プロローグ
『If you can dream it, you can do it.』
この言葉は、ウォルト・ディズニーが述べた言葉である。
この言葉の意は『夢見る事が出来れば、それは実現できる。』
ウォルト・ディズニー氏が行った偉業は余りにも有名である。
アニメータとして脚本家として映画監督としてエンターテイナーとして、彼は苦難の中にも夢を見続け、その夢を実現させたのだ。
そんな彼の残した言葉。これは、ただならぬ人間にしか出来ない事ではある。
しかし、それを実現する人は数多くいる。
平和な世を再び全世界を戦火が包もうとも...
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『神々の黄昏』
この争いの果てない地球で起きた、世界を震撼させた事件。
神々の行った行為である以外に、説明のつかない出来事。そのため、北欧神話にちなんでそう呼ばれ始めた。
その事件は、世界に15個の門が開かれ、獣人や魔族と呼ばれる人型の生物が侵攻してきた。
人間は必死であらゆる兵器を使い抵抗した。
人間の抵抗むなしく、ただ蹂躙されるだけになった。
彼の生物たちは、科学の根幹をも揺るがせかねない力を持っていた。それが、魔法や異能と呼ばれる力だ。
獣人や魔族の中には人間とよい関係を結ぼうとした者もいた。彼らは、軍隊から追い出され人間によって捕虜となった。
彼らの中には、自分を追い出した獣人や魔族に復讐するために人間に協力する者も現れ始めた。
地球を調査するために送られてきた研究者の魔族の協力によって一部の人間たちは異能を使うことができた。
彼らの体内にはその他の人間にはない器官があった。その器官には、事捻力と呼ばれる力の源を蓄え、作り出すことができる。
そんな彼らのことを人々は『資格者』と呼んだ。
資格者は、位階によって分けられており、第九位階から始まり最高が第一位階となっている。この位階の差は絶対であってどんなに下の位階が抗おうとしても勝つことは難しいとされている。
これは、魔族の研究者の尽力によって作り出された『測定水晶』と呼ばれるバスケットボールほどの大きさの透き通った水晶玉によって判別された。
これは、大量に生産され各地に配備されていった。
神々の黄昏は、新たに組織された統一連合とよばれる組織によって、世界で一丸となり資格者達を募り立ち向かった。
その中でも目覚ましく活躍をした、世界にたった七人しかいない第一位階の七英雄と呼ばれた資格者達によって世界は勢いづき、門は閉ざされた。
その後世界は、アメリカを中心とした統一連合、ヨーロッパを中心としたリッシュルーア帝国、南アメリカとアフリカを中心としたアングルス連合国が、資格者を戦争の道具として用いて戦争を開始した。
資格者を戦争の道具としたことに憤った人々が、イークウォル国をリッシュルーア帝国旧ロシア連邦領のシベリアに建国した。
彼らは、この世界で頂点に立ちたいという願望のために自分以外の資格者を使い潰している、七英雄の子供である統一連合の統一連合総長である第一位階 ガファル・フォード・ストレシア、リッシュルーア帝国の皇帝である第一位階 クラッファー・リッシュルーア、アングルス連合国の統合王である第一位階 ラックス・ナッシュの三人の蛮行を止める為に戦争に参戦した。そして、世界は泥沼の戦いへと向かっていった。
◇
そして、2100年。
二十二世紀になったこの年まで、戦争の影響で、世界の技術は停滞してきた、そのため某猫型ロボットのような物ができることもなく、VRゲームやAIが発展することもなかった。
世界は未だ戦争を続けている。
そして、この年に歴史が動き始めた。
この世界に、一人の少年が生を受けた。彼は、統一連合領旧日本国人のような漆黒の黒髪と曇りのない黒の瞳をした華奢な少年だ。彼の名前は、ユーキ・コーデシア・フォン・ルック。
しかし、彼自身はその名を知らない。
彼は、静かに雪の降る寒空の下、ゆりかごの中にあった一本の鋭く尖ったタクトを握りしめて眠っていた。
そんな彼を静かに眺めるのは、不自然に背中の膨らんだ一人の初老の男性だった。
彼は、このイークウォル国の総司令官である第一位階 フェファーン・ルイス・ロマーノに、師と慕われる人物だ。この世界で、位階の差は絶対であると言われている。そのため、彼も第一位階に匹敵するような人物であろう。名は、フィアル・コーパスクという。
◇
2115年四月
高緯度なため、春の陽気が一切感じられない寒空の下。今年で十五歳となる黒髪の少年と桃色の髪をストレートにした少女は、並んで、広大な敷地に建つ巨大な校舎へと歩みを始めた...
この世界は歩み始める。彼らの夢ーー両親の願った世界を実現するために...
読んでいただきありがとうございます。
誤字脱字あったらぜひ教えてください。