4話 除霊
黒い手形の少女の霊に会社の先輩は勝てるのか
「黒い手形って何なんや。黒い手形は」
と目の前に言う私に聞いてきた。
「もしかして波瀬さんの所にも」
「せやで。ホンマどないなっとんの」
核心的な発言をした海衣に波瀬が言う。
「昨日の晩にはそんなもん付いとらへんかったんやわ。それなのに朝になったら。うちのマンション子供一人もいいひんのに」
と出来ごとを話す。
「後、勘違いかも知れないんだけど」
「何か見はったんすか」
と磴が尋ねると。
「仕事中に寒気がして振り向いた時にだけど、一瞬黒い影みたいなもんが見えたねん」
昨日とは一転自分も体験し、ただの都市伝説等ではないと身をもって想い知る。
「私も分かりません。けと親友なら」
そういって、自身のアイフォンからラインを開いて京花にメッセージを送った。
数分が経ち、既読が着き、少し経て京花から返信が返ってきた。
『改めて調べてみたんだけどさ。そしたらやっぱり霊の仕業で違いない。除霊グッズ後から届けよか』
そのメッセージにお願いと海衣は返す。
「親友が除霊グッズを届けてくれるみたいなのでそれを使ってください」
「ホンマ助かるわ」
波瀬はお礼を言い、仕事へ向かう。
海衣はビバレッジのセミナーを受けた。
仕事が終わると、会社の前に京花にバイクで来ていた。
「ほい、これ」
「ありがとう」
「海衣も気を付けな。何かヤバいモノな気がするし」
除霊グッズを手渡した京花が忠告し、
「じゃ、行くわ」
「ホントありがとね」
バイクに跨がった彼女に海衣は言った。
するとバイクが走り始める。
去っていく後ろ姿を見届けると。
「波瀬さん、これをどうぞ」
「ありがとう」
お礼を言ってそれを受け取った。
受け取るなり踵を返し「ほな、また」とだけ言い残し家に帰っていく。
帰宅した波瀬は早速除霊グッズの一つ、盛り塩を玄関の左右端に一つずつ仕掛けた。
寝室に貰った除霊グッズをベッド周りに置く。
置いた荷物からネックレスたけ取り出す。
それからお風呂を沸かし、入浴して夕飯を食べた。
夕飯は薤玉だ。
食べ終わった皿を洗い少し休む。
歯磨きも済ませてネックレスを首に掛け早めにベッドに入り込んだ。
暫くして睡魔に襲われ寝てしまう。
翌朝 。
首に掛けていたネックレスが弾け飛んでい
「嘘やん」
と引き摺った顔で、新聞を取りに行こうと玄関に向かうと、盛り塩の異変に気付く。
昨夜見た時は異変等起きていない。
「真っ黒やん」
確かに来ていたのだと感じゾッと寒気がした。
この黒い手形の正体がヤバい悪霊では無いか。
恐る恐る玄関を出て外に出てみると、黒い子供の手形が消えていた。
「もしかして昨日もろた御守りのお陰やないか」
パジャマのズボンに入れたお守りを見て思う。
安心した波瀬は新聞を取って家に入ると、机に置いて食パンを焼く。
焼き上がるやマーガリンとイチゴジャムを塗って食べ始めた。
食べ終わりお皿に水を浸けて洗い歯磨きをする。
それから洗顔クリームを塗ってメイクをし、髪型をセットして着替えを済ませた。
仕事の準備をしてから、除霊グッズを鞄に仕舞い。支度が終わるや否や、家を出て車で会社へと向かう。
会社付近のパーキングエリアに車を止め歩いて会社に向かった。
「波瀬さん大丈夫かな」
「せやな」
海衣と磴が話していると。
「おはようさん」
と言って波瀬が入って来て隣の席に座り込んだ。
「昨日はありがとうな。滅茶苦茶効いとったわ。これありがとうな」
そう言って除霊グッズを返す。
「それなら良かったです」
「ホンマやな」
二人は安心した様子。
仕事の時間となり現場へ向かう。
午前の仕事は何事もなく終わり、お昼休憩に入る。
休憩が終わると午後の仕事が始まった。
午後も寸なりと行き一日の仕事が終わった。
「ほな、さいなら」
「お疲れ様です」
「お疲れ様です」
偶々会社の出口で会った波瀬に二人は挨拶をし帰っていく。
家の前に着き鍵を開けては行っていく。
玄関ドアは朝と同じく手形はもう付いていない。
部屋の電気を点けようとするが点かない。
「あれ? 点かないやん」
カチャカチャと何度か繰り返すと漸く電気が点いた。
「停電やと思うやん」
安心したように部屋には行っていくと。
部屋の壁に黒い手形が数センチメートル毎に付いていた。
「ひゃあぁ」
波瀬は叫んだ。
確かに祓った筈なのだ。
考えを放棄し逃げようとするが、独りでに部屋の扉が閉まった。
ガチャガチャ。
「開かへん」
何故か開かない。
「逃がさない。こっちおいで」
少女の声が聞こえドアから離れようとするが動くことが出来ずに。
後ろから黒い手に体を捕まれ波瀬の首をもう片方の黒い右手でへし折られた。




