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初バイト

日曜日の朝、百合に起こされて準備をして共に家を出た。バイトの内容は雑誌のモデルらしいのだが、俺に務まるか不安だった


『大丈夫かな』


「問題ないでしょ、私と一緒に撮影するだけだし」


現在電車に乗りバイト先まで移動している、交通費も出してくれるらしいので助かると思った


「着いたら言われた通りにしてればいいから、服やメイクは全て任せて後は言われた通りにするだけ」


『了解、やれるだけ頑張るよ』


俺としては言われた通りにするだけでいいなら助かるけど、モデルとして通用するのかどうかも気になった








「高梨さんの息子さんね、宜しく」


『高梨龍司です、宜しくお願いします!』


百合に案内された建物に入り迎えてくれた人に挨拶をした、その後各スタッフの方々に挨拶をし、メイクなど準備をしてから撮影が始まった






「はい、オッケーです」


『ありがとうございます』


言われた通りにポーズを取ったり百合に合わせるが、慣れてないので細かく休憩を入れてもらえていた


『いや〜、難しいな』


「まぁ撮ってくれてる人に言われない限りは、上手くやれてると思っていいわよ」


百合は涼しい顔をしながら俺を見ていた、ただ真剣なのがわかるくらいいつもより厳しい雰囲気が出ている


「次は、高梨百合さん単体で撮りま〜す」


「は〜い、じゃあ行ってくるわね」


百合が呼ばれて撮影が始まる、普段家で見ている姿とは違って大人の雰囲気を感じた


「高梨君、今日はありがとうね」


スタッフの女性が声をかけてくる、今日俺達に付いて色々と気を使ってくれて、マネージャーみたいな事をしてくれていた


『こちらこそありがとうごさいます、俺なんかで大丈夫でしたか?』


「うん、大丈夫でしたよ。なかなか高梨さんと一緒に撮影出来る良いモデルがいなくて、後は高梨さんの要望もあったから来てくれて良かったわ」


背丈やルックスなどでいうなら、百合と撮影出来るモデルはそれなりにいるらしいが、百合が言うには連絡先などを聞いてくる女癖の悪いモデルとは二度と仕事をしないらしい


(俺としては、仕事を貰えたから助かるけど)


現場に来て話を聞いてわかった、ただ百合はスタッフの方々に好かれているみたいなので、だから仕事が貰えるみたいだった


「高梨さん良い子よね〜、家でもそうなの?」


『そうですね、優しくて最高の姉ですね』


お世辞ではなく本心ではあるが、細かい事は言わず相手に合わせておく


「いいお姉さんなのね、撮影の時とかも色々と気を使ってくれるから助かるわ〜」


母の仕事の関係から繋がってると聞いてるし、百合は百合なりに気を使ってたりするのではないかと思った


(しかし、凄いな)


撮影をしている百合を見ていると、いつもより綺麗でキリッとした表情が魅力的だなと思った


(これが働いて金を貰うって事なんだろうな)


「高梨君お願いします」


『はい!』


また呼ばれた俺は、少しでも頑張ろうと撮影に入った








「終わりで〜す、お疲れ様でした」


『お疲れ様です、ありがとうごさいました』


「お疲れ様です」


撮影が全て終わる頃には服の中は結構汗をかいていた、百合もさすがに少し疲れた表情をしていた


「今日はお疲れ様です、高梨君も初めてだった割には良かったわよ」


『ありがとうございます、そう言ってもらえて助かります』


「もうちょっと自信を持ちなさいよ」


スタッフの方々に声をかけられて挨拶をしていく、今日は来て良かったなと思えた


「また仕事がある時は、連絡するから来てもらえる?」


『俺で良ければ是非お願いします!』


「その時は、母か私に言ってもらえれば大丈夫です」


次回の仕事の話は百合達に任せる事になった、近々またあるだろうとの事なので頑張ろうと思う


「あ〜高梨君帰るの?」


『あ、はい、今日はありがとうございました』


撮影に参加していたスタッフの一人に声をかけられる


「もし良かったらご飯行かない?お姉さんが奢るよ〜?」


『え、いや…嬉しいんですけど』


「ごめんなさい、この後龍司は私とデートなんです」


「あ、高梨さんそうなんだ、ごめんね〜」


俺に声かけた女性が離れていった、横で百合は溜息をついている


「はぁ、あの人は仕事は出来るんだけど軽いのよね〜」


『あ、そうなんだ』


「悪い人ではないんだけどね、覚えておきなさい」


百合に言われるが、前に他の女子と知り合って酷い目にあったことを思い出したので、もうそういう事はないようにしようと思った


「じゃあ帰ろっか、金曜日の借りもあるし今日は私と過ごすのよ」


午前中から撮影をし、もう昼は過ぎていた


『とりあえずご飯?』


「そうね、近くにいいお店があるの」


百合についていくと少し古びた建物があった、暖簾がかかっているので営業はしてるみたいだった


「いらっしゃいませ〜」


外見とは違いお店の中は綺麗で、鼻に入る匂いで自分が空腹なのを意識出来た


「私のおすすめでいい?」


『ああいいよ』


メニューを見たがどれも美味しそうで、悩んでいると百合に提案をされた


『店の外とは違って、中は綺麗だしいいねこのお店』


「そうでしょ、結構穴場らしいわよ」


先程までいたバイト先のスタッフの人に教えてもらって、何度か来たことがあるらしい


「お待たせしました〜」


暫く待つと注文した物が来た、百合おすすめの天ざるらしい


「海老好きでしょ、あげるわ」


『じゃあ代わりに他の取ってくれよ』


百合が俺の皿に海老の天ぷらを置いてくれる、俺からはさつまいもの天ぷらを取ってもらった


『お〜、美味しい』


「でしょ!天ぷらも美味しいし、蕎麦も手打ちらしくて美味しいのよね」


正直百合のおすすめだから期待はしていた、だが過去に行った蕎麦屋の中でも一番と呼べるくらい美味しかった


『百合はいつも良い店に連れていってくれるな』


「当たり前よ、龍司の喜ぶ顔が見たいんだから」


百合が俺も見て笑顔で言ってくれるので、俺も嬉しくなった


『ありがとう、本当にいつも嬉しいよ』


「別にいいわよ、私がしたいだけなんだから」


百合に感謝しつつ最後の一本までしっかり食べた、今日は百合のおかげでいい一日を過ごせたなと思えた


『これからどうする?どこか行くの?』


「ん〜もうデートしてる時間もないし、帰ったらいい時間だから家でゆっくりしましょう」


『了解、ご馳走様でした』


百合と食事を終えて帰宅する事になった、帰り道はこれといって問題もなく、明日からの期末考査をどうするかという話などをしながら家に着いた








『そういえばまた明日からは部活は、期末考査の勉強で休止だよね?』


「そうよ、中間考査と変わらないわね」


『また皆で勉強会とかどうかなって』


「そうね、家でもいいし他の人の家でもいいけど、皆でやるのはありね」


テスト勉強期間を取り金曜日には期末考査がある、それまでの四日間は皆で勉強会をするのもいい


『まぁ明日の朝相談しようか』


「そうね、メッセージにも入れときましょうかね」


六人でやってるグループメッセージにも、期末考査の勉強会をしないかと提案が届いた


「さて、今日もあと少しだし明日からは勉強で忙しいくなるわね」


『そうだね』


「今日は私が龍司を独占するのだから、ご飯食べたら一緒にお風呂入って部屋で過ごして寝ましょう」


『了解、何でも言う事は聞きますよ』


昼間頑張っていた姿とは違い、夜は甘えん坊な百合だった、俺はどちらの百合も好きだと思えたので問題はなかった


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