姉の逆襲 3
『日曜日は、デートにでも行こうかしら』
漫画研究部の部室でその話をした時に、三人が反応をしていた
(もしかしたら、来たりして)
そう思っていたが、当日家から出ると声が聞こえた
「はぅぅ、あの高梨君だ」
「やっぱり高梨君は、かっこいいね」
「そんなの当たり前、お姉さんも気合入ってる」
チラッと見ると、家の近くの角に三人が隠れていた
(へぇ三人共来たんだ、弟は気がついてないわね)
弟は私に集中しているのか、気がついてなかった
『行こっか』
三人に見せつけるように、腕を組んで歩き始めた
最初の書店では、すぐ近くまで来て雑誌を読む振りをしているようだった
本を購入して、出ようとすると
「あ、新刊出てる」
「お姉ちゃん後にして、二人が行っちゃう」
後ろから何か聞こえていた
昼食は奮発をした、弟を喜ばせるのもあったが簡単には店に入れないようにだ
予約をしていたためスムーズに入店出来た
普通に並ぶと、最低二時間待ちだった
「うわ〜何これ」
「高い…」
「カップル多し」
私達が食べている間、三人は外から羨ましそうに店の中を眺めていた
『そういえばさ、気づいてる?』
「何が?」
弟は、まだ気がついていないようだった
昼食後、飲み物を買ってくるようお願いをした
私がナンパされるのを弟に嫉妬させたかったのと、弟がモテるのを嫉妬させたかったからだ
(私も少しは嫉妬するけど)
弟は断るというか、ナンパされてる認識がないけど、やはり異性が声をかけるのはモヤっとする
弟が離れるとすぐに男が声かけてきた、慣れたものなのであしらいつつ、弟には買ってきなさいと伝えた
弟に一人の女が近づいた、早速ナンパされたようだ
「ああ、高梨君が女の人に声かけられてるよ〜」
「姉さん、高梨先輩にバレるから!」
「あの女、許すまじ」
(いや、気がついてるんだけどね)
私にバレてないと思ってるのか、斜め後ろ三メートルくらいの位置まで近づいて来ていた
「ああ!また声かけられてる〜」
「何あの人、さりげなく触ってるじゃん」
「ボディタッチは犯罪」
(いや、なんか面白いなこれ)
気がつかない振りをしてれば、一生聞いてられそうだった
(んっ?)
チラッと横目で見たら、三人の奥にもう一人いるのが見えた
(あれはたしか…)
『なるほどねぇ』
ついつい口に出てしまったが、最近弟に近寄る不届き者がいたのを思い出した
(三人と一緒に来たわけではなさそうね)
そう思っていたら、弟が二人分の飲み物を受け取ってこちらに向かって来た
「あ、高梨君が来ちゃう」
「姉さん下がって」
「う、うん。あれ?黒音さん」
「あ、奇遇ね」
「いいから隠れて!」
(いいから、早く隠れなさいよ)
そんな事を思っていたらまたナンパされたので、軽くあしらってやった
弟から飲み物を受け取り、お互い飲み合いをした
「えー間接キスをしてるよ、ずるい!」
「姉さん、声が大きいって」
「羨ましい」
「あの二人、仲良すぎない?」
少し離れたところから、声が聞こえてくる
弟は相変わらず気がついてないようだ
(あ、さっきの男が、あの子たちのとこにいった)
弟に教えるか少し悩んでいたら、見つけてしまった
その後四人に声をかけて、カフェに移った
朝から知ってた事をバラして、弟に対する気持ちを煽ってあげて本日は解散にした
(さて、どうしようか)
最近私は、考えていた事があった
それをもし実行に移すとするならば、他の子達の気持ちも確かめたい
(中途半端な気持ちで、関わって欲しくはないしなぁ)
前に柊さんには、言った気がする
そして、私も覚悟を決めないといけない
(お母さんと話をするか)
その日も、近いのだろう
(その前に、今日約束を破った子達には罰を与えないとね)
私は笑って、眠りについた




