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アイラはかまわれたい

 パーティーワールドヒーラーとエリスは海岸でキャンプを続けた。


 基礎訓練はみんな終わり、全員魔物を倒しながらの実践訓練を続ける。


 海岸は狩りには適していた。


 とにかくカニが多く、魔物探しには困らなかったからだ。


「たくさんカニが居るよ!」


 俺の腰ほどの大きさのカニが大量に海岸を占領していた。


 サーラがバリアショットを放ち、1発で3体のカニを貫通させて倒す。


「サーラ、大部バリアショットに馴れたな。これから二丁拳銃で戦った方が良いと思うぞ」


「迷っていたのですが、決心がつきました。二丁拳銃で戦ってみます」


「そうしてくれ。ダメだったら元に戻せばいいだけだ。どんどん試して欲しい」


 俺はサーラの頭を撫でる。


 前でアイラは順調に魔物を斬り倒していく。






 マリナは炎の魔法でカニを倒し、更に状態異常の魔法で同士討ちを狙う。


 カニの水属性魔法を炎の壁で難なく防ぎ、その姿は余裕さえ感じる。


「マリナ、炎で水魔法を防ぐのはいいんだけど、炎の壁が大きすぎる。もっと魔力を節約することを考えて戦って欲しい」


「分かった。でも私がお姉さん」


「そうだな」


 俺はマリナの背中に手を回す。


 前線でアイラはカニを難なく斬り刻む。






 エリスはアサルト型の銃を撃ちながら前に出る。


「エリス!無理に前に出なくていい!もっと安全な後ろから戦ってくれ」


「ですが、わたくしだけ後ろに隠れて戦うのは悪い気がしますわ。それにサーラも前に出ていますのよ」


「サーラの二丁拳銃とバリアショットは中距離寄りの性質なんだ。回復要員としてもあの位置になる。エリスは後ろからたくさん射撃をしてくれ」


 アサルトは長距離で戦った方が有利だ。


 それに今のエリスがカニに囲まれたら対処しきれないだろう。


 俺はエリスの手を握る。


「エリス、焦らなくていいんだ。エリスは強くなっている」


 アイラは踊るようにカニを攻撃する。






「サーラ、二丁拳銃でも大丈夫そうだな」


「ありがとうございます」


「マリナも炎の壁の効率が良くなってるぞ」


「私、出来る」


「エリス、後ろから戦った方が射撃に集中できるだろ?」


「そうですわね。前衛は皆さんにお願いしますわ」


 アイラは高速で敵を倒していく。





 ◇





 俺達はマジックハウスで昼食を食べる。


 だがアイラの機嫌が悪い。


 全員がアイラの異変に気付く。


「アイラ?どうしたのですか?」


 サーラが声をかけた。


「私だけ放置されてるよ!」


「アイラは優秀だからな。直す所が見つからないんだ」


「そうですよ。アイラは順調に強くなってますよ」


「アイラ、すごい」


「アイラがうらやましいですわ。わたくしも強くなりたいのですわ」


 皆がアイラを持ち上げるが、アイラは不満を隠さず、牛ステーキをもきゅもきゅとほおばる。


「アイラ、アイスクリーム、食べる?」


「・・・・・食べる」


 



 アイラはステーキを食べ、アイスクリームをたくさん食べるが機嫌が直らない。


 ステーキとアイスを食べても機嫌が直らないだと!


 おかしい。これはまずいぞ!


「明日は休みにしてアイラの為にパーティーを開くのはどうだ?」


 アイラが俺に注目する。


「そ、そうですわね。明日は休みにしてアイラのパーティーを開くのですわ」


「アイラは明日何が食べたいですか?」


「朝はフレンチトーストとホットミルク、お昼は、う~ん」


 機嫌が直ってきたぞ。


 本当にかまって欲しかったのか?


「明日までに考えておいてくれ。午後も魔物狩りをしてこよう」


「そうだね。早く行こうよ!」


 アイラは走って外に出た。


 アイラの機嫌は完全に直る。


 俺たち全員は顔を見合わせた。


 アイラ、子供みたいだな。





 ◇





【次の日の朝】


 アイラが起きると皆が待ち構える。


 朝食はフレンチトーストとホットミルク、それにアイスクリームだがアイラの席の食事だけ3倍にしてある。


 そして暑がりなアイラの為にマリナは冷風をアイラに発生させた。


「涼しくて気持ちいいよ」


「それではこれからアイラパーティーを始めますわ」


 アイラは満足したような表情を浮かべた。





 食事が終わるとマリナが冷風を当てながらマリナとエリスでマッサージをする。


「お昼は何が食べたいですか?」


「ハンバーグとオムライス、後はプリン」


 全部子供が好きなやつ!


 子供か!


 でも他のみんなも楽しそうだからいいか。


 その後、俺から新しい剣をプレゼントした。

 更に柑橘系の匂いをつけた風呂とサウナを用意し、女性陣全員でアイラをオイルマッサージした。


 結果アイラの機嫌は完全に直った。







「提案なんだけど、定期的に休みにしようか。」


「そうですわね。たまには飲み会をしたいですわ」


「分かった。休みの前の日の夜にやろうか」


「私、冷風出す」


「そうだな」


 マリナは皆に喜ばれて味を占めてるな。


 こうして海で遊んだり、定期的に休みを入れることで、キャンプ生活は半分バカンスとなった。



最後までお読み頂きありがとうございます!少しでも面白いと思っていただけた方はブクマ、そして下の☆☆☆☆☆から評価をお願いします!

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