明けの月曜 1
『眠れなかった…』
金曜日の帰宅後姉に言われた通り、俺は土日のニ日間は家で大人しく過ごした
姉にしては珍しくアイスを買ってきてくれたり、母も好きなものを食べようねと美味しい料理を作ってくれた
(俺は別に気にしてないけど、気を使ってくれてるのかな…)
いつもはさせてくれる手伝いもこのニ日間はさせてもらえず、逆に考える時間が増えてしまったのは良くなかった…
(明日、どうするべきか)
暫くは漫画研究部には顔は出さない方がいいんじゃないか、いや…でも逆に怪しまれるかもしれない
などと色々考えていたら真っ暗だった部屋に青みがかかった光が入る時間になっていた
(休むわけにはいかないし学校に行こう)
まずは目を覚ますために朝からシャワーを浴びに行った
『苦い…』
いつもより早く登校し売店にある自販機で、ブラックのコーヒーを買いちびちび飲んでいる
家ではコーヒーを飲む場合ミルクと砂糖は絶対入れるので、どちらかというと甘党の自分にはこの苦味は苦痛でしかなかった
(無理するくらいなら少し授業中に寝てもいいかも…)
そう思いながら教室へ向かった
「おーす龍司!聞いたか?」
『おはよ、何が?』
机に座り外を眺めながらぼーっとしていたらいつの間にか大樹が目の前にいた
「金曜日駅前で暴漢が出たらしくてさ、うちの学校の女子生徒が被害にあったらしいんだよ」
『マジか、やべぇな』
「被害と言っても髪を掴まれて振り回されたとかそんな話らしいんだがな」
(金曜日は俺も駅前にいたがそんな事件も起きてたのか、治安悪いな)
「で!聞いた話によるとその暴漢をいきなり現れたイケメンが倒して、その女子生徒とホテルに行ったらしい」
『………下心全開じゃねぇか…』
(助けたらちゃんと家まで送って行けよ…)
「俺も部活の先輩から聞いた話だから詳しくはわからないんだけど、ただうちの学校の指定ジャージを着てて一年生じゃないかって話らしい」
『入学早々にがっつき過ぎだろ…中学でも遊んでたのかね…』
(てか指定ジャージ着ててホテル行けるのか?いやでも結構そこら辺緩いとか聞いたこともあるような…)
「ただ結構なイケメンで、誰もそんなやつ学校で見たことがないらしい」
『ふーん』
(俺も入学したばかりで他のクラスの生徒の顔なんて覚えてないからわからないな)
ふと廊下の方に視線を向けると知ってる人が歩いてるように見えた
(柊先輩…?いや、まさかな)
さすがに月曜日の朝早くから人探しなんかしてないだろうと、自分の妄想で廊下に先輩の姿を映し出した自分を恥じるのであった
(少しはマシになったな)
四限が自習だったため、早々に課題を終わらせた俺は軽く眠ることが出来た
「お昼食べようぜ」
『あーちょっと飲み物欲しいから売店行ってくるわ』
「あいよ、じゃあ先食べてるわ」
『ああ、行ってくる』
寝起きで喉が渇いた俺は飲み物を買おうと教室を出て売店に向かおうとしたのだが、教室を出たところで知り合いに出くわした
「あ、高梨君!」
『柊先輩、どうしてここに?』
(そういえば先輩の妹も同じクラスだったっけ、用事でもあるのかな?)
『妹さんに用事ですか?または真白さんかな?』
「んー、ちょっとね」
『ふむ、まぁ自分は飲み物買いたいので売店に行きますね』
「うん、今日は漫画研究部には来るの?」
『あー、どうしましょうかね』
「用事がないなら来てよ、待ってるからね」
(料理部のミーティングは水曜日か)
『了解です』
「また放課後ね〜」
先輩から離れて売店へと向かう、そして戻ってきたら廊下を行ったり来たりする先輩の姿が目に入った
(もしかしてずっと探してるのか、まさかな…)
放課後やはり行くのは辞めたほうがいいのではないかと午後の授業中にずっと悩むのであった




