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【Ⅲ】#5 己の力に、疑惑を抱いたのは


 虚華達は最早歩き慣れたと言っても過言ではないほど、フィーアでは一番歩いている獣道を、キョロキョロと色んな方向を見ながら歩いている。

 白雪の森に入り、初仕事の目的物である三種のキノコを探し始めている。何度歩いても鬱蒼な森は、自分達を受け入れてはくれず、甘い果実の匂いを漂わせては、外へと追い出そうとしている気配を感じる。

 そんな不気味な白雪の森には、基本的に誰も立ち入らない。入るのは、人に疎まれている魔物や、人から嫌われている人位な物らしい。そうリオンから聞いてはいたが、確かに人の気配は一切感じない。

 (の割には何かしらの生き物の痕跡があちこちにある。多分、魔物って呼ばれてる生物なのかな)


 「ホロウ、目的のキノコって、どんなのだっけ?」

 「えぇ……それ知らないで歩いてもただのピクニックだよ……?えーとね」


 魔術以外には殆ど興味を示さない雪奈は、欠伸をしながら虚華の後ろについて歩く。恐らくは探しているキノコがどんなものかも知らずに、眠い目を擦りながらただ付いてきたって感じなのだろう。

 そんな雪奈のずぼらさに溜息を付きながら、事前に調べておいた情報を記したメモを虚華は広げる。


 「私達が収穫するのは、皇茸コウタケ衣笠茸キヌガサタケ槐茸エンジュタケの三つだね。見た目は……確かこっちのページに」

 「特徴があれば、ボクの探知で大まかな位置だけは分かるかも知れない。鑑定系の魔術や技術は無いけど、必要になりそうだし、勉強しておこうかな」

 雪奈が虚華の近くで、メモ書きを見ている所に、臨も興味深そうに割り込んできた。

 (臨も知らなかったことに一番私が驚いてるよ……。ゴブリン退治の方しか頭になかったのかな)


 命のやり取りなどが苦手な虚華はどうしても、キノコ採取の方に重きを置いていたが、どうやら二人はゴブリン、亜人種を倒すことの方ばかり考えていたようだ。確かによくよく見てみれば、二人の装備がいつもよりも戦闘に向いている装備になっている。


 (まぁ、戦闘がいちばん苦手な私が探したほうが確かにチーム内の効率は良いか。うんうん)


 探す気があるのか無いのかわからない二人に、三種類のキノコの特徴や、生えている可能性のある場所を、数カ所ピックアップして伝える。

 ふんふんと真面目に聞いた後に臨は、何やら魔術の詠唱を開始する。

 詠唱を聞いている感じだと、恐らくは探知魔術と、後もう一種類は何かしらの索敵系の物だろうと虚華が推測していると、臨が魔術を詠唱し終え、魔術を展開する。


 臨の片目に魔術が掛かっており、周囲をぐるっと見回した後は、目を瞑り何やら集中している。彼の探知魔術は、他の人のものとは少し違うらしく、目に魔術を掛けて、自分の視界を調整しながら索敵などを施す仕様らしい。


 「大体の位置に目星は付けた。案内は直ぐに出来るけど、近い順でいい?」

 「うん、大丈夫。いつもありがとうね、ブルーム」

 「気にしないで、これぐらいならクリムだって出来るだろうし」

 「あたしは無理、身体付与型は、身体の負担が大きい」


 虚華の褒め言葉を照れ隠しのように臨は顔を逸し、雪奈を褒める。虚華は逸した先が悪かったなぁと、こっそり頭を抱える。

 確かに雪奈でも探知をするための魔術を使用することが出来るが、身体付与。身体に魔術を掛けることで効果を発揮するタイプの魔術は不得手としているので、いつも臨に任せている。


 (身体付与型ではない探知なら出来るけど、敢えてお前に譲ってやっている。って言われてるのに気づいてないんだろうなぁ……)


 それが理解出来ている虚華は表情に出さない雪奈が、臨を軽く煽っていることに気づいている。臨が顔を赤くして優越感に浸れているようなので、それなりに大きい胸を張る雪奈を、虚華は見ないふりをすることにした。


 魔術の才能に秀でており、魔術の天才とディストピアでは呼ばれていた雪奈。彼女はほぼ全ての属性の魔術を上から二番目の超級レベルなら殆どは使用することが出来る。臨が使用していた魔術は、無属性の中級程度の補助魔術。勿論使用することが出来るのだが、雪奈は身体付与型の魔術は自身の肉体の未熟さを理由に使用を拒むことが多い。臨が補助魔術を得意としているのも理由の一つだが、雪奈は補助魔術も基本的には使用しない。そう、虚華にお願いされているから、雪奈は何も言わずに指示に従っている。


 (これは嘘じゃないから、臨は気づけない。二人の行動が、嘘を真実にしているだけ)


 「じゃあ、ブルーム。道案内をお願いしても良い?勿論、《安全なルート》でね?」

 「了解!生物反応が数種類あるけど……多分これがゴブリンで……大きい人型が、多分オーガって呼ばれてる奴だね。かなり距離が離れているから、すぐには接敵しないと思う。キノコは三種類とも近くにある。この感じなら、出会わなくても済むね」

 「おーけい!じゃあさくっとキノコ狩りと洒落込も!」

 「「おー!」」



________________



 臨の探知魔術の精度もあって、キノコ狩りは順調に進んでいた。危険な場所は予め避けることが出来、目的物だったキノコは指定の数をすべて集めることも出来た。一種は食用。一種は魔除け、一種は薬の材料に用いるそうだ。キノコ一つでも色々な使いみちがあるんだなぁと、三人で談笑するほどには、虚華達には余裕があった。

 探知魔術を作動させたり、停止させたりしている臨を見て、少しだけ不安げな顔をしながら虚華は声を掛ける。


 「ブルーム、魔力の残量は大丈夫?かなりの時間が経っちゃってるけど」

 「大丈夫だよ。補助魔術は持続時間の割に消費量が少ない上に、こまめに解除してるから。……ん?何か来る……!ホロウ、クリム!戦闘準備をしておいて。何かと接敵する」

 「了解。戦闘準備に入るね」

 

 臨の戦闘準備の声で、三人は戦闘準備を済ませる。臨は愛用している片手剣を抜刀し、雪奈は魔導書を構え、虚華はホルスターに収めていたハンドガンを取り出し、セーフティを外す。

 臨が来ると言った方角を向いて、敵の到来を待つ。こんな森の出口付近で、出くわすとはなんて運が無いんだと虚華は心で嘆くも、緊張感を気合で押し潰し、一本の漆黒のハンドガンのグリップを握り直す。

 ちらりと二人の方を見るも、二人共目がギラついている。殺意が目からも全身からも漏れ出ているのが分かる。これから命のやり取りをするのに、臨と雪奈からは歓喜の表情しか見えない姿を見て、虚華はひええぇと声を漏らしそうになる。

 虚華は、涙を呑んで、ショルダーホルスターに収めている残り二本の拳銃に手を置く。ディストピアから持ってきた拳銃は全部で三丁あるが、一丁は不良品なのか、貰った時から弾を込めることも、撃つことも出来ないお守りと化している。それでも肌見放さず虚華は持ち続けている。今は亡き仲間が作ってくれた大切な物を捨てることが出来なかった。


 「《君はいつかこの銃の価値を思い知ることになる、その時まで肌見放さず持っておけ》」


 そう言われたから、馬鹿正直に虚華は今日(こんにち)まで持っている。残念ながら、今の虚華にはこの銃の価値が分からない。


 (今日まで大切に持っているけど、何時になるんだろうなぁ)

 「その銃、まだ持ってたんだ。確か「欺瞞」に「憂辣」と後一本はえーと、」

 「この白い銃。「虚飾」ね。よく知ってるじゃん。ブルーム」

 「そりゃあ、(あおい)が作った武器はボクも持っているから。!?来るよ!ゴブリンだ!」


 懐かしい名前と共に現れたのは、ゴブリン。別名小邪鬼。亜人属に類しているはずだが、どうにもフィーアでは、人間ではない者は、等しく非人(あらずびと)と呼ばれている。

 此処の人間達は、人間以外の種族が存在するせいか、人間以外の種族を蔑み、人間を尊いものとして扱う傾向にあるらしい。


 (郷に入っては郷に従えって言葉もあるけど、どうにもそこには賛同したくないんだよね)


 嫌なこと思い出したなぁと、虚華は顔を顰める。けれど、直ぐに目の前のゴブリンを見据える。

 ゴブリンは、集団で獲物となる生物などを囲み、討伐することで食糧にする習性を持っているらしく、基本的には複数で群れて行動している。

 姿は高く尖った鼻に、人間よりも長い、エルフのような長耳を持つ。肌の色は赤色から緑色、住む場所によっては土色のものまで多彩だ。

 目の前のゴブリンは五匹。内、四匹は手に硬そうな棍棒を。残りの一匹だけは血で刀身が錆びた片手剣を我が物顔で振り回している。

 服もなにかの毛皮を腰に巻いている辺り、人間ほどではないが、知識などはあるのだろう。目の前で邪悪に口角を釣り上げて、ケケケと笑っている生物(ゴブリン)に虚華は悍ましさまで感じだしている。


 そんなゴブリン達を見ていると、剣を握ったゴブリンを中心に、どんどん自分達の領域を狭めてきている。このままでは五匹から集中砲火を受けて、今夜の晩御飯が〜虚華の丸焼き、リンゴソースを添えて〜になってしまう。流石にそんな料理にされるのはゴメンだ、と虚華はゴブリン達を睨み付ける。


 「このままだと不味い。コイツラを倒そう。行けるよね?ホロウ?」

 「う、うん。頑張るけど、自信ないなぁ」

 「じゃ、中央の剣持ちはホロウ、右半分はあたし、残りはブルームで」

 「さっさと沈めるぞ!!」


 臨の合図を皮切りに、臨は左側の二匹を剣の一振りで距離を開けさせる。雪奈は右側の二匹を風属性の魔術で吹き飛ばし、木にぶつける。

 虚華は消去法で、目の前で邪悪に笑う、他よりも少しサイズの大きいボスゴブリンに拳銃を向ける。

 極度の緊張の中、その緊張が虚華の顔から徐々に溶けていく。そして、目の前のボスゴブリンよりも邪悪な笑みを浮かべる。

 その様は先程虚華が言っていた、二人のように瞳がギラついている。という表現が虚華にも言えるようになった。虚華の灰色の瞳が、赤色の光を放つ。


 「此処から先、お前如きでは、私の“嘘”からは逃れられない」

 

 虚華は、両手で握っていた漆黒の銃「欺瞞」を左手に持ち、空いた右手を口元に添える。そして、激しい殺意を孕んだ瞳でボスゴブリンを睨んで、そう力強く言い放つ。右手を再び銃を添えるように握ると躊躇いも無く、弾丸を急所目掛けて狙撃する。

 

 その様を見て、虚華が戦闘を怖がっているなんて思う人間は誰も居ないだろう。臨も雪奈もふふっと虚華の変貌に笑みを浮かべ、目の前の獲物に視線を向ける。

 急所を目掛けて放った弾丸は、肩を掠める程度の精度ではあった。が、それでもボスゴブリンの戦意を、先制攻撃を防ぐという意味でも、十分と言える一撃であった。

 その一撃に怯んだボスゴブリンが、少し遅れて刃を振るって虚華に襲いかかる。それなりの距離を大股で跳躍し、急速に距離を詰める。

 

 「穿け!「欺瞞」!!」

 

 虚華以外には扱えない漆黒の銃「欺瞞」は虚華の声に呼応して黒い光を仄かに輝かせ、応えるように弾丸を標的目掛けて放つ。放たれた弾丸はボスゴブリンの両肩、両膝の四点を綺麗に撃ち抜く。

 獣が穢れた血を振りまいて、少し後ずさる。獣は体がまだ動くことを、確認して再度虚華を見やる。右手で頭を抑えて笑う虚華を見て、怯む。

 ボスゴブリンは思った。あれは、本当にさっきまでの気弱そうだった虚華(人間)だったのか。自分が今相手にしているのは、悪魔かそれに類する者なのではないか。そう思った獣は、残り四匹と共に逃げようと、辺りを見る。


 既に残りの仲間などは居らず、全員が血を吐き、斃れている。

 優雅に口元を拭った女の仕草は、まるで獲物を食い散らかした化物が同胞の腰巻きで血を拭ったように見えた。

 笑顔でこちらを見ている男の表情は、ボスゴブリンも同じ目に合うのが楽しみだなぁと、そんな悪意に満ちている顔をしているように見えた。

 そんな二人が、先程とは真逆に、自分を中心に囲うようにこちらへと不敵な笑みを浮かべながらジリジリ寄っている。このままでは、自分達が得意としている囲い込みで、自分が殺される。


 「がああああああ!!」


 意を決したボスゴブリンが、虚華目掛けて剣を振り回し襲いかかる。それを見た虚華は、つまらなさそうに、銃口を脳天目掛けて構える。右手に口を添えて“嘘”を放つ。


 「|“貴方に慈悲を上げましょう、優しく眠ることを許します”《燃え尽きろ、お前に安息の時間は与えない》」


 トリガーを引き、放たれた弾丸には黒い炎が纏う。着弾したボスゴブリンの身体は瞬く間に、黒い炎に喰われて消え去ってしまった。

 ボスゴブリンが消え去ったのを確認すると、虚華の瞳からすぅうっと赤い光も消え失せてしまう。

 怯えた瞳をしていた少女が、目の前の惨状を目の当たりにする。正面には雑食の肉食獣が焼ける匂いで、虚華は鼻が曲がりそうになるのを鼻を摘み、抑える。

 

 「今の……黒い炎は……」

 「ホロウ、今のは付与系統の魔術に近い、属性は闇」

 「そ、そうなの?」

 「ん。“嘘”で出せるのなら、練習すれば、ちゃんと使える」


 ボスゴブリンの大半が燃えていくのを見守っていた虚華に、臨と雪奈が駆け寄ってくる。

 目を輝かせながら虚華を見つめて、先程の戦闘で出た黒い炎の解説を興奮気味に訴えている。

 虚華はその際に、二人が斃したはずのゴブリンをちらっと見る。臨が殺めたモノは、首が刎ね落とされている。雪奈が担当していたものは、言葉にし難いが、歯向かうとこういう目に合うのかなと、底知れない恐怖感を煽るような殺し方をしていた。


 「明日以降、時間あれば、ホロウの事調べたいかも。闇属性への適正?……「欺瞞」に何か……?」

 「うん、分かった。クリムの気が済むまで付き合うよ。私の為だもん」

 

 虚華にきゃーっと抱きつくと、虚華はすぐに引き剥がす。不服そうな雪奈は自分の世界に浸り出し、独り言をブツブツと言いながら何かを考えだした。その独り言の中に、葵の名前が出てきた。虚華の愛銃達の製作者の名前だ。その上、自分達の仲間の一人で、鍛冶師をしていた。


 (フィーアでも、鍛冶師してるのかなぁ。琴理(ことり)……)


 ふとしたきっかけで、昔失った仲間の名前を聞いた虚華は、葵に会いたいなぁと思いながら帰路につく。

 貰った三丁の銃を未だに扱いきれていない虚華は訓練を重ねて、三丁とも扱えるようにならなきゃならないなぁと、臨の道案内の通りに道を歩む。

 キチンとゴブリン達を斃した証である耳を剥ぎ取り、本来の目的物である三種のキノコを携えて、ギルドへ戻った。



________________


 その後、虚華達は“薄氷”に戻り、依頼報告を済ませ、報酬を受け取る。無期限依頼のゴブリン退治の証拠の耳を持ち帰った結果、想定以上の報酬を得ることが出来た。

 受付担当していたリオンは、目を点にしており、セエレは青筋を立ててリオンに拳骨をかましていた。何故自分が宥めているんだろうと思いながら、リオンを庇い、事を荒立てないようにして、ギルドを出る。

 今は、その一連の出来事が終えた後の夜だ。二人が寝静まった部屋の隅で、今日起きた出来事を日記のように纏めている。


 さっきのボスゴブリンに圧勝していたように、二人には見えていたようだったが、実際に自分が勝てるかどうかは五分五分だった。

 ハンドガンの「欺瞞」は持ってこそ居るけど、あくまで護身用に持たされたもの。ディストピアでは実際に発砲したことは数度だけだった。大半は対象を脅したりする時に使うときのほうが圧倒的に多かった。

 勿論、こういう自体に備えて、事前に発砲の練習はしていた。だから、狙撃自体はできていたとは思う。

 でも動く対象に当てる自信は一切なかった。そういった意味でも、勝率はかなり低いと思っていた。


 雪奈は自分が、“嘘”で黒い炎を出して燃やして殺したという。確かに自分でもそう見えたけど、それはおかしいと断言する。“嘘”には確かに現実改変の能力がある。けれど、あの力はそんなに万能じゃない。

 あの力の代償で死にかけたこともあるし、現に私達はディストピアという世界を敵に回した。


 自分のこの“嘘”は対象、範囲、時間の三つを指定してから、どんな内容に改変するかを決定して、発動するものだ。

 例えば、先程のボスゴブリンならば、対象がボスゴブリン。範囲はボスゴブリンの全身から周囲30cm、時間は三秒にしておこう、内容はボスゴブリンが動けなくなる。というものにする。此処まで決めて発動させるのに、代償の体力や魔力などを支払って初めて発動させる。

 その際には、かなりの神経もすり減らす。弾丸を動かない的に撃ち込むだけで良いから、その点は楽だが。

 更にもし仮に、自身の身に余る“嘘”を使えば、代償として支払う魔力等が、全て自分の体内から消え失せて死ぬ場合もある。実際に一度はその理由で死にかけたこともある。だからこそ、あまり過剰には使用したくない。


 その他にも、様々な制約が“嘘”には含まれている。その一つに“嘘”で対象を直接殺めてはいけない。とかがある。もしそういった事をすると、代償に対象が受けた痛みなどを、自分にもフィードバックさせてくる。


 (人の腕が消し飛ぶ、なんて嘘をついた日には、私は腕を無くす覚悟をしなければならない)


 だからこそ、先程のボスゴブリン戦はおかしいものだった。自分は確かに“嘘”を使った。けれども、代償も無く、目の前の事象はルール違反だった。いや、実際には違反していないのかも知れない。それでも、あの事象を自分で調べておく必要がある。

 もっと強くならなきゃならない。あの力が何だったのか、究明しなければならない。だって。


 (“嘘”は切り札だから、切り札。ジョーカーは最期まで隠してこそでしょう?)


 虚華は寝静まった二人を眺め、決意を新たにしながら窓辺に立ち、月を見る。

 どんなに血に塗れたとしても、自分が弱くても、失ったものは失わないように覚悟を新たにした。

 












何故か、大切な嘘を使う場所だけルビが触れなかったので、問題が解決するまではこのままにさせて下さい…。

折角の格好良いシーンが此処だけ変換できないのがギャグにならないと良いですが…。

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