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GW初日 2

姉に見送られ、先輩と並んで歩く


時刻はまだ16時を過ぎた頃で、沈む前の太陽でニ人の影が少し重なっている

休日のせいか、途中通った公園からは子供達の遊ぶ声も聞こえてくる


(前は、こういう光景を、見ることも出来ない時期もあったな)


今自分が見ているものを、先輩と共有してる感覚になった


(先輩はどう思ってるのだろうか)


横を見ると、先輩は俯いて歩いていた






先輩の様子がおかしい


家を出てからもう15分ほど歩いているが、ただ俯いて歩いてるだけで一言も喋らない

たまにこちらに視線を感じて見ると、目が合うたびに逸らしてしまう


(疲れちゃったのかな?もしかしたら俺と歩くのはつまらないのかも)


最近はいつも先輩を送って行ってたが、気配りが足りなくて退屈をさせていたのかもしれないと思った


今日起きてからの一日を振り返ってみるが、先輩に失礼な事はしてないと思う


料理を手伝ってもらったり、姉の相手をしたりと、普段はしないようなことをして気疲れをしてしまった可能性がある


(姉だけではなく、俺もいたしな)


横から見ても顔や耳が赤いので、疲れて熱が出てきてる可能性もなくはない


先輩の家に向かってる最中、人とすれ違うたびにこちらを向かれるので、他人でも気がつくくらい、先輩は調子が悪くなってきてるのかも




家を出て暫くは、話しかけるのは申し訳なかったが、あと五分もすれば先輩の家に着くため声をかけた


『先輩』


「ひゃい!」


『今日はすいませんでした』


「え?う、うん?」


『うちの姉が結構はしゃいじゃったりして、疲れちゃいましたよね』


「う、ううん、大丈夫だよ」


『それならいいのですが、結構負担かけてしまったのかなと心配しました』


「ううん、ごめんね。少し考え事をしてたから」


『そうですか』


気を使ってくれてるのかもしれないが、会話が出来るのは、怒ってるとかではないから大丈夫なのだろうと思った








「着いちゃったね」


先輩の家の前に着いた時に、横にいた先輩がこちらを向いた


「きょ、今日はありがとう」


両手で俺の手を握って自分の胸の前に持っていく


「そ、その、楽しかったから!」


真っ直ぐにこちらを向いて、目を見つめてきた


先輩と目を合わせると徐々に先輩の頬が赤くなっていく


『綺麗だな』


先輩の目を見てて思った事を口にしてしまったのだが、先輩が両手で顔を隠すようにして離れてしまった


「うーぅぅ、綺麗って」


『いや、すいません。目を見てたらつい』


「ばかっ!」


何故か怒られてしまった

言葉と人の心は難しいよ

俺はあの時から、ずっと理解出来ない







『では、帰りますね』


「あ、待って」


これ以上、先輩に負担をかけるのもなと、帰ろうとした


「あの、GW最終日って空いてるかな?」


『今のところ空いてますが、どうかしましたか?』


「もし良かったら、家に遊びに来て欲しい。嫌じゃなければお菓子一緒に作らないかなと」


あまり異性の家に上がるのはどうかと思ってはいるが、前にも何度か断ったりもしてるし


『いいですよ、クッキー以外に挑戦してみたいです』


「うん、任せて!考えておくね」


『わかりました』


「あとね、今日は良かったんだけど、その日はいつもの高梨君のままでいいから!」


『姉に伝えておきます』


「う、うん」


「かっこいいから、妹が惚れちゃうもん…」


何かボソボソ言ってるけど聞こえない

でも先輩の機嫌は良くなったみたいだ


『楽しみにしてますね』


「うん、今日はありがとう」


先輩の家から少し歩いて、角を曲がる前に先輩の家の方を見たら、こちらに気がついたのか手を振ってる先輩がいた


こちらも手を振って角を曲がり、家へと向かった


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