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GW最終日 3

『お邪魔しました』


先輩と二人で家を出た




先程、今日の御礼を言いにリビングに行ったら


「激しかったわね」


笑う先輩の母親と、頬を染めてそっぽを向く先輩の妹がいた


部屋で転んだだけと説明をしたが、まともに取り合ってもらえず、後は先輩に任せる事にした




「今日はありがとう」


『いや、こちらこそありがとうございました』


お互いの気持ちなど、色々と伝える事が出来たのは良かったかもしれない


「あ、肩にゴミがついてるよ、屈んで」


(部屋での時かな?)


『あ、すいません』


屈んだら、先輩の顔が近づいて、離れていった


「今日だけで、三回もしちゃった」


頬を染める先輩に、何も言えなかった







「気をつけてね」


『ありがとうございました、また明日学校で』


先輩の家を出て自宅へ帰る

角を曲がる時に先輩の方を見たら、前と同じく手を振っていた








時刻は17時を過ぎ、もう日が落ちて暗くなる手前だった

見上げると、まだほんのり明るい空に星が鈍く輝いていた


(しかし、柊先輩とか)


今日の事を思い出していた


(正直、先輩に過去の事を話すとは、思わなかったな)


思い出すたびに辛くなる過去

でも今日は、先輩には知って欲しかった気がする


(もう少し前向きに、先輩とは付き合っていこう)


そう思いながら家の前についた時に、予想外の来客がいた


『真白…』


俺の正体を知って、いなくなったクラスメートだった









『真白…』


「高梨君」


家を見ていた彼女が、こちらを向いた


「高梨君、こんにちは」


教室での無表情とは違い、今日は散歩の時に見た笑顔で話かけてきた


「お出かけしてたのですか?」


『ああ、ちょっと友達の家に』


「そうなのですね」


今日は飼い犬を連れてはいない、一人で来たようだ


『真白は、どうしてここに』


「そうですね、整理が終わって、高梨君に会いたいなと思って家に来たら会えました」





「整理する」


あの日帰って行ったのは覚えているが、終わったらしい


『この前は、騙してすまなかった!』


「いいえ、いいのですよ。高梨君にも理由があったと思いますし」


『で、でも…』


「それでもと言うなら、お詫びに一発いいですか?」


右手を出し、ニコッと笑ってそう言った


(そりゃそうだよな)


『好きにしてください』


真白の高さに合うように膝をついた


「では、目を瞑って下さい、いいと言うまで駄目ですよ」


目を瞑って、頬を叩かれた時に、地面に倒れないように力を入れる


そうして待つが何も起きない


(あれ?)


そう思った時に、唇に何か当たる感じがした


(っ!?)


驚いて目を開けると、目の前に真白の顔があった


真白も目を開けて目が合うが、急にムッとした表情になり


「勝手に目を開けないで下さい、あと他の女の匂いがします」


もう一度唇を当ててから、離れた


『真白、なんで…』


「お詫びですよ、お詫び」


人差し指を、自分の唇に当てて微笑んだ


「今日は帰ります、また明日学校で」


先程起きた事に頭が真っ白になり、暫く立ち上がれなかった









「……司!」


「龍司!」


(あっ)


声に驚いて横を見ると、姉が心配そうに声をかけてきた


「家の前でどうしたの!?」


『あ、ああ…』


「顔色が悪い、とりあえず家に入ろう?」


姉に手を引かれて、家に入りリビングのソファーに座った




「で、どうしたの?」


『いや、もう…何がなんだか』


「私には言えない事?」


『ちょっと…整理するから待って…』


「わかった」


今日一日の事を思い出してみた


柊先輩との事、さっきの真白との事


俺は姉を信用している、だから全て話す事にした










「なるほど…」


途中相づちを打ちつつ、姉は話が終わるまで待ってくれた


「柊さんだけではなく、真白ちゃんまでもか」


『うーん…』


「で、どうするの?」


『どうしようか』


「困ったのなら私にしとく?今日の全部上書きしてあげるよ」


そう言って顔を近づけてくる


『余計ややこしくなるから、止めてくれ』


「ちぇっ」


残念そうに、姉は離れていった


気を使ってくれてるのだろうが、今はそれどころじゃない


『姉ちゃんならどうする?』


「私?私なら据え膳かなぁ」


『真面目に答えて?』


「真面目だけど?」


姉に聞いたのが間違いだったようだ


「とりあえずどちらとも、付き合わないのでしょ?」


『それはまぁ、そういう気持ちになれない』


「ただこうなった以上、変わらないとね」


『それは、そう感じてる』


今すぐとは言わないが、そのうち決着をつけないといけない


ただそれが、一年後か数年後かわからないけど


「今日は寝れそう?」


『うーん、なんか色々と考えてしまいそうだ』


「しょうがないなぁ、今日はお姉ちゃんが一緒に寝てあげましょう!」


『それ姉ちゃんが、俺と寝たいだけじゃ』


「うるさい」


その日は、姉と一緒に寝て、朝までよく寝れた


優しい姉を持って幸せだと思う、けど




姉とは、本当は血が繋がってないんだよな












中学一年の時だった


学校での事で一学期を不登校になり、家に引きこもる生活が続いていた


ある日の夜、目が覚めて水を飲もうと一階に降りると、リビングの電気がついており、両親と姉が話をしているのが聞こえた


「あの子が中学生になったら、言おうと思ってたのだけど」


「この状況で受け入れられると思うのか?」


「タイミングが良かったじゃない。あの子の事が起きる前に、私達が再婚で、姉は本当のお姉ちゃんじゃないなんて聞いてたら、あの子は今、耐えられなかったかもしれない」


(……)


その時はショックで、そのまま部屋に戻ったのを覚えている


何故かその後すぐに姉が来て、一緒に寝てくれたのも記憶に残っている


それ以降、俺は姉に依存するようになり、姉にされることも受け入れるようになった


親も知らない、姉との関係を


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