日曜日 夜
「龍司君今日はありがとう、また明日ね」
『ああ、また明日、今日は楽しかったよ』
夕方まで双葉と遊んでから、家に送って行った
(さて、百合はもう家にいるはずだから真っ直ぐ帰るかな)
そう思っていたら、百合から電話が来た
「あ、龍司今どこ?」
『双葉を送って帰るとこだけど』
「あ〜、じゃあ今日は外で食べない?」
『いいけど、どこにするの?』
個人的にはどこでも構わなかったが、二時間ほど前に双葉の持ってきたお菓子を食べていたので軽めに食べたかった
「寿司の気分かな〜回るやつで良い?」
『学生二人で回らない方に行く方が怖いよ』
「まぁ私もバイト先の人に一度誘われて行ったくらいだけど、男の人だけどそういうのじゃないから!」
俺は何も聞いてないのに、百合が男の人との食事の言い訳みたいなのを言ってきた
『百合の事は信じてるから気にしないよ、それでどこに行けばいいの?』
「まぁ去年の事だし別に付き合ったりとかもないから大丈夫だけど、家から一番近いとこわかる?」
『あ〜じゃあ向かうよ、少し時間かかるけど待ってて』
百合に言われた店は、家から歩いて十五分ほどの距離にある有名なチェーン店だ
「じゃあ混む時間だから予約だけしとくね」
『了解、三十分はかからないくらいだから』
「時間も時間だから、四十分待ちみたいだから大丈夫」
急ごうと近道を検討していたが、少し余裕を持って行けそうだった
『お待たせ』
店に着くと百合が外で待っていた、番号を見せてもらうと後五組ほどで呼ばれるようだ
『何故に店の外に?』
「待合室は人がいっぱいだったからさ〜、番号呼ばれる時はそこのスピーカーから聞こえるから、外にいても大丈夫なのよ」
『なるほど、予約ありがとう』
百合が先に来ていてくれたおかげで、あまり待たずにすむので良かった
(たしかに入り口まで人が溢れているな)
日曜日の夜だし家族連れが多い、俺が着いたタイミングで予約した人は一時間待ちだそうだ
『そういえば、何で寿司なの?』
「バイト先の人と話してたらさ〜、あ、その人は女性なんだけど彼氏と水族館行ったって話しててね」
『まさかそれで、寿司?』
「そうよ」
水族館の話から寿司を食いたいになるとは、まぁ目線によっては無くはないのかもしれないけど
『動物園の話したら、焼肉行こうとかは言わないよな?』
「それはさすがに…てか私の事なんだと思ってるのよ!」
俺の冗談に、百合はわざと拗ねている様子を見せる
『ごめんごめん、番号呼ばれたし行こうか』
先程見せてもらった番号がアナウンスされているので百合と手続きをして席へ案内してもらった
「まぁ正直なところ、龍司が土日他の子達と遊んでたから私も二人で過ごしたいなって思ってね」
席に着くと百合はテーブルに備え付けのタブレットで、メニューを見ながらそんな事を言い始めた
『百合はいつも家に一緒にいるし、ちょこちょこ俺の部屋に来て過ごしてるじゃないか』
「そうだけどさ〜、デートみたいな名目的なものじゃないじゃん」
『まぁ今週はバイトだったし、今度何処か行こうか』
「そうなるとやっぱり、水族館かな」
注文が終わったのか、こちらに笑みを見せながらタブレットを渡してくる
「水族館か、いつ行こうか」
受け取ったタブレットで予め決めていた物を注文していく、ある程度歩いたおかげでお腹も空いてきていた
「ん〜夏休み入ってからでもいいかも、そういえばモデルのバイト決まったから次の日曜日一緒に行くからね」
『あ、本当に?ちゃんと空けておく』
百合にお願いしていた俺のバイトが決まったようだ、詳細は帰ってから聞くことになった
「近々期末考査もあるしね〜、遊びに行くのは夏休み入ってからのがいいでしょ」
『まぁたしかに、予定も慎重に組まないとなぁ』
「龍司は一人なのに、デートする相手は五人もいるもんね〜」
百合はわかってるにも関わらず、俺を弄ってくる
『それよりも桜や双葉は期末は勝つつもりで勉強していたぞ、また勝負するの?』
細かいルールは知らないが、俺に願いを叶えてもらうのが賞品として中間考査では勝負していたらしい
「まぁやってもいいけど、柊さんが本当は勉強出来るの確認したかったってのがあったからなぁ」
『あ〜、一葉か』
一葉のカミングアウトみたいなのを図書室で聞いた時、本当は勉強も運動も出来る方なのは本人が言っていた
『百合は気がついていたんだな』
「まぁ前にちょっとね」
百合と一葉は同級生だし俺の知らないところで何かあったのだろう、ただ中間考査があったおかげで一葉が変わろうと出来る機会が得られたと思った
「皆のモチベーションにもなるだろうからやるけど、龍司は真白ちゃんと仲良く赤点取らないようにね」
『そこは気をつけます』
中間考査では平均点よりは上を取れていたが、油断して夏休みをふいにしないように気をつけようと思った
「龍司と過ごす夏休みを皆楽しみにしてるんだから、頑張ってね」
その後注文していた寿司が流れて来るので、食べながらテスト期間に皆で勉強会をする話などを百合とした
『ご馳走様』
「うん、満足満足」
百合と手を繋ぎながら家へと帰っている、月明かりに照らされた百合を見ると相変わらず綺麗だと思えた
『百合はさ、ずっと俺と居てくれる?』
「当たり前でしょ、私はそう決めてるわよ」
『そうか、ありがとう』
「でも安心して構ってくれなかったら、拗ねちゃうんだからね」
繋ぐ手に少し力が入る、百合はこちらを見ながら目を潤ませていた
『わかってるよ』
百合を引き寄せてキスをしながら抱きしめた、百合も俺の背中に手を回し抱きしめてきた
「やっぱり家以外でこういう事するのはいいわね」
周りには誰もいないのは確認はしていた、だから二人だからこそ出来た事だ
『いいけど人前では気をつけてな』
「わかってるわよ」
また百合と手を繋いで家へと向かう、色々と忙しかったりもするけど、皆といる時間は大切だと思える週末だった




