高梨百合 1
「あー泣きぼくろか、しくじったなぁ」
『凄く特徴的だったので、忘れられなくて』
「まぁそうだよね〜、普段は隠れてるから大丈夫だろうと油断してた」
高梨君がリビングから出た後、どうやって彼を知ったのか、部活の事や金曜日の事(怖い思いをしただろうから無理をしない程度にと言ってもらい)をお姉さんに話をした
「でもよく見つけたね」
『部室で寝てる高梨君を見てたら気がついて…』
「ん?キスでもしようとしたの?」
『違います違います!足元に落ちてる本を拾った時に顔を見たんです!』
変な事はしてませんと全力で手をふって否定する
「まぁ隙を見せるやつが悪いんだから、してもいいと思うけどね」
漫画の世界ではよくあることじゃんっと笑っている
「してもいいけど責任は取りなよ〜」
『それは勿論ですけど、いやそうじゃなくて』
同級生でクラスメートの高梨君のお姉さんと話をするのは初めてなのに、話しやすく感じるのは人柄だろうか
「柊一葉さんでいいんだよね?あらためまして私は高梨百合ね」
(高梨百合さんか)
普段関わりのない私でも知ってるくらい彼女は有名だ
整った顔立ちに、170センチの高めの身長とモデル並の体型、胸も主張が強すぎない程度にバランスのいいものがついていて、ニ年連続文化祭のミスコンで優勝してるといえば名前を知らない人がいないわけがない
友人も多くカースト上位に位置してる陽キャってイメージである
噂では、先輩や他校生も含めたら三桁は告白されて振っているとか…
『女王…』
彼女の事を考えていたらつい口から出てしまった
(怒ったかな…?)
「あーそれ違うよ、正式にはブラコンクイーンって呼ばれてるよ」
『ブラコンクイーン?』
「そう、告白を断る理由が弟だからブラコンって呼ばれてるし、外堀を埋めようにも学年がニ年離れてるせいで弟に接点もつ機会がみんなないからね〜まぁ今年はいるけど学校では距離置いてるし」
『なるほど…』
「柊さんもわかってるだろうけど、うちの弟を超えるような男には出会ったことないしね」
弟を自慢しながら楽しそうに話をしている
たしかに彼に惚れてしまった贔屓目線でも彼以上の人は見たことがない
「今は別に弟がいるからいいかなぁって感じ」
『普段からお姉さんを見てたら、そりゃ他の女性には興味を持たないですよね…』
「あー、んー、そこじゃないんだよなぁ」
何かを思い出すかのように、天井を見上げている
「中学生の時に色々あってさ〜、私の口からは言うことは出来ない」
『そうなんですね』
「ちょっとこれに関しては本人から聞いて欲しい、ただ結構難しいかもしれないけど…」




