がいるのに、浮気なんかするなんてね」


俺はベッドに押し倒されて、百合に胸を踏まれていた


そして百合の後ろには四人の女の子達がいた


(どうしてこんな事に)


俺は自分の身に何が起きているのか、理解が出来なかった








『週末には中間考査か〜』


昨日の夜は、百合のおかげで気持ち良く寝れたので、朝はスッキリしていた


それでも少し身体が重く感じるのは、土日の疲れが多少残っているからかもしれない


「そうね、土曜日はちゃんと勉強したの?」


桜は今日も俺と手を繋いで、登校していた


他の子達も、少し離れて後ろにいる


(昨日の事があったけど、皆変わらずで良かった)


お風呂で意識を失ってしまって迷惑をかけたので不安だったが、皆気にしてない様子だった




『あ〜どうだろうなぁ』


(勉強はあまり出来なかったな)


家で一人でいたらネガティブな事ばかり考えるから、外に出てしまっていた


「もう!赤点なんか取らないでよね」


『ん〜気をつけるよ』


聞いた限りでは四月と五月にやった小テストでは、俺も他の子達も平均点は超えてるので、中間考査も問題はなさそうだった


(でも、そういう油断が良くないものな)


部活が休みな分、しっかり勉強をしようと思った


(期末テストまで補習で、皆で集まれないのも寂しいし)


『今日の放課後はどうする?』


「学校が終わったら、どこで勉強しよう」


『ん〜』


桜は未だに、高梨家に来るのは苦手そうだった


(俺も桜の家には行きづらいしなぁ)


過去の事があり、桜の家にはあれ以来行けてなかった


(会っても俺だけは当時の事を覚えてないとか、複雑だもんな)


確実に気まずくなるので、暫く行くのは遠慮したい


「学校の図書室は?」


『部活が休みで、勉強する人が集まるらしい』


「市の図書館も同じらしいわね」


この時期は勉強する環境を求めて、人が集まるという噂は聞いていた


『ファミレスとかも、それで学校にクレーム来るらしいしな』


「あ〜、らしいわね」


『今日は母さんもいないし、俺の部屋でする?』


「え?あ、うん」


桜が下を向いて頬を染めていた


『ん?どうした』


「なんでもない、勉強!そう勉強よね」


『ああ、金曜日まで頑張らないとな』


「そうよね」


皆の期待を裏切らないようにしなければと思い、気合を入れるのであった






学校に着いて解散し、教室へ向かった


「あ、高梨君」


自分の教室に入る前に、見覚えのある女の子に声をかけられた


『ん、あれ?』


「私の事覚えてるかな?」


目の前の女の子は、両手で何かを持っていて俺が来るのを待っていてくれたようだった


『あ〜っと、土曜日の?』


「そう、お祖母ちゃんの事ありがとうございました」


目の前の女の子はそう言うと、深々と頭を下げる


『いやいや、気にしなくていいですよ。たいしたことはしてないので』


「そんなことないですよ、これお祖母ちゃんが高梨君にって」


手に持っていた紙袋を渡してくる


『えぇ!?そんな受け取れませんよ』


「お祖母ちゃんがどうしても渡してくれっていうから、お願い!受け取って」


(あまり拒否するのも良くないか)


目立っているのか、周りの生徒からはチラチラ見られている


『わかりました、お婆さんには御礼を言っておいて下さい』


「高梨君は御礼なんかいらないよ!お祖母ちゃんもね、優しい良い人だねって言ってて」


そう言って、髪をいじりながら頬を染めていた


「あ、時間取らせてごめんね!また今度話そうね」


『あ、うん』


俺と話せて満足したのか、隣の教室に入って行った


(御礼なんか、別にいいのに)


そう思っていると後ろから腰をつつかれた


「龍司君」


『あ、ごめん待たせたな』


後ろで三人が待っててくれたので、急いで教室に入った




「龍司君」


机に荷物を置いて座ると、霞達が近寄ってきた


「龍司君、さっきの…」


「あ、高梨君おはよう!」


霞達三人とは、別の声が聞こえて近づいて来た


『あ〜おはよう』


(この子はたしか)


「この前は、弟の事ありがとうね」


俺の手を握って、笑顔で言ってきた


『ああ、気にしないでいいよ』


「ううん、弟がいきなりいなくなって、私凄い不安になったんだ」


(俺も同じ状況なら不安になるだろうな)


「だから高梨君が助けてくれて良かったよ」


『いや、たいしたことはしてないから』


「そんな事ないよ!あのね、弟がまたお兄ちゃんに会いたいって言ってるんだ」


そう言って、手を強く握って見つめてきた


『あ、あの…』


「ああ、ごめんねいきなりこんな事言って、予鈴鳴っちゃうからまた今度話そうね」


握っていた手を離して、少し頬を染めながら離れていった


(なんか朝から凄かったな)


土曜日に会った二人にいきなり話かけられたので、朝の時間があっという間に過ぎてしまった


(そういえば)


先に俺に話かけてきた三人を見ると、自分達の机に戻ってずっと誰かとメッセージのやり取りをしていた


(怒らせちゃったかな)


三人を放置してしまったのが申し訳なくて、少し不安になった








「お前ら何かあったの?」


いつもなら昼休みは皆で食べるのに、三人共四限が終わるとすぐに教室を出ていってしまった


『ん〜わからん』


大樹と二人で食べている、入学した頃を思い出す様だった


「何にせよ、早めに仲直りしろよ〜」


『わかってる』


三人が戻って来たのは昼休みが終わるギリギリだった


(よくわからないけど、俺が何かしたのかもしれないから後で謝ろう)


その後も、一言も話すことはなく放課後になった






放課後になり三人に声をかけようと思ったら、すぐに出ていってしまった


(え〜マジか…)


「もういないじゃん」


『ああ、俺何かしたっけ?』


「わからん」


『だよなぁ』


大樹と話をしてたら、百合からメッセージが来た


「今すぐ帰ってきなさい」


(ん〜桜もいないし、一回帰るか)


『悪い大樹、百合が呼んでるから帰るわ』


「おう、早めになんとかしろよ」


『ああ』


状況が理解出来なかったので、急いで下校した








『ただい、うぇ…』


家に入ろうとしたところで、百合にいきなり胸ぐらを掴まれて引っ張られた


『え、百合?』


「いいから来なさい!」


そのまま引っ張られて、俺の部屋に入れられベッドに突き飛ばされた


トンっと胸を踏まれる感触がある、百合に踏まれていた


『ゆ、百合?』


「あんたさ」


『下着見えてるぞ』


「ばっ!見たければ好きなだけ見なさい!それよりもどういう事!」


『え、何が?』


「浮気者」


よく見ると、百合の後ろにはいつもの四人が立っていた


「酷いよ!私達だけって言ったじゃない!」


「朝もあんな鼻の下伸ばしてさ」


「私達がいるのに、他の子と仲良く話して」


「もう飽きちゃったの?」


『え、ちょっと待って』


「悪い子には、お仕置きが必要よね」


『え、痛っ』


百合が首に噛みついてくる


「他の女が近づかないように、首輪をしないとね」


『えっ、ちょっと…』


「は〜い」


『えぇぇぇぇ』


その後皆が止めるまで、唇は塞がれるわ首から胸元に沢山の痕を付けられる事になった


(もうわけわからんから、終わるまで待とう)


俺は心を無にして、全てを受け入れる事にした










「土曜日に助けただけ!?」


『そうだよ』


一通り落ち着いたのか、やっと俺は開放された


その後、説明したのだがまだ納得してないようだった


『隣のクラスの子は、お婆さんがぎっくり腰で座り込んでたから家まで送っただけ』


「うん」


『同じクラスの子は、弟さんが目の前で転んだから助けただけだよ』


「でも手を握ってた」


朝教室で話かけられた時に、握られた事だろう


『知らないよ、慣れてるんじゃないの?』


活発な子で人付き合いが得意そうな子だった


「普通は異性の手を、簡単には握らない」


「そ、そうよね。何か下心があるわよね」


『知らない、そんなに俺の事が信用出来ない?』


俺も流石に、理由もわからずこんな状況になったのは、不快になっていた


『俺ってそんなに信用ないかな…』


正直女の子達の前だったが、泣きたくなった


「龍司ごめん…」


『もういい、一人にして』


「ごめんなさい…」


俺がそう言うと、全員が静かに出ていった


(俺が不安にさせてしまったのかな、それでも酷いよ…)


土曜日の事、今日の事を思い出して自分の行動や言動を思い出していた









ぐすっ…ぐす…


「りゅう、じぃ…」


いつの間にか寝てしまっていたのだろう


目の前に聞こえる泣き声で、目が覚めてしまった


(ん?百合か)


『なんだ、百合か』


一度寝たせいで寝ぼけていて、先程の事は少し忘れていた


「龍司、ごめん…」


俺の胸に抱きついて泣く百合は、少し幼く見えた


(ああ、そっか)


帰宅してからのやり取りを思い出した


(まぁ、逆の立場なら嫌だものな)


そう思い、百合の頭を撫でてやる


『もういいよ』


「ぅぅぅ、ごめん」


『わかったから、お腹空いたな。ご飯は?』


「ある…」


『わかった、食べようかな』


そう言って起き上がり、ベッドから出た


「もう少し、ここにいていい?」


泣いてたし、少し落ち着きたいのだろう


『ああいいよ』


「うん」


俺はリビングに行き、ご飯を食べる事にした








『あれ?』


テーブルの上に並べてある料理は、俺の好物ばかりで、しかも出来てそんなに時間が経っていなかった


(なんか、さっきまで人がいたような)


百合だけではなく、他にも人がいたような匂いが残っていた


(とりあえず食べるか)


夕飯の時間が遅くなり、お腹が空いてたので一気に食べた


『こんなに俺の好物ばかりは珍しいな』


理由はわからないが、そういう日もあるのだろうと思った


食器を洗い、風呂に入ってから部屋に戻ると百合はいなかった


(流石に自分の部屋に戻ったかな)


百合がいたところ触れると、まだ温もりが残っていたが涙なのか濡れていた


(俺も言い過ぎたかな)


スマートフォンを見ると、いつの間にか電源が落ちていたので充電器に挿しておいた


(電源は起きたらでいいか)


今日は勉強を出来なかったので、朝早めに起きてやろうと眠りについた






(んんっ?)


唇を塞がれる息苦しさと重みに目を覚ますと、百合が目の前にいた


『んんん!?』


俺が驚くと百合は少し顔を離して、


「私の事、好きにして」


そう言って抱きついてきたのだった


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