1話 都市伝説
上京と出てきますが上京の京は京都のほうのことです。
大学卒業を期に北海道から上京してきた私、東江海衣。
同じく上京した友人の鴻京花と、京花が見付けてくれた部屋へとやって来た。
引っ越しの手続きなどは事前に済ませており、こちらで不動産と最終確認を行い後は大家さんから鍵を貰うだけで済んだ。
「良い部屋見付けてくれてありがと」
「良いってことよ。ここなら交通に便利だし、それにスーパーも近い」
交通や買い物に困らない最適な物件であった。
「お値段もそこそこするけどさ」
「バイト頑張った甲斐あったわ」
お喋りをしているうちに新しい家に辿り着いた。
ガチャッ、
部屋の前まで来ると、大家から受け取った鍵で中に入る。
中には引越の荷物が玄関に大量に置かれていた。
「こりゃ大変だ」
「二人で頑張って終わらそ」
段ボールから次々とモノを出していく。
空の段ボールの山が増え段ボールを潰す作業も行う。
「ふう、これで終わった」
最後の段ボールの中身を出し潰した。
出したモノを広い洋室に運ぶ。
残る料理グッズや予めネットで購入していた電子レンジとトースター、炊飯器をダイニングキッチンへ運んだ。
荷解きをしてる間に外は真っ暗になっていた。
「今夜はこのまま泊まってく?」
「そうさせて貰うよ」
「もう遅いしスーパーで何か買ってこ」
二人は近くのスーパーでお弁当を買って、部屋の電子レンジでチンをして食べた。
食べ終えゆっくりと寛いでいると。
「そう言えばさ」
と京花が切り出した。
「最近都市伝説になってる『黒い手形』って知ってる?」
「え、知らないけど。有名なの?」
「まあね、これ見て」
そう言ってネットに投稿されたコメント付きの写真を海衣に見せた。
「何でもこの黒い手形が玄関ドアに付いた家の人が霊に連れて逝かれるとか」
「黒い手形にね~ いかにも都市伝説って感じ。そんなのあるはずないのに」
「まあ、あたしもそんな霊は見たことも聞いたこともないから偶々だとは思うけどさ」
京花は霊感が強く、よくそう言うものを見ることが多い。
そんな彼女が見たことないと言うことはやはりただの都市伝説に過ぎないのだろう。
お喋りしてる間に夜の十一時を回っており、二人は海衣が実家から持ってきた布団に入り寝床にそれぞれ就いた。
翌朝朝ご飯を済ませると、京花は家に帰った。
それから数日経ち、海衣は入ったスイーツ開発の会社の入社式へ向かう。
会社は徒歩と電車で片道二時間位の距離にある。
向かう最中、奇妙なものをある家の玄関ドアで見付けてしまう。
「―――黒い手形···.」
とそう呟いた。
気にはなるももの足を止めることなく会社へ向かった。
この時知らなかった。
既にその家が恐怖を知らす警鈴を鳴らし始めていることに。
次回から黒い手形による恐怖が始まります
次ぎは黒い手形のターゲットにされた家目線です。




