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猫とまたたびと未来視の少女  作者: カートス
第一章/未来、襲来

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13/21

猫でもわかる、目立つ方法

 場面転換(ところかわって)、三人……というか二人と一匹、或いは一人と二匹で日の傾き始めた街を歩く。


「私、そういうルビの振り方好きなんですよね。」

「読心術でも使ったの?」


「急になんの話?」


 読心術って心の中のルビを読めるんだろうか。


「読心術は使えないので分かりませんが、多分ルビも読めると思いますよ。」

「使ってるじゃん読心術。」


「君ら、テレパシーで遊ぶのやめない?」


「テレパシーなんて使われてないはずなんだけどね……」

「私はテレパシーも使えませんよ。」


 読心術もテレパシーも使えないならこの会話はおかしいでしょ。


「マジックみたいなモノですよ。」


「ふーん……で、なにしにどこへ行くんだっけ。」


「出発前の話を聞いてなかったの?」

「適当な依頼を受けて夜の森を探索して連携を確かめましょうという話でしょう。」


 そう、確か……


────────────────────


 狸寝入りならぬ寝入り狸が起きた頃合いで。


「折角この世界で合流したんですから、私達……」


「きっと、一緒に行動するべきだね。ふわあ……」


 大きな欠伸をするるみちゃん。寝起きだからかな?


「ええ。」

「まだ昼過ぎだけど、今日は何するの?」

「この3……匹?で行動するのは初めてですので、連携の取り方を考える必要が有りますね。」


 少なくともご主人様の数え方は匹じゃないと思うんだけど。


「確かに、下手したら互いに互いを巻き込みそうだよね。主にご主人様以外の僕らが。」


「……」


「ええ。そこは実際に動いてみるしか無いと思うので、最初は色々控え目な動きから試してみましょう。」


 しかし、何処で?訓練所みたいなところがあるのかな?


「取り敢えずは、低難易度の依頼を見繕って置いてありますのでそちらを。」

「いつの間にそんな事してたんだ。」

「今日は元々東の森林に向かう予定でしたからね。」


 確かに、昨日の夜中に出掛けるって聞いた気がする。東の森林って変な人たちが居た辺りか。


「大丈夫?また変な場所に着かない?」

「よほど奥に行かない限りは大丈夫だと思いますよ。かなりの距離が空いていますので。」


 つまり、この前はそのかなりの距離を迷ってた事になるんだけど……


「なんですかその目は」


 ……別に。


────────────────────


 って会話だったね。そういえば、るみちゃんが序盤以降会話に参加してない。もしかして……


 「ごめんごめん、寝ちゃっててさ。」


 この狸は話の途中でまた寝ていたらしい。


「何も知らないで買い出しに付き合ってたんですか……荷物ちゃんと持ちましたよね?」

「手ぶらに見えるけど。」


「大丈夫だよ。ボクが森に行くんだから準備不足なんてある訳無いじゃん。」


 そういえば、化け狸って木の葉をお金に変えたり出来るんだっけ。


「まあ、変化の術はあんまり得意じゃないから最低限の荷は持ってるけどね。」


「なら良いんですがねえ」


 さっさとギルドに行って、依頼を回収しないと……あれ?


「こんな時間に依頼残ってるの?」

「依頼が張り出されるのが基本的に前日の情報を纏め終わった朝ってだけで、建物自体は24時間営業、更に言うと依頼は常時少しづつ張り出されてるんですよね。」

「随分資金力に余裕があるね。」

「力ある所に力は集まりますから。」


 武力も資金力も力の内って事か。


「そういえば、るみちゃんのランクとか聞いてないよね。」

「確かに言われてみれば。いくつなんです?」


「えーっと……確かこの辺に……」


 と、ポケットを漁るるみちゃんを伴ってギルドに入った、瞬間。

 建物内の空気が凍り付いたような錯覚をした。


「何ですかね、この空気は?」


「さあ?」


 主にギルドの従業員達の目線がこちらに向けられている。しかしその他にギルド内で変わった事と言えば、訓練所が使用停止になっていることくらいだろうか。

 ご主人様は、こちらへの目線を気にせずに選んだ依頼を受付に持って行く。

 いや、目を向けられているのは……るみちゃん?


「依頼書を……っと。受注お願いしまーす。」


 まだ多くの人が帰って来ていないのか、建物全体がやや空いており、受付業務をほっぽりだして書類整理中のカウンターすら見受けられる。

 その中でも暇そうにしていたお姉さんにご主人様が依頼を提出すると、どうやら依頼を受ける時はギルドカードを見せる必要があるらしい。


「そういえば、アルゴさん……?が受付してくれた時は提出してませんでしたよね。」


「いいのそれ?……あ、ここに仕舞ってたのか。」


 るみちゃんも目線を気にしていないらしく、ご主人様の隣で受付のお姉さんの話に耳を傾けている。


「規則上ダメです。本当にあのお方は……」


 二人の会話を聞いたお姉さんは鬼の形相。 後でこってり絞られるだろう昨日のおっさんに心の中で合掌し、ようやく取り出されたるみちゃんのギルドカードを覗き見る。


[イルミネーション/マジシャン/Cランク]


 ……高くない?

 登録したての筈なのにご主人様の2つ上のランクに妙に向けられる目線、そして。何故か訓練所へ向かう通路に置いてある"訓練所 使用停止"の看板……

 なるほど、さてはるみちゃん……だいぶ、やらかしたみたいだね?

 本人は気にしてないみたいだけど、請求書とか飛んで来ない範囲ならまあ良いのかな。

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