期末考査前日
「今日は楽しみ」
『そうだな、ちゃんと勉強頑張らないとな』
朝、霞と二人で歩きながら話をしている。今日は放課後に、霞の家で勉強会をする予定だ
『そういえば、この前の日曜日はどうだったんだ?』
月曜日は笑顔だったので、無事家族と過ごせたみたいだが気になってはいた
「オムライス食べてもらえた、そういえば夏休みになったら別荘使っても良いって言ってた」
『別荘…』
霞の家が裕福なのは聞いていたが、普通に別荘の話を聞くとは思わなかった
「合宿行けるよ」
『嬉しいけど、色々お世話になるのは申し訳ないな』
「気にしなくていい、海が目の前にあるから皆で遊べる」
俗にいうプライベートビーチの事だろうか、そんな贅沢な別荘を持ってるのは凄いなと思う
『そういえば今日、霞の家に行ったら誰かいるのか?』
勉強だけではなく夕飯も食べるからキッチンを借りたりもあるだろう、それなら迷惑にならないようにしたいなと思った
「もうお父さんやお母さんは仕事で海外に行った、お祖父ちゃん達はまた旅行に出た」
霞の両親は相変わらず忙しいらしい、霞のお祖父さんは霞の父の会社の会長らしく、旅行と言ってるが色々と会社絡みの事で回ってたりするそうだ
『凄い家だな』
正直な感想が口から出てしまう、霞は空を見ながら少し考えてるようだった
「贅沢はさせてもらってると思う、慣れたけどやっぱり寂しい時はある」
霞は少し暗い表情になる、家に帰ると一人なのが寂しいのは当たり前だと思う
「でも最近は、龍司君達がいるから少し寂しくない」
少し前の霞なら俺だけの名前を言っていたのではないだろうか、そこに俺以外の女の子達も含んだのは霞の変化ではないかと思った
『これから先も、もっと皆で過ごして寂しさがなくなるさ』
「うん」
人は一人では生きてはいけない、だから一人でも多く自分の傍にいてくれるのは幸せな事だと思った
「今日は私と柊さんで夕飯作ってあげるから、他の皆は先に勉強してなさい」
放課後になり、皆で下校しようと校舎から出たら百合に言われた
「私と柊さんは買い物してから向かうから、先に四人で真白ちゃんの家に言っててね」
「夕御飯楽しみにしててね〜」
『了解、じゃあ向かいますか』
百合と一葉とは一時別行動になったので、他の三人と共に霞の家に向かう
「じゃあ黒音さん、ちょっとわからないとこがあるから向かいながら教えて」
「いいわよ、私も聞きたいところがあるし」
俺と霞が歩く少し後ろで、双葉と桜がお互いわからないところを教え合っていた
『俺達は赤点回避に向けて、気合入れないとな』
「私は毎日勉強してるから、ちょっと自信ある」
霞が俺にドヤ顔をしてくるが、教室での様子を見る限りにそこまで余裕があるようには見えなかった
『ほほぉ、俺だって勉強してるし二人で勝負するか?』
「いいけど、私が勝ったら龍司君お泊りね」
『う、それは簡単には許可出来ないな』
俺というよりも、周りの皆が許可を出すかわからなかった
「善処の方向で」
『善処はするけど…』
(その場合は、他の皆も同じ風にしてあげないとってなりそうだな)
『まぁ俺が勝てばいいか』
「私が負けたら、龍司君の家に泊まりに行く」
『それって結局、霞にとっては有利だよな』
勝負の話になった時点で、俺の負けは確定していたらしい
『霞は策士だな』
「作戦通り」
横で可愛い笑顔を見れたので俺としては良かったと思う、ただこの話が他の子に聞かれたら後々面倒になりそうだと思った
『霞、この話は二人だけの秘密な』
「わかった、龍司君は約束を守ってね」
『善処します』
霞の誕生日以来、俺への行動が前より積極的に感じる。ただそれだけ俺の事を想ってくれてるのだろうと思った
(お腹空いた)
霞の家に着いてから四人で勉強をしていた、お互いわからないところを聞いたり、中間考査の時に間違えていた部分を復習している
『しかし、もう匂いでわかってるからお腹空いてきたな』
「そうだね、私もお腹空いてきちゃった」
俺達が勉強を始めてから暫くして、買い物をしてきた百合達が来た。そのまま夕飯を作ると言うので任せたのだが、現在凄くいい匂いがしてきて勉強に集中出来ていなかった
『この匂いは反則だよな〜』
「カレー」
そう百合と一葉が作っているのはカレーなのである、作る前に秘密と言っていたが匂いでわかってしまった
『たしかに人数多いから、カレーとかシチューはいいよな』
「もうそろそろ出来るから、テーブルの上片付けてね〜」
一葉に言われて、キリの良いところで勉強道具をしまった
「今日はカツカレーだよ!」
『そんな、受験とかじゃないんだから』
一葉が持ってきた皿には、大きなカツが乗っていた
「いや〜真白ちゃんの家の冷凍庫に、いいお肉があったから気合入れちゃったわ〜」
百合が持ってきた皿には、肉がたっぷりのカレーと大きなカツが乗っている
「はい龍司の分、おかわりも出来るからね」
『いやこれは凄いな』
量的には普通なのだが、入っている具の量が凄かった
「いいお肉だから野菜はしっかり食べるのよ」
胃が持たれるということだろうか、お肉の質は相当良さそうに思えた
「ではいただきます」
『いただきます』
霞と百合達に感謝しつつ、皆でカレーを食べた
(いやもうわかってたけどさ)
食事に風呂に入ろうと連れてかれ、服を脱いだ後に目隠しをされた
「まずは身体を洗いましょうね〜」
一葉が楽しそうに言いながら、俺の背中を擦っている
「私もしたい」
「真白さんどうぞ〜」
霞がそう言いながら近づいて来るのがわかった、一葉が霞と代わり先程より弱い力で背中が擦られていた
「じゃあその間に私が前やろうかな」
百合がそう言いながら胸の辺りから擦り始める、さすがに双葉や桜は参加はしてこなかった
「よし浸かりますか〜」
『てか目隠しはまだしてないと駄目なのか?』
「ん〜もう少しだけね」
湯船に浸かると正面に気配を感じた、俺の両手が左右別々に引かれると何か柔らかい物に触れた
「だ〜れだ」
「だ〜れだ」
前方の左右から声がかかる、左右の手別々に違う感触を感じた
『え、まさか』
俺が今触れているものは、間違ってなければ百合と一葉の物である
(左手は掌が収まらないくらいだから一葉かな、百合はさすがにわかる)
『左が一葉で、右が百合』
「せいか〜い!」
「じゃあこれは?」
正面から声が聞こえると、抱きしめられて顔が柔らかい物に包まれる
『いやいや、霞だろ』
「当たり」
さすがにわかるというか、わかってしまうくらい俺が知っているのに気がついてしまった
(あれ?おかしいな)
前回と同じく、水着を着ていると思っていたがそんな気配がない
「じゃあ正解だったので外すね〜」
目隠しを取られると、目の前には裸の五人がいた
『いやいや、水着くらい着ろよ』
「いいじゃない、本来は裸で入るものよ」
『一応俺がいるんだからさ』
双葉や桜まで水着を着ていなかった、そういう関係を持つ前に裸を見る機会があるとは思わなかった
「龍司は幸せ者ね」
『全くをもってその通りで』
開き直って皆の事を見た、もうこの際はしっかり見てやろうと思った
「さてそろそろ出ましょうかね、龍司がのぼせたら困るし」
『そうだね、帰る時間も考えないと』
勉強と夕飯でそれなりに時間は経っている、明日の本番のために後は帰宅してから各自勉強をとの事になった
「じゃあ明日は頑張りましょう!」
「しっかり頑張って、夏休み楽しもうね!」
『そうだね、皆お疲れ様』
明日の期末考査本番に向けて、皆気合を入れるのだった




