日曜日 真白と姉
『んっ』
目が覚めて、瞼を開けると目の前に姉の顔があった
(てか、唇が重なってますけどわざとなのかな?)
少し顔を離して見ると、普通に姉は俺の布団に潜り込んで寝ていただけのようだった
『無意識にしてくるとは…』
夢の中でしているのかもしれないと思った
(いや別に、いいんだけどさ)
母に言われて許婚になってからは、少し姉を意識する気持ちが強くなってしまった
(こうやって見ると、可愛いし綺麗だよな)
背も高めでモデルもしていて、顔は勿論整っている
二人で出かけると、少し目を離した隙にナンパされていて、今更ながら心配になった
(今度からは、ちゃんと守らないとな)
姉と言っても女の子だから、男の俺が守らないとと誓うのであった
(そろそろ起きないとな)
「うーん、龍司〜だっこ〜」
『はいはい』
姉を抱きしめて、ゆっくり起こしてあげる
「ちゅぅ」
『はいはい』
そのまま姉にすると、パッと目を開いた
「えっ、マジ?」
『マジだよ、嫌だった?』
「ううん、嬉しい」
姉は頬を染め、照れていた
「いや〜、起こそうと来たら、寝顔可愛くて一緒に寝ちゃってさ〜」
部屋から出て、下の階に降りようとしたらそんな事を言っていた
『別にいいよ、嫌じゃないし』
「へへへ、ありがとう。今日は真白ちゃんが来るね」
『あー、母さんのおもちゃにならなければいいけど』
真白が来るまで後一時間ほどあるので、シャワーを浴びて朝食を食べ準備をした
「真白ちゃん可愛いー」
真白は家に来て早々に、捕まっていた
俺と姉はソファーに座り、テレビを見ている
姉は途中から俺の膝を枕に転がっていたが、俺達の後ろの方では、真白が母に髪をイジられていた
たまに見ると先程とは違う髪型になっているので、色々と試されているようだった
後ろの方で編んだと思えば、ポニーテールになってたりと変化をしている
「真白ちゃんは可愛いんだから、前髪でその綺麗な目を隠さないで、見えるようにしましょうね〜」
真白はずっと借りてきた猫のように、大人しくしている
「可愛いですか」
「ん?可愛いわよ〜」
「高梨君も、私の事好きになってくれますか?」
「なるなる、大丈夫よ」
ホッとしたように、笑顔になっていた
「真白ちゃんみたいな可愛い子が、お嫁さんに来てくれるなんて、龍ちゃんはいいわねぇ」
「っ!」
「娘が増えるなんて、お母さんは嬉しいわ〜」
真白は、下を向いて照れていた
(てか、ずっと聞こえてるんだがな)
俺はテレビを見ながら、聞こえてない振りをしていた
「あんたも幸せ者だねぇ」
(姉ちゃんも、ちゃっかり聞いてるじゃねえか)
久しぶりに母が楽しそうなので、そのまま過ごした
(真白が嫌じゃなければいいけど)
「高梨君」
母との時間が終わったのか、真白が隣に来て座った
(えっ、マジで?)
真白を見て驚いた、いつもは片目が見える程度に垂れ下がってる前髪は、左右に分けられて両目が見えていた
「どう?」
『可愛い…です』
真白が可愛すぎて、目を逸らしてしまった
「そう」
真白も、頬を染めて照れていた
「どう?真白ちゃん可愛いでしょ」
『凄いよ母さん、全然印象が違う』
「ちょっとおでこが出てるのは、恥ずかしい」
「ふふふ、もっと可愛く出来るんだけどね〜」
『えー、マジか』
「そのうちデートする時に、母の本気を見せてあげるわ」
「デート…」
真白は何を想像したのか、顔を真っ赤にしていた
「えーいいな〜、お母さん今度私もやってね。龍司とデートの時に」
「いいわよ〜」
(真白と母は、うまくやれそうだな)
二人の様子を見て、そう思えた
「高梨君、これ大きい」
『優しく丁寧に触って、軽く握るんだ』
「力入っちゃう」
「優しくな、軽く手を添えるだけでいいから」
真白の希望もあり、包丁の使い方や野菜の切り方を教えていた
『指を切らないように、猫の手をするんだ』
「猫の手?」
『そうそう、こうやって指を曲げて、包丁に添えるんだよ』
「なるほど」
『包丁もただ強く握るんじゃなく、軽く握って切る時にスッと入れる感じでな』
「うん」
真白は集中して頑張っていた
「いいわね〜、今度私とも料理覚えようね」
「はい!」
真白の家はお金持ちらしく、自分でしなくても今までは祖父母や出前など、黙っていても料理は用意されていたようだ
(俺のために頑張ってくれようとしてるのかな?)
そう思うと、嬉しかった
「高梨君」
『ん?』
「また教えて」
『ああ、いいよ』
「あら〜真白ちゃん可愛い、お母さんともしましょうね〜」
母も喜んでいた
せっかく野菜を切ったので、昼は肉を加えて肉野菜炒めにした
真白に全てを任せるのはまだ危なかったので、フライパンを俺が持ち、真白に教えながら食材を入れ、炒めながら調味料の加えるタイミングを教えた
『よし、いいぞ真白、完成だ』
「やった」
「ん〜いいわねぇ、新婚さんみたい」
「ほんとにね〜」
『からかうなよ』
「っ…」
真白は母達に言われて、真っ赤になっていた
『ご馳走様』
「ご馳走さまでした」
食器を洗うのもやりたいと言うので、一緒にやった
割ることはなかったが、まだまだ慣れない様子だった
母と姉は、それを微笑ましく見守っていた
(とりあえず、真白は気に入られたのかな?)
今日真白が来たのは、正解だったようだ
(まぁ姉ちゃんが呼ぶのだから、大丈夫か)
姉の事は信用している、だから姉の判断は間違ってないと思った
「二人でゆっくりしてきていいわよ〜」
姉に言われて、俺の部屋に行くことになった
「高梨君の部屋」
そういえばこの前は、真白の家に泊まったんだったよな
真白の部屋で抱きしめた事を思い出したら、少し頬が熱くなった
俺はベッドに座って、真白の事を見ている
真白は、興味があるのか本棚などを見ていた
(今日は大丈夫だよな?)
ベッド周辺を見たが、前回みたいに姉の落とし物はなかった
「高梨君」
『ん?』
見終わったのか、真白が近寄ってきた
「だっこ」
『どうぞ』
真白が正面から抱きついてきたので、優しく抱きしめてあげた
真白は俺の胸で、丸まり始めた
「ちゅー」
ふと顔を上げて、求めてきたので応えてあげる
『この前もこんな感じだったな』
「うん、高梨君温かい」
『そうか?』
「うん」
そう言って、胸に顔を当てていた
「ドキドキしてる」
『それはそうだろ』
普通に女の子が近くにいるのだから、ドキドキするし、しかも今日の真白は母により可愛くなっていた
「私もドキドキしてる、高梨君が欲しくなる」
『え、欲しいって』
「言わないとわからない?」
『いや、その』
「…こういうこと」
真白は顔を上げ唇を重ねてくると、俺の両肩に手を起き倒してきた
「んっ」
真白の舌が、侵入して来る
『んっ!?』
俺は驚いたが、抵抗はしなかった
「はぁ、高梨君したい?」
『…』
(柊先輩とかもそうだが、みんな積極的過ぎないか)
『真白、積極的だと思うんだが』
「だって、我慢してたから」
『な、なるほど?』
(なんだろう、みんなの俺への気持ちはそんなに強いのか?)
俺の感覚がおかしいのかはわからないが、彼女達の気持ちが強いのはわかった
『気持ちは嬉しいんだけど、また今度にしよう』
「私、魅力ない?」
不安そうに、見てきた
『そんなことないよ』
「でも…」
『俺は真白を大切にしたいの、そのうちちゃんと応えるから』
「…わかった」
そのまま真白は、胸に頭を乗せて抱きついていた
俺は真白の頭を、撫でてあげた
『気持ちは嬉しいからさ』
「うん」
『もう少しだけ、待ってくれな』
「約束」
真白が小指を出したので、俺も小指を出して握った
(柊先輩達とも、夏までにとか言っちゃったしなぁ)
真白の事も、ちゃんと考えないとと思った
それから暫くは、今度パールを連れてドッグランに遊びに行こうとか、次回に行きたいところを話あった
「二人とも、降りて来なさい」
姉に呼ばれてリビングに行くと、シュークリームがあった
「お母さんが食べたいって言うから、買ってきただけだから気にせずに食べなさい」
『おーありがとう』
「いただきます」
『美味いな』
「美味しい」
真白も驚いたのか、中のクリームなどをまじまじと見ていた
「お母さんの好きなお店のだから、当たり前よ」
「ふふふ、特別よ〜」
それから真白が帰る時間までは、また四人で話をした
「お邪魔しました」
「真白ちゃん、また来てね」
母が玄関口で、笑顔で手を振っていた
「ありがとうございます」
真白も頭を下げて、御礼を言っている
『じゃあ送ってくるよ』
「いってらっしゃい」
真白と二人で、家を出た
家を出た後、真白が腕を組んできたのでそのまま歩いていた
「高梨君、今日はありがとう」
『いやいや、こちらこそ大丈夫だったか?』
「ん?」
『母さんとか姉ちゃんとかさ、疲れてないかなって』
「んー、大丈夫。兄弟とかいなかったから嬉しかった」
真白の家は親が仕事で忙しく、あまりいないので寂しかったみたいだ
「だからまた、家に来てほしい」
『あーでも、お風呂良かったよな』
「また入ろう?」
『うーん、我慢出来なくなりそうで…』
「いいよ」
真白が、組んでいる腕を強く抱きしめた
『考えておきます…』
「うん」
話をしていたら、真白の家まで着いた
相変わらず真白の愛犬は、俺に気がついたのか門を壊す勢いで飛びかかって揺らしていた
『ははは、パールもまたな』
顔を出して来たので、頭を撫でてやる
「高梨君」
真白も、もじもじしながら頭を出して来たので、撫でてやった
「んっ」
『また明日な』
「また明日」
真白と分かれ、自宅に戻った
「真白ちゃん可愛いかったなぁ」
母は、機嫌が良いようだった
「他の子達も楽しみだなぁ」
「あまりハードルを上げたら駄目よ」
『みんないい人だと思うよ』
俺は一応フォローを入れて、今日は終わった




