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姉の逆襲 2

「よし、合格!」


『ありがとう』


現在は日曜日の朝九時頃、姉に起こされた俺は軽い朝食を食べた後に、髪型のセットと服装を選んでもらい、姉の満足のいく仕上がりになったらしい


『姉ちゃんも、今日は少し大人っぽいね』


「ふふふ、久しぶりのデートだからね」


『そっか』


「どう?綺麗?」


『姉ちゃんはいつでも綺麗だよ』


「ありがと」


姉は朝から機嫌が良いみたいだ


「じゃあお昼は予約してるし、行こうか」


『了解』


そして二人で、家を出た







「新刊、新刊〜あった!」


『ああこれ、読み終わったら俺も読ませてよ』


まずはお昼前に軽く買い物と、駅前の書店に来た


姉が買ったのは、最近の流行りのもので俺も影響を受けて読んでいる作品だった


「あそこでさ〜主人公がピンチの時に助けに来るでしょ?定番でわかってはいるんだけど、いいよね〜」


『わかる、俺も絶対来るだろうなって思いながら、どう助けるかが気になってた』


昼食の場所まで少し歩くと言うので、先程の漫画について語りながら歩いていた






「お、ここだよ」


『え、高そう』


「まぁちょっと、奮発しちゃった」


『大丈夫?姉ちゃん』


「この前のバイト代入ったし、久しぶりのデートだからね〜」


『そっか〜ありがとう。でも俺もバイトしようかな』


「それは駄目よ!」


『えぇ?なんで』


「駄目ったら駄目なの!」


今回も駄目だった、何度か話してるのだが断られている


(自分で稼いで、誕生日プレゼントとか買いたいんだけどな)


また別の機会を伺うことにした








『ご馳走様でした』


「ふむふむ、なかなか良かったわね」


予約して入れたから良かったが、帰る時に見たら三時間待ちの列が出来ていた


(高そうな店だったし、姉ちゃんってこういうセンスとかも完璧だよな)


店内では相変わらず、男女共に姉に向ける視線がわかりやすかった


(相変わらず俺は場違いじゃないかと思うけど、姉ちゃんが満足してくれるならいいか)




「そういえばさ、気づいてる?」


『何が?』


「ん〜なんでもな〜い」


『えっ?』


「いいのいいの、ねえねえ」


『ん?』


姉が腕を組みながら、抱きついてくる


「あれ飲みたいな〜」


姉に言われて視線を向けると、移動型のキッチンカーでクレープやアイスなどを売っている店だった


近くのベンチに姉を座らせた


『何がいいの?』


「んー?ジンジャーかな」


『了解』


俺は姉から離れて買いに行く


「ねぇねぇお姉さん、暇?」


(えぇっ!?)


姉から離れて三秒ほどで、ナンパされていた


(え?戻るべき?)


振り返って姉を見ると、買ってこいと指でジェスチャーをしていた


「アレ、彼氏なんで」


「あーまじか、残念」


という会話が耳に届いた


(まぁ、姉ちゃんくらいになると慣れてるのか)


「あの〜すいません、お一人ですか?」


『え?いや待たせてるので』


「あ、すいません」


姉の方を指すと声をかけてきた女性が離れていった


(何かの勧誘だろうか、早く買って戻ろう)






「お兄さん、お一人ですか?」


『いや、買ったら待たせてるので戻ります』


注文した商品を待つ間に、また声をかけられた


「あら、ごめんなさい」


(声かけられやすい場所なのかな、姉もまたナンパされてるし)


商品を受け取って、姉の元へ戻った






「お待たせ」


姉の元へ戻ると、ナンパしてきた男をあしらったとこだった


『姉ちゃん、凄いナンパされてたね』


「ん〜、興味ないわ」


『俺も何人か、勧誘か何かで声かけられたよ』


「そう、ああいうのは相手したら駄目よ」


『わかってるって』


姉の隣に座り、買ってきた飲み物を口につける


「何にしたの?」


『色々あって悩んだけど、アップルティーにしてみた』


「ふーん、一口頂戴」


俺の手にある飲み物の、ストローを咥える


「んー、まぁまぁね」


『まぁ市販のよりは美味しいよね』


「こっちも飲んでみなさい」


『うん』


姉の手に持つジンジャーの、ストローを吸ってみる


『ん〜?ちょっと辛いかも』


「そうね、ちょっとこだわりがある感じかもね」


『大人の味だなぁ』


飲みながら周りを見ると、カップルが多かった


『結構デートしてる人が多いんだね』


先程買った店を見ると、二人で仲良く選んでる様子のカップルもいた


『てか一緒に買いに行けば、姉ちゃんがナンパされなかったんじゃ』


「まぁ、私がモテるってのを龍司に見せたかったってのもあるかなぁ、私も見たかったし」


『何を?』


「内緒」


『まぁ姉ちゃんがモテるのはよくわかったよ』


「嫉妬した?」


『ん〜ちょっとだけもやもやしたかも』


「よし!」


姉は満足したような笑みを向けてきた


『でも何かあったら不安だから、傍にいてよ』


「あらら〜プロポーズかしら」


『いじわるだなぁ』


「ふふふ」




(ん?あれは)


そういう会話しながら周りを見ていたら知ってる顔を見つけた


『姉ちゃん、ちょっと来て!』


先程の事もあり、置いてくのはしたくなかった


「あ〜見つけたか〜」


そんな声が、後ろから聞こえた








「えーいいじゃん、遊ぼうよ」


「やめてください!」


近くに行くと、知り合いの女の子達が、ナンパされているようだった


「すいませーん」


(あ、こいつさっき姉ちゃんを、ナンパしてたやつだ)


「あ、高梨君!」


そこにいた女の子達が全員、俺の後ろに隠れる


本当は四人もいるから、隠れられないんだけど


『この子達、俺の連れなので勘弁してもらえますか?』


「ああん?何言ってんだ」


「うるさい、このナンパ野郎。いい加減にしないと警察呼ぶよ」


「あ、あんたはさっきの」


姉に言われて顔を思い出したのか、諦めて離れていった


『てか柊先輩も双葉も真白も、あとなんで黒音?』


「私もちゃんと仲間にいれなさいよ!」


ナンパされて怖かったのか、みんな少し震えていた


『大丈夫でした?』


「高梨く〜ん!」


三人が、抱きついてきた


(なんか凄く目立ってる…)


周りからの視線が痛かった


『ちょっとここは目立つから、あっち行こうか』


近くのカフェに入る事にした






『それで、みんなでいるのは珍しいね』


カフェに入り、席に座ってから話かけた


六人席なので、真ん中に座った俺の横に姉と柊先輩、正面に他三人が座っていた


「いや、その」


「この子達、最初からついてきてたのよ」


『えっ?』


「気がついてたのですか!?」


「当たり前よ」


「家を出てすぐにわかったわ、私が日曜日デートするって言ったからだろうけど」


「うぅぅ」


『まぁ先輩達の事はわかった、ところで黒音はなんでいるの?』


「え!?たまたま、そうたまたま会ったのよ」


「ふ〜ん、そういえば久しぶりよねぇ?」


(ん?)


「ええ、お久しぶりです」


「よくもまぁ、顔を出せたものよねぇ」


(なんか空気が重い…)


『ふ、二人は知り合いなの?』


「さぁ、どうでしょ」


(え、この会話で知り合いとかないの)


「ま、まぁ、ちょっと昔ね」


(二人の会話を聞く限り、あまりいい思い出ではなさそうだった)


「あ、あの!」


柊先輩が口を開いた


「ズルいです!!」


『へっ』


「高梨さんだけ、高梨君とあんな恋人みたいな…ズルいです!!」


「そんなこと言われてもねぇ」


姉がこちらを見てくる


(うん、てか俺に振らないで)


「そう思うなら、もっと龍司への愛を見せてあげたら?」


「!!」

『!!』


(え、何これ)


全員が一斉に、姉の言葉に反応した


「でもなぁ、全員同時だと龍司が持たないだろうしなぁ」


(うん、俺の意見をいうスペースはなさそうだ)


「近々ルールを決めておくわ、私達四人でうまくやれるようにね」


「はい!!」


三人が反応した


「あの、私は」


「あんたは駄目よ」


(言ってる事があまり理解出来なかったが、黒音は駄目だったようだ)


「とりあえず今日は解散かな」


あれから暫く六人で話をして、帰る事になった


「服とか下着とか選んでもらうつもりだったけど、また今度でいいわ」


「下着!?」


『姉ちゃん、そういうのはみんなの前では』


「龍司の好みの女になるっていいわよね〜」


(なんか煽ってる…)


「ぬぬぬ、高梨君!私の今日のはどうですか!?」


『先輩落ち着いて!』


先輩が見せてこようとするので落ち着かせた


『姉ちゃん!』


「あはは、行くわよ」







その後は、姉が他の子達の家を見たいというので、柊姉妹、真白の順で送り、黒音は途中でいなくなっていた





『姉ちゃんもさ〜なんであんな事言ったの?』


「カフェでの事?」


『うん』


「そうね〜、ちょっと大人気なかったかな」


『いや姉ちゃんが悪いとは言わないけどさ』


「でも、さすがにあんたでもみんなの気持ちには気がついているのよね」


『それは、まぁ…』


「なら少しずつでいいから、向き合いなさい」


『うん…』


「でもまぁ、私が一番なんだけどね!」


『えっ?』


「ふふふ」





(最近は、女の子達に好意を向けられ、俺は幸せなんだと思う)


『少しずつ変われてるのだろうか』


自分自身ではわからない事だらけだけど、周りのおかげで毎日が忙しいのが嬉しいと思えた


(そういえば、漫画研究部もあと一週間かどうするべきか)


あと一人、このままでは廃部になってしまう


(どうにかしてあげたいけどな、やっぱり姉ちゃんに頼むしかないかな)


あと一週間、今の幸せを維持するために、廃部にだけはしたくないと思った


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