二つの約束 2
「高梨君、ちょっといいかしら?」
『え?ヨクナイデス』
「なんでよ!少し話があるのだけど」
『はぁ』
次の日の昼休み、真白と大樹と弁当を食べていたら、前の席で一人で弁当を食べていた黒音が、こちらを振り向いて話かけてきた
「今日の放課後、付き合ってくれない?」
『なんで?』
「なんでって、買いたいものがあるの」
「駄目」
俺の横から、答えが返ってきた
横を見ると、真白が俺のすぐ傍に椅子を移動させて、もたれかかって来ていた
「真白さん、近いんだけど」
「私の特等席」
「ぐぬぬぬ、てか勝手に返事しないで下さい。私は高梨君にお願いをしてるの」
「だから、駄目」
「なんでよ!」
(放っておいたら一生やってそう)
このまま放置してたら、昼休みいっぱい繰り返していただろう
だけど、徐々に涙目になっていく黒音が、可哀想だった
『まぁ待て真白、黒音悪いけど答えはノーだ』
(部活動もあるし、二人が心配する)
「えぇ、なんでよ。そんなに真白さんが大事なの?」
『それは否定しない』
「私の事、愛してる」
『真白はちょっと黙って』
「ぬー!一緒にいたいだけなのに」
正面を向き直し、何かボソボソと言っていた
「やはり、あの女は敵」
真白も俺の身体に抱きつきながら、何かを言っていた
「いいなぁ」
大樹が言うが
『いいかこれ?』
「おうっ!」
良い声で、返事が返ってきた
次の日の放課後、料理部の部室へ行こうとしていた俺を、黒音が呼び止めた
「高梨君」
真白が袖を引っ張ってきたが
『後で行くから、先に行っててくれ』
「…わかった」
真白がいるとややこしくなりそうだったので、先に向かってもらった
『それで俺に何か?』
待っていた黒音に話かけた
「えーと、あのね、土日ってどちらでもいいから、会えないかな?」
『あーすまん、土日はもう用事がある』
「そう、二人とデートとかではないよね?」
違うと言って欲しい、というような顔をしていたが、俺は悩んだ
(正直に言って、私も行くとか言い始めたら面倒だしな)
『姉と約束してるから』
姉のせいにした、真白がいたら隠さずに話しそうで、先に行かせて良かったと思った
「お姉さん…そう」
(最近話すようになってから、毎日絡んでくるな)
黒音は誰も友人がいないようだった、クラスメートともあまり会話をしていない
(昼も一人で食べてるしな、前の真白みたいだ)
真白は最近俺と話すようになって、クラスメートにも話かけられたりするようになった
昼もあれ以来、俺と大樹と一緒に食べている
(黒音が真白と仲良くなれたらなぁ)
そう思うが、今の状況だと暫くは厳しそうだった
『すまんが、先に部室に行くわ』
「えぇ、呼び止めてごめんなさい」
(フォロー入れておくべきなのかねぇ)
『あー、なんだその、黒音』
「うん…」
『まだ知り合ったばかりだし、お互いの事も知らないからさ』
「うん」
『また、そのうち誘ってくれ』
「うん!」
最後は笑顔になっていた
(これでいいのかな)
上手くフォロー出来たはずと思い、部室へ向かった
料理部の実習中、黒音を見たら機嫌が良さそうに見えた
「明日は、昼くらいに来て欲しい」
学校を出て、帰宅しながら土日の計画を立てていた
『パールと遊ぶのはどこでする?』
「庭が広いから庭でもいい、散歩も行きたいから公園も有り」
『ふむ、天気が悪いとか言ってたが、大丈夫かね』
ニュースで土曜日は、天気が荒れるかもしれないと言っていた
「その時は、一緒に勉強する」
『なるほど』
臨機応変ということだな
「私も、日曜日はお昼くらいに行くね」
『了解です、お昼ご飯はどうしますか?』
「一緒に作りたいなぁ、シチューとかどうかな?」
『おーいいですね』
「材料は買っていくね!」
『あ、すいません。お金は後でちゃんと払うので』
「いいよー、楽しみにしてるね!」
こうして、二人との予定は決まった
「ちゃんと避妊するのよ」
姉が言っていた事を思い出したが、さすがにそんな事にはならないだろうと思った




