柊双葉 2
『はぁ…』
私はため息をついていた
GW中に出会った高梨先輩と、一緒にいた男性
その二人には、それ以来会えなかった
何度か会った場所を見に行ったが、また会うことはなかった
二人は姉の事を知ってる様子だったが、姉に聞いても詳しくはわからなかった
そしてGW明けに、所属しているテニス部の先輩に告白をされた
『すいません、お断りします』
だがその先輩は評判も悪く、すぐに断ったがしつこく付きまとわれた
そして一週間ほど相手をしないでいたのが、仇になってしまった
『高梨君』
彼が、私の探していた人だった
「えっ、嘘…」
彼の怪我を確認しようと顔を見た時に、見つけてしまった
過去に二度見たことがある、左目の特徴的な泣きぼくろ
そして姉の態度から、私は確信してしまった
そもそも、思い出してみるとおかしかった
私はあの時、それどころではなかったが、姉が男を家に連れ込んでいて母も親しくしていた
(今考えてみたら、彼の前で彼の話をしてたのか)
そう…私の探している人は、姉が探していた人で、あの日の夜に姉を送ってくれていた彼だった
その時は姉の事ばかりを見ていた…いや本音を言うと彼の事をかっこいいとも思ったけれど
そんなにその時は、気にしてはいなかった
彼に助けられた日の放課後に、同じ教室の真白さんと姉が、彼と親しくしている事はわかった
(付き合っていないのに、そういう関係なの?)
私は驚いたが、それなら私も大丈夫なのではないかと期待してしまった
(きっと彼には、理由があるんだ)
そしてある事を思いついた
いきなり私が彼を誘うと、警戒をされる
『お姉ちゃん、部室に忘れ物したから鍵を貸して』
それなら姉になればいい、姉に声をかけてみたら部室の鍵を貸してくれたので、計画は順調に進んだ
当日、姉が呼んでいると高梨君に伝えた
彼が来ることを信じて先に移動し、姉の容姿になり口調などを真似た
そして私は彼に、今までのお返しをした
『理屈じゃない、か…』
初めてした時の事を思い出し、唇に触れる
彼が姉のところへ遊びに来た日、隣の部屋から聞こえた姉の叫びの意味がわからなかったが、今ならわかる
(私も、彼が姉を送ってきた時から、好きだったんだろうな)
テニス部は退部した
元々は自分を明るく見せるためだったし、今回の件を理由にしたら問題なかった
「双葉どういう事なの?」
姉と共に帰宅した後、すぐに姉から聞かれる事になった
『理屈じゃない、その言葉の意味がわかったなぁって思って』
「えっ、それって」
『お姉ちゃんと、同じ理由だよ』
「そ、そっか…」
『私はお姉ちゃんの気持ちを理解するから、お姉ちゃんも私の気持ちを理解して欲しいな』
「かっこよかったものね」
『そうよ』
(これから、もっと彼を知れたらいいな)
『真白さんも姉もいる、私も頑張らないと!』




