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猫とまたたびと未来視の少女  作者: カートス
第一章/未来、襲来
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襲撃も突破する

 ギルドを後にして、進められた宿に進む道中。狭い路地に入った所で僕の耳は妙な足音を捉えた。


「これ、後を付けられて無い?」

「あ、そうですかね?」


 ご主人様の後を付ける不審な影たち。


「呼び掛けてみますか……隠れてないで出てきたらどうですかー!」

「チッ……バレちまったならしょうがねえ。」

「どうしますかい、兄貴?」


 ご主人様の適当な声に釣られて、なんか見るからに“賊”って雰囲気の連中が物陰からぞろぞろと現れていく。合計四人、それぞれ刃物を構えている。


「おう、冒険者の先輩に挨拶の1つも無しったあ随分と舐められたもんだなあ?これはきっちりとお灸を据えにゃならねえなあ。だが俺達もガキを食う趣味は持ってなくてな。有り金全部とその希少種の猫を置いていけばお前に危害は加えねえ。ほら、猫置いてさっさと退きな!」

「邪魔するんなら只じゃ置かねーぞ!」


 と、先輩を自称する不審者共。ところでここ大通りから丸見えだし、声は大通りに丸聞こえだけど大丈夫なのかな?


(戦いますよ。私は貴方を置いていく振りをするので、私があの喋っている親玉の視界から外れたら即座にスーパースピードと親玉にバウンティハント、直後壊速烈車(かいそくれっしゃ)で雑魚を一人処理した上でシャープクローとインパルスキックで2人目の雑魚を処理、親玉と雑魚一人は私がやります。)


 即座に殲滅を決定し、戦略を立てたご主人様は、後ろに回した手で結晶を生成している。


「えっと、そこのリーダーっぽい人ちょっと右にずれてくれません?見逃してくれるにしても逃げ道を塞がれていては怖いのです。」

「おう、従順なガキは嫌いじゃねえし、俺様達は寛大だ。道を空けてやるよ。」

「では、ここに置くので……」

「おし!さっさと失せな!」


 ご主人様が親玉の横を通り過ぎて通りに出た直後。


「“スーパースピード”!“バウンティハント”!」

「なんだ!?猫が喋った!」

「妙な術を……体の動きが鈍いぞ!?」

「どうしました兄貴……「“壊速烈車(かいそくれっしゃ)”あああ!?」ぐぁ!?」


 僕がスキルを使用すると、白いオーラを纏ってとてつもない速度で飛んでいく。驚いて一瞬固まってしまったが、既に直撃した一人は悲鳴を上げて動かなくなっている。


「兄貴!兄弟がやられ『パァン!』グハッ…」

「おい!さてはお前騙したなこのクソガキ!」


 背後からご主人様が飛ばした結晶が爆発し、また一人吹き飛ばされ、


「一体どうなってやがる!」

「“シャープクロー”!“インパルスキック”!」

「ぐあーっ……」

「くっ、よくもうちの弟達を……」


 そして僕が残りの手下に二連続で爪と蹴りを入れて残るは親玉一人。


「魔法使いから目を逸らすなんて、三流も良いとこですよ……」

「あっつ!?」


 しかしその親玉も僕を見ている内にご主人様が放った10本の赤い刃に切られ、倒れ伏す。


「これ生きてるの?」

「頑丈そうな親玉とスタン効果の有る蹴りで倒れただけの一人はともかく、残りの二人は不安ですね。」

壊速烈車(かいそくれっしゃ)とかなんか見るからに威力高かったもんね。」

「これでCT9秒ですか……」


 と、彼らの安否について考えていると、


「少女が襲われているとの通報を受けて駆け付けたんだが大丈夫か!……ってさっきの嬢ちゃんか、これは一体?」


 さっきギルドへ案内してくれた門番さんが、今度は衛兵として現れた。


「刃物を持った男に脅されたので、返り討ちにしました。」

「まあ、嬢ちゃんに襲い掛かったら……そうなるよな……」


 あの試験の時の魔法を見たらそう思うよね。


「傷口は……そこのでかいのが切り傷と火傷、切り傷と中程度の打撲、大きな打撲、あとの一人は…打撲かこれ?ふむ……全員生きてるな。」


 それぞれ魔法攻撃、爪と蹴り、烈車、爆破で倒された奴の外傷だね。

 全員生き残ったのか。しぶとい奴等。


「で、嬢ちゃん…こいつらと戦闘になった時の話を聞かせてくれないか?」

「はーい、事の始まりは…」


 ご主人様が話している間に周りの様子を確認すると、どうやら通報したらしき女性が、別の衛兵に大通りの隅で話を聞かれている。また、野次馬に混ざって冒険者と思わしき人々がこちらを遠巻きに眺めていた。

 いや、現場に居合わせたなら助けてよ……と考えていたら話はもう終わったらしく、僕達は無事に帰れることになった。

 

「ふむ……なるほど。確かに彼らの素行は悪かったですが、そこまでとは……」

「ああ、こいつらはやりすぎた。今回の一件でもうお縄に付くだろうな。」


 既に女性の方は話が終わっていたらしく、衛兵さん達は引き揚げようとしている。


「じゃ、俺達はこいつらから話を聞かにゃならんからこれで。もう変なことに巻き込まれるんじゃないぞ!」

「はーい」


 そんな感じのやり取りで、ご主人様は今度こそ紹介された宿に向かう。

 無事にチェックインを済ませて、夕飯や入浴も何事もなく終わり、時間は既に深夜。


「♪~」


 今現在、ご主人様は上機嫌で水晶の生産を行っている。


「あ、貴方は先に寝てて良いですよ。明日からも多分モンスターと戦うことになるので。」


 との事なので僕は明日に備え、眠りにつく。

 ……異世界のベッドはあまり寝心地は良くなかった。

タイマー「魔の掌握での水晶生成はご主人様本人の魔力を消費しないよ。魔力回復用だし。」

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