海の日
『やばい遅刻だ!』
目が覚めて時計を見ると九時を過ぎていた、目覚ましをかけ忘れていたのと、百合に甘えていた自分に反省しつつ急いで起き部屋を出た
「おはよ〜龍司、なんで制服を着てるの?」
『えっ、あれ?』
リビングに入ると、くつろぎながらニュースを見ている百合の姿があった
『あれ、学校は?』
「馬鹿ね〜、今日は祝日でしょ」
『あ、そうか』
百合に言われてカレンダーを見る、今日の日付の数字が赤色になっていた
『なんだ〜遅刻したかと思ったよ』
「あ〜だから昨日は、登校をする準備をしてたのね」
昨日の夜百合が部屋に来た時に、俺は鞄に教科書などをしまっていた
『だから起こしてくれなかったのか』
「まぁ土日色々あって疲れてるだろうから気を使ったつもりだけど、見た感じ元気そうだからいっか」
百合の言う色々は双葉や桜の事だろうか、一葉もあったけど…俺の体調の事を心配してくれてるのは嬉しいと思う
『そういえば百合の方は、パールはどうだったの?』
「あ〜皆とね散歩行って広めの公園で遊んだわよ、今度少し遠出してドッグランに行こうって話もしたかな」
『お〜いいね、俺も行きたいな』
「そうね、パールも喜ぶと思うわ」
最近霞の家に行ったがパールとは散歩には行けてない、今度時間ある時に霞に声をかけようと思う
「さて、今日はどうしようかなぁ」
『そういえば朝ご飯も食べてないな』
「う〜ん、出かける?」
百合は俺の顔に触れて顔色を見ている、そして何故かキスをしてきた
「ん〜、問題はなさそうね」
『何故キスをする』
「ん〜?ついで?」
百合は俺から離れて悪戯な顔をした、それを見て可愛いなと思う自分がいた
『とりあえず、着替えてくるから少し出かけようか』
「わかった、私も準備するね」
洗面所に向かい顔を洗ってから部屋に戻り着替えた、部屋から出てリビングへ戻ると少ししてから百合が来た
「じゃあ行きましょうか」
『了解』
百合と二人で家を出た、まずは朝ご飯兼昼ご飯を食べるとこからになりそうだった
「それで何が食べたい?」
『え〜どうしよう』
百合とこの前寿司を食べに行った、蕎麦も行ったからそれ以外となると何がいいのかと悩む
『ん〜ラーメン?』
「ラーメンか〜、焼肉かと思った」
『寝起きの空きっ腹に焼肉は、ダメージがでかそうで…』
食べれなくはないと思うが、いきなりはきついと思う
「それなら龍司の案採用で、私も餃子食べたくなったし」
今日は行き先は決めてはいない、なので商店街のある方へ向かって歩いていた
「ここにしよっか」
百合が指した先は、全国的にもよく聞くチェーン店だった
『ああ、いいんじゃない?』
「じゃあここで食べましょう」
店内に入りテーブル席に座った、まだお昼前の時間で開店してすぐだったので空いていた
「お水セルフだから入れるね」
『あ、ありがとう』
席は自由だったのでセルフコーナーの近くに座ったため、百合が席を立ってすぐ目の前で水を入れ始めた
『へ〜タッチパネルで注文出来るんだ』
「最近は増えてきたよね〜」
水を入れたコップをテーブルに置いて百合が対面に座る、百合はタッチパネルを操作しながらメニューを見ていた
「塩バターコーンラーメンに半炒飯と餃子、餃子は半分あげるね」
『ああ、じゃあ俺も同じのにしようかな』
百合に操作をしてもらいメニューを注文した、百合の注文を聞いてると自分も食べたくなった
「別の頼んでシェアでも良かったのに」
『まぁ、ただラーメンの場合は結構難しくない?』
「まぁそっか」
ラーメンであ〜んとかしてるのは見たことがないと思う、たまに見るのは器ごと受け取って食べたりスープを飲む様子はある
「仕方ない、あ〜んはまた今度ね」
『それでお願いします』
「お待たせしました〜」
話をしていたら注文した物が運ばれてきた、俺と百合の前には同じラーメンと半炒飯、そして餃子は五個しかなかった
『あれ、半分って』
「はい龍司、あ〜ん」
餃子が届いてすぐに百合が一個を取り、俺の口に運んでくる
(あ〜んは今度って、言ったじゃないか)
俺の心の声は聞こえないので、目の前の餃子は微動だにしない
『ちょっと待て、絶対熱いぞこれ』
目の前の餃子からは湯気が出ている、焼きたてのいい匂いがしていた
「本当?」
百合が餃子を自分の口に運んで少し口に入れた、すぐに顔を赤くして水を口に含んだ
「危な、火傷しちゃうじゃん」
『だから言ったのに』
「ふ〜ふ〜、ほらあ〜ん」
百合は残った餃子に息を吹きかけて冷ました、湯気が落ち着いた頃にまた俺の口に運んできた
『あ〜ん』
さすがに先程とは違うのだろう、百合のおかげで食いやすい温度に下がっていた
「じゃあ後は二個ずつね」
『了解、いただきます』
同じ注文内容だが、俺とほぼ同じ量を百合が食うのは珍しかった
「実は私も朝食べてなくてさ〜」
百合の様子からわかった、俺と出かけるつもりでご飯を食べず起きてくるのを待っていたのだろう
『百合ありがとうな』
「何の事?」
百合は笑いながら知らんぷりをしていた、俺にだけ見せてくれる表情が嬉しかった
「さて〜、どこ行きましょうかね」
『百合の行きたいとこに付き合うよ』
「じゃあ龍司に水着選んでもらおうかなぁ、外で着ちゃ駄目なら家の中で着てあげるね」
『え〜、店内入るの恥ずかしいよ』
女性の服屋に入るのも恥ずかしいのに、一緒に水着を選ぶのは更に厳しく思えた
「付き合うよって言ったよね〜?」
『うっ』
「どのみち龍司を一人にさせてたら、変な女が寄ってくるから傍にいなさい」
百合にとってはナンパ対策もあるらしい、また前みたいな事になるのも面倒なので従う事にした
『言っておくけど、俺センスないからな』
「いいわよ、私が気になったのから選んでくれたらいいから」
それから百合について行き水着を選んだ、俺を困らせたいのかわざと際どいのを持ってきたりもしたが無事決まった
「今度プールとか行きたいね」
『人が多いところはあまり好きじゃないなぁ』
「それなら真白ちゃんの家の庭で、大きなプールとかどうだろう」
『あ〜霞しだいだけど、それも面白いかも』
また一つ夏にやれそうな事が出来た、海もいいが皆で集まれるきっかけになりそうだ
「じゃあ水着も買ったし、少しお茶しましょ」
『了解、何か買ってこようか?』
「ん〜暑いから室内がいいかな、そこのお店にしない?」
百合に言われて近くの店に入った、レジで注文し受け取ってから空いていた席に座った
『そういえば、今日は休みだから明日こそは期末考査の結果が出るよね』
「そうね、明日はテストの返却と間違えが多かった問題の解説をする感じかな」
カレンダーを確認してなかった俺が悪いが、明日は間違いなくテストが返却される
『そういえば、今回は一葉に勝てそう?』
「ん〜まぁ手応えは悪くないけど、龍司が賭かってないからなぁ」
『人を勝手に景品にするのはやめなさい』
冗談を言う百合に呆れた顔をする、百合は舌を出して可愛い顔を見せる
『そんな顔をしても許しません』
「え〜今日の夜はサービスするからぁ」
『いや、ちょっと』
俺は百合の言葉に驚いて周りを見る、何のサービスの事だかわからないが、周りに人がいたら誤解されそうな会話になっていた
「今日はまだまだ長いから、帰ったらサービスするね」
『まだ言うんかい』
暫くゆっくり出来たので自宅へ帰る事にした、一学期も後数日そして夏休みに入る。俺達の夏はまだこれから始まって行くのだった




