三人の夜
「今日は龍司君が来てくれて良かったなぁ」
夕飯を食べた後一葉の部屋で二人で過ごし、また汗をかいたので風呂に入り直していた
『今日一日で二人とって、普通こんな事無いよなぁ』
夕飯前に双葉とした後に、一葉とは夕飯後にした
「食前と食後みたいな?」
一葉は首を傾げながら俺を見ている、双葉と入ったのに今度は一葉と風呂に入るとは思わなかった
「まぁ姉妹だし、ちゃんと龍司君を共有しないとね〜」
『そういうものなのか…?』
「普通ではありえない事だけど、私も双葉も龍司君が好きだからいいんだよ〜」
『高校に入ってからすぐに短い期間で、こんな体験の数々をする事になるとは思ってもなかった』
「いいネタの提供をありがとうございます」
『そういえば俺達の事を、漫画にして描いてるって言ってたっけ?』
「うん、もしかしたら雑誌に掲載にされるかも」
『え、まじで?』
「この前応募したら賞を取れてね、読み切りからって話が来てるんだよね〜」
『お〜凄いな』
「アンケートの結果しだいでは、連載になるかもって担当さんが言ってた」
『じゃあ皆で書くか!』
「そうしてくれたら嬉しいけど、それでこれは現実にあった事なんですよ〜って言ったら、担当さんが信じてくれなくてね」
俺達の関係や状況を、一葉の担当に話をしたら信じてもらえないのは当たり前だと思う。俺でさえ、これは夢ではないのかとたまに思う事がある
『とりあえず、雑誌に載るときは教えて下さいね』
「うん、頑張るね」
一葉の話を聞いた後、二人で風呂から出て部屋へと向かった
「さてさて、まだ寝るには早いよね〜」
『何かするんですか?』
「お邪魔します」
部屋に入ってすぐに双葉が入ってきた、双葉は俺達が上がるのを待っていてくれたみたいだ
「明日の黒音さんの事があるからもう今日はしないけど、寝るには早いから話をしようよ」
一葉に促されて先にベッドに座った一葉の横に座る、その横に双葉が座り左右から挟まれる形になる
『たしかに、まだ寝るには早いか』
俺の身体を気づかってくれたのだろうか、若いといってもこれ以上したら、疲れるものは疲れるので助かる
(明日の事がなかったら、もっとしてたということなのか?)
一葉の言葉が少し気になったが、触れずにそのまま聞いておく
「龍司君は、過去の話はあまり覚えてないんだよね?」
『あ〜そうですね、結構記憶が欠落してて』
「それなら未来の話をしようか」
『未来?』
「うん、将来は何がしたいかなって」
(将来か、高校卒業したらだよな?)
普通に考えたら大学や専門学校に行って、就職をして結婚をし家庭を持つとかなのだろうか
『一葉は漫画家?』
「うん、なれたらいいなって思ってるよ」
自分の好きなものを続けられるというのは、良いことだと思う
(俺の好きなものってなんだろうか)
高校に入学した頃は、卒業したら進学するか就職して一人で生活を出来るように、料理を覚えるようにしていた
(趣味ってもしかしてないのか?)
自分の将来したい事がわからない、それで俺の傍にいてくれる女の子達を、幸せに出来るのかと不安になってくる
「私はね〜保育士か、小学校の先生かなぁ」
『双葉は子供が好きなの?』
「うん、好きだよ」
双葉はまだ高校一年だが、自分のやりたい事を考えているみたいだった
「でも大変な仕事みたいだしね〜、主婦になって龍司君の子供達を家で見るってのもありかなぁ」
『子供、達?』
「うん、私達五人とずっと一緒にいるならそんな未来もあるんじゃない?」
『あ、そっか…そうだよな』
このまま六人でずっと一緒にいる未来があると双葉は言っている、それなら俺はまずしっかり稼がないと皆を幸せには出来ないと思った
『お金を沢山稼げる男にならないとだな』
「私も売れっ子漫画家になって、稼ぐからね!」
隣の一葉も気合を入れている、稼ぐかはともかく漫画家として世に出れたら素晴らしいなと思った
「高梨先輩は何でも出来そうだし、真白さんはわからないけど、黒音さんは会社員とか公務員とかになってそう」
『まぁ霞は裕福だから本人の生活は困らなそうだが、桜は似合ってそうだな』
霞は将来何をしたいのだろう、機会があれば話をしようと思った
『でも六人か〜』
「嫌なの?」
『いやいや、違うよ』
六人で一つ屋根の下で生活をしている事を想像してみる、子供も沢山いて皆笑顔で暮らせたらいいなと思った
「全員と入籍は法律上は無理だけど、結婚式は六人でしたいよね〜」
『凄い事になりそうだな』
五人のウェディングドレスを想像してみる、皆今よりも大人になって綺麗になってるのだろうと思った
「私は龍司君がいいなら、ずっと一緒にいたいよ」
「私も、龍司君以外は考えられないし」
『ありがとう、嬉しいよ』
左右から腕に抱きつかれて温もりを感じる、二人とこの先も一緒にいたいと思えた
『俺はまだまだ男として未熟だからさ、気になった事は言って欲しいな』
「うん、その時は言うからね」
「わかりました、龍司君を男として成長させます」
今の俺では五人と付き合っていくような器用な事は出来て無いと思う、周りに助けられている事を考えながら成長をしないとと思った
「まだまだこれからだよ」
『そうだよな』
その後は、二人のアルバムを見せてもらい、子供の頃の事や親の事を聞かせてもらった
(二人のお父さんにも近々挨拶しないとな)
今日の泊まりも一葉達の母の考えで出来ている、本当なら許されない事だと思う
『二人のお父さんにも挨拶しないとな』
「あ〜、まぁまたそのうちで大丈夫だよ」
「うん、私達が取られるって子供みたいに言ってるもん」
二人と関係を持ってしまってるのもあるし、責任を取る気持ちを見せるために挨拶は早めにしたいとは思ってる
「そういえば明日は何時に帰るの?」
『あ〜、そういえば』
スマートフォンを取り出しメッセージを開いた、桜から明日は九時に行きますと届いていた
『九時だから少し前には家に着いておきたいな』
「わかった、明日は早めに起きるから朝ご飯は食べて行ってよ」
『いいのですか?』
「うん、私達がしたいの」
『ありがとう』
二人が三人で過ごす時間ギリギリまで、もてなしてくれる事が嬉しい
「それなら少し早めに起きないとだし、そろそろ寝ますか」
『そうですね』
「じゃあ電気消すよ〜」
『あれ?』
双葉は部屋を出て行く様子が無く、電気を消したら俺の横に寝てくる
『え〜と、三人で寝るの?』
「そうだよ、少し狭いけど我慢してね」
「お邪魔しますね」
俺を真ん中に挟んで二人が左右から抱きついて来る、壁側の一葉はいいが双葉がベッドから落ちないように気をつけないとと思った
「落ちないようにしないとだからごめんね」
双葉は俺の身体に手を回し足を絡ませて来る、一葉も同じ様にしてくるので俺は身動きが取れなくなった
(いや柔らかいし、いい匂いがするからいいんだけどさ)
贅沢な状況に少し興奮して寝付きが悪かった、暫くは両隣から寝息が聞こえ始めてからも寝れなかったが、さすがに色々と疲れがあったのでいつの間にか意識が薄れていく
(明日は桜か、どうしようかな)
起きた後家に帰り桜と会う、その後はどうして過ごそうか頭を過ったがそのまま眠りについた




