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霞の誕生日会

『ん〜?』


唇に何かが触れる感じがして目が覚める、目を開けると霞の顔があった


(ああそうか、昨日は霞の家に泊まったんだっけか)


普段は見ない光景に少し緊張をするが、霞の笑顔を見たら何か落ち着く感じがした


「龍司君おはよう」


『ああ、おはよう』


目の前にある笑顔が可愛くて優しく頭を撫でる、霞は嬉しそうに目を瞑って抱きついてきた


『あ、そういえば何時だ?』


「今七時半」


昨日は霞と共に日付が変わる前に寝てるので、睡眠時間としてはしっかり取れた方だと思う


『よし、起きてご飯を食べようか』


「うん」


午前中は霞とご飯を食べてからゆっくり過ごし、百合達との約束があるので高梨家に向かった










「龍司君の家?」


『うむ、ようこそ俺の家へ』


「お家デート?」


『いや、そういうわけではないんだがな』


玄関のドアを開けると、百合がちょうどリビングから出てきたところだった


「あら、真白ちゃんいらっしゃい」


「こんにちは」


リビングのドアの先からいい匂いがしてくる、俺達が着くのに合わせて作ってくれていたようだ


「そんなとこに立ってないで上がりなさい」


『ああ、霞行こうか』


「う、うん」


霞には今日の事は内緒にしていたので、まだ気がつかれてはいない


「龍司」


(あっ)


百合が目配せをしてくる、霞を先に入らせろと言ってるのだろう


『霞、先にどうぞ』


「わかった、お邪魔します」


霞が先にリビングへ入ると、一斉にクラッカーが鳴った


「真白さんおめでとう!」


「おめでとう」


『霞おめでとう』


「真白ちゃんおめでとう」


「…ありがとう」


リビングにいた皆と俺達からの言葉に驚いたのか、暫く黙ってから霞は言葉を出した


「ほらほら、座って〜」


一葉が霞の荷物を預かり双葉が席に案内をする、百合と桜が料理を霞の座るテーブルの前に並べた


「龍司君、これって」


『ああ、皆で霞の誕生日を祝おうと思ってな』


「そう、なんだ」


霞はあまり言葉に出さないが表情を見ればわかる、周りの皆を見ながら喜んでいた


「龍司も真白ちゃんの横に座りなさい、一緒に食べてていいから」


『いやそれは悪いよ』


「大丈夫だよ、私達に任せて」


双葉達が任せろと気を使ってくれる、それなら俺は霞の隣で本日の主役をもてなそうと思った


『お〜霞、美味しそうだな』


「うん、凄い」


俺達の目の前には、色とりどりの野菜のサラダと唐揚げに海老フライ、最近作ってた卵絡みなのかカルボナーラとマルゲリータのピザがある


『これ皆で作ったの?』


「そうだよ〜、食べて食べて」


一葉に促されて目の前の料理に手を出す、まずは霞に食べてもらおうと思った


『ほら霞、あ〜ん』


小さめの唐揚げを取り霞の口へ運ぶ、霞は少し驚いていたが一口で口の中に入れた


『どうだ?』


「ん、美味しい」


「いいなぁ、真白さん」


「私も後でして欲しいなぁ」


俺達の姿を見て周りが羨ましがっている、俺は海老フライを取りまた霞の口に運んであげた


「龍司君ありがとう、後は自分で食べるから龍司君も食べて」


『わかった、俺も戴くよ』


料理の内容を見ると霞だけではなく俺が好きな物もある、皆考えて作ってくれたのだろうと感動した










「ごめんね真白さん、誕生日プレゼントというプレゼントは用意出来てないんだけど」


『それは仕方ないよ』


霞に急遽俺がやりたいと提案した事を説明する、霞は今のこれが最大のプレゼントだと返してくれた


『それでだ、まだまだ時間はあるし霞持ってきたよな?』


「うん」


霞の家を出る時に、この前観たパールの映画を持ってきてもらった


『それを今日は、皆で観るのはどうかな?』


「この前話を聞いて、楽しみにしてたんだよね〜」


「あ〜私も気になる〜」


『俺は一回観てるし、霞は何回も観てるけどいいかな?』


「大丈夫、毎日観れる」


『それなら良かった、じゃあ観ようか』


ディスクを預かりセットをした、主役の霞を真ん中に左右を柊姉妹と桜、俺と百合は椅子に座りそこから観る事にした










「凄かったね〜、あのワンちゃんが画面の中にいるなんて」


「うん、良かった〜」


『二回目だが見直すと前回気がつかなかったとこを見れた感じで良かったな』


「うん、観てもらえて良かった」


パールの出演した映画は、お世辞ではなく本当に良かったと皆言っている


「今度皆で散歩とか行きたいね」


『それもいいな、桜もパールに慣れてもらわないとな』


「そうね、毎回私だけ吠えられるのは辛いわ」


パールは見た感じ霞にやらされてる気もするが、この二人が仲良くなってくれたらいいなと思う


「さて、じゃあ次よ」


『ん?まだあるのか?』


「ケーキがあるじゃない」


『あ、そうだった』


昨日寝る前に確認のメッセージが来ていた事を思い出した、さすがに誕生日ではないので食べてはいなかった


「誕生日会だからね、ちゃんと皆で作っておいたわよ」


百合が冷蔵庫から取り出して、霞達が座るソファーの前のテーブルに並べる


「ほら、龍司の分よ」


『ガトーショコラか』


「ショートケーキは食べたと聞いたからね、お店ほどの味は出せないけど」


『いやいや、凄く美味しそうだよ』


「うん、凄い」


霞は作ってもらえた事が嬉しかったようだ


『うん、美味い』


「美味しい」


皆で作ったという割には、お店で出て来ても文句ないレベルだった


「そういえば真白ちゃんも龍司としたんだし、私の妹みたいなものね」


『なんだそのルールは』


この前の一葉の件といい、百合が変なルールを作ってる気がする


「真白さん、私の事もお姉ちゃんと思ってくれていいからね」


一葉も百合に便乗し始める、その様子を見ていた双葉と桜が俺の事を見てきた


「私達はいつ家族にしてくれるのかなぁ?」


『え…もう少ししたら?』


俺が言い始めた事ではないのに巻き込まれた、早めに残りの二人ともしないといけないのだろうか


「楽しみにしてるからね〜」


『あ、はい…』


霞の誕生日なのに、俺にプレッシャーがかかるのであった








『じゃあ送ってくるな』


「気をつけてね、真白ちゃんまたね」


「ありがとうごさいます、今日は嬉しかったです」


「真白さんまた月曜日ね〜」


霞を送るために二人で家を出る、片付けくらいはすると言ったのだがこちらは任せろと言われた


「龍司君、今日はありがとう」


『俺はたいしたことしてないよ』


「うん、皆には後で御礼を言う」


霞がこちらに笑顔を向けてきた、今日は誕生日会をして良かったと思えた


「お姉さんが二人出来たし」


百合の言葉が嬉しかったのだろう、これから仲良くなっていってくれるなら俺としては嬉しい


『霞は一人じゃないからな、次からは言ってくれよ』


「うん、迷惑じゃないかな?」


『大丈夫だよ、皆優しいから気にしないよ』


もっと皆を頼って欲しいと霞には伝える、ただ霞も力になれる時は皆の力になるのが大事だとも伝えた


「龍司君も、また泊まりに来てくれる?」


『それは、応相談で…』


男としては正直嫌ではないけど、母や百合それに他の皆の事もある


「夏休みは皆でお泊り会しよう」


『そうだな、楽しそうだよな』


皆で料理作って風呂はどうせ俺は一緒に入る事になるだろう、夜は花火をするとかもいいなと思った


「そういえば明日は大丈夫みたい、さっき連絡が来てた」


『お〜、良かったな』


明日は家族と久しぶりに過ごせるらしい、霞が月曜日元気な顔を見せてくれるだろうと期待した


「龍司君」


霞が抱きついてキスをねだってきた、俺はそれに応えてあげる


「もう家が近いし、祖父母が待ってるみたいだから大丈夫」


『わかった、また月曜日な』


「うん、ありがとう」


霞の家の少し前で分かれた、そのまま見送っていると無事家の敷地に入って行った


(さて、帰って片付けをしますかね)


もしかしたら終わってるかもしれないが、少しでも自分の出来る事はしようと思えた


(皆には御礼を言わないとな)


霞のために準備をしてくれた皆に感謝をしつつ、家へと向かった


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