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猫とまたたびと未来視の少女  作者: カートス
第一章/未来、襲来
3/11

少なくとも爽やかではない目覚め

「……てください……」


 んん、目が回る……


「……起きてください……」


 これは……ご主人様の声?急いで目を覚ますと、視界に広がる平穏な草原。


「うーん……ここは?」

「異世界ってやつですね。」


 異世界?と首を傾げたあたりで僕はさっきの惨状を思い出す。


「ねえ……神様らしきお兄さん爆破してたけど大丈夫なの?」

「大丈夫です。私で二人目なので。」

「なんでそれで大丈夫って言えるのかな……」


 それはともかく、改めて自己紹介。

 僕はタイマー、黒い毛の猫。品種みたいなのは知らないけど見た目からしてショートヘアとかの類いだと思う。絶賛ワープ酔い(?)中。

 そこの人間は空路 音衣子(くうろねいこ)、僕のご主人様。17歳の少女で身長体重はちょっと平均より下、身体能力は大体子猫程度だが知能は極めて高い。常に敬語。

 そして何よりも()()なのはご主人様の超能力とも言える力である《未来演算》だろう。未来に起こりうる全ての事を予知し、その中から自らに都合の良い未来を選択することができる。

 何を言ってるか分からないのであればT(ツール)A(アシスト)S(スーパープレイ)を想像してほしい。TASでは乱数を調整し起こす奇跡をご主人様はその体で起こしている。

 ちなみにあまりに情報を処理し続けると疲れるらしく、面倒だという理由で普段は必要最低限しか使用せず手を抜いている。

 急に異世界に行くと騒ぎだして約10時間、彼女曰く“一部先駆者様のチャートを拝借させて頂いた上での常識と世界間の壁の強行突破を行った”等と供述しており、その結果僕共々ここに来ていると思われる。


「では、異世界に来たらやるべき事と言えばあれですね!」

「ちょっと待って……転移かなにかの余波で三半規管が悲鳴あげてる、僕猫なのに……というかさっきまで意識無かったのに……」

「私は酔わないので酔い止めとか持ってないんですよね……」


 ~数分後~


「あー、落ち着いてきた。で、やるべき事って?」

「ステータス確認ってやつです!こう、念を込めれば…」


 ご主人様のよく分かんない行動の後、ご主人様は何かを理解したという表情を浮かべている。


「なにか見えるの?」

「はい。多分ここをこうすれば貴方にも見えるようになりますよ…っと。これです。」


 ────────────────────

 空路音衣子[見習い魔法使い]Lv.10

 ◇体力:30

 ◇魔力:200

 ◇攻撃力:20

 ◇防御力:10

 ◇知性:400

 ◇俊敏性:150

 ◇器用さ:200

 ◇運:150

 ☆skill

 偽証Lv.15

 工作Lv.10

 奇術Lv.10

 予測Lv.5

 歌唱Lv.2

 ☆extra skill

 審判の正位置

 魔の法則Lv.1

 魔の性質Lv.1

 魔の掌握Lv.1

 ────────────────────


「ふむふむ、で、どう読めば良いの?」

「ステータスの部分はまあ大体書いてある通りです。一般人のステータスはLv.10でだいたい100らしいですね。スキルの部分はここに来る前の行動が大体反映されるみたいですね。」

「で、エクストラスキルって書いてあるのは……」

()()()蹴飛ばして貰った端末の能力ですね。本来普通の小娘が持ってて良い物では無いです。」

「なーるほど?因みにスキルの効果は?」

「普通のスキルの4つはそれぞれの技術が上達するって物です。エクストラのは……ここから表示出来ますね。」


 ────────────────────

 審判の正位置:[error:不明なアクセス]

 魔の法則:魔力消費100%減少形態/詠唱速度100%減少形態/無条件での魔法使用可能形態の三つの形態を持つ。形態は任意で切り替えられるが1度切り替えると10分の間切り替えられない。

 魔の性質:自身への精神系状態異常を完全に無効化する。自身の使用する精神系状態異常の成功率/効力がやや上昇する。

 魔の掌握:周囲空間の魔力を操作し、圧縮することにより質量を持った水晶を生成出来る。水晶は魔力を補給してくれるが、その水晶に魔の掌握を使用すると爆発する。

 ────────────────────


「なるほど。なんかよく分かんないのと取り敢えず踏み倒しするやつと一部のデバフ無効と爆弾兼燃料生成……で良いのかな?随分と強くない?」

「折角異世界に来たんだからこれくらいやっても許してくれるでしょう、あの神様以外は。」

「神様が許さないのってそれはどうなの?」

「……まあ、先客がだいぶ酷くボコって行ったみたいですし、あの神様に文句を言う余力なんて無いですよ。」


 僕がさっきから言う先客ってなんなんだろう?って考えていると、ご主人様が立ち上がってこう声を掛ける。


「さて、折角の異世界です。ただの草むらに座って無いで、冒険を始めましょう!」

「まずは何処を目指すの?」

「取り敢えず、人間の住む場所に行きたいですね。貴方が居れば野良猫から情報収集も出来ますし。」

「この世界にも野良猫って居るのかな?」

「多分大体の場所には居ますよ。多分。」


 そう言うとご主人様はだだっ広い草原を歩き始めた。ところで、道ってそっちで合ってるの?

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