表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/36

第7話

【詳しいダンジョンの仕様は、転生先でダンジョンマスターになった際、解る】

 転生の間で、光の玉がそう言っていたことは、本当だったようだ。




 ゆっくりと虹色の光に包まれて、視界は美しい光の乱舞に覆われる。

 それと同時に、光が昔話を語るように、ダンジョンのあらゆる知識を、俺の中に広げ、染み込ませ、刻みつける。




□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■




 虹の光曰く、


【もともと、ダンジョンコアとは、亜神の魂の欠片のことである】

【遥か昔、神話の時代、その本質が悪へと傾いた亜神が、神に挑み敗れた】

【その時、亜神の魂がバラバラになったものがダンジョンコアへと変質した】

【ダンジョンとは、そのダンジョンコアを中心に、領域として形成されたものである】


 亜神の魂?

 俺と融合していると言う話だったが大丈夫か?

 しかも、いままさに融合の最終工程中なのでは?

 まあ、バラバラになった一部なら大丈夫なのか?

 神様が行うわけだし、俺には最早どうにも出来ないし。


【亜神と神の戦いの後、神々に回収された亜神の魂である、ダンジョンコアは、転生の間にて、転生者にダンジョンマスターとしてポイント交換され転生者の魂と融合する】

【ダンジョンマスターに譲渡される際、亜神の魂に刻まれた、亜神の記憶、その他一切は消去されている】


 良かった。

 悪影響は取り除かれて、プラス効果だけと思っていいようだ。

 いや、そう信じてますよ?


【しかし、回収されずに神々の手から逃げ切った亜神の魂の一部は、その記憶その他一切を不完全ながら保持しており、モンスターなどの魂と融合して、コアを形成し、ダンジョンを生み出す。これを、転生者のダンジョン、転生ダンジョンと区別して、亜神ダンジョンと言う】


 俺は、転生ダンジョンのマスターという訳か。

 しかし、亜神ダンジョンなんてものが存在するのか……。


【そして、ダンジョンは、成長する】


 成長?

 大きくなったり、強くなったりするのか?

 でも、そもそもどうやって成長するのだ?


【通常、モンスターや魔物と呼ばれるものは、死ぬと魂は肉体から解放されるが、自らの持つ魔力は逆に凝縮され、体内に魔石として残る】

【しかし、それ以外の、人間やその他の亜人や動物などは、死ぬと魂は肉体から解放され転生の間に行き、自らの持つ魔力は死後拡散する】

【簡単に言えば、モンスター・魔物は、死後、魔力が凝縮し魔石化、それ以外の存在は、死後、魔力が拡散する】

【ただ、人間やその他の、魔力が死後拡散する者達。この者達の魔力は、正確には『聖力』と呼ばれる】

【一般的には区別されないし、死後、魔力の凝縮する者か拡散する者か以外、区別する必要も無いが、厳密には魔力とは若干違うものとされる】

【この人間やその他の、魔力、別名『聖力』を、ダンジョン領域内においては、拡散させずにダンジョンが吸収することで、力を得て、成長する】

【また、別の方法としては、他のダンジョンコアを吸収する方法もある】


 『聖力』? まあ、区別の必要は無いといっている以上、魔力でいいか。

 人間たちの死後拡散する魔力を吸収するのか……。

 魂を吸収するとかではなくて良かった。


【そして、亜神ダンジョンは、理由は不明ながら、積極的に成長しようとする。人間などを集めて殺し、『聖力』を吸収するため、宝箱を用意したり、ダンジョンの機能として、特殊な鉱物を生み出す鉱山地帯をダンジョン内に用意したりする。

 また、亜神ダンジョンは凶悪化しやすく、モンスターも強く、他のモンスターに比べて、残忍な戦い方をする。

 更に悪いことに、他のダンジョンに遠征して、ダンジョンコアを回収し、自らのダンジョンに吸収することで、その強化を図る。】


 他のダンジョンに遠征?

 もしかして、俺のダンジョンも標的になるの?

 しかも、ダンジョンコアの回収?

 要は、盗むか、ダンジョンマスターを殺害して強奪ってこと?


 ゆ、許せん!

 全力だ!

 全ての力を振り絞ってやるぞ!


 最高の力で、全速力で逃げてやるんだ!


 良かった、動く天空島で。

 地上のタワー型や地下の洞窟型だったら、逃げるに逃げられん!


 転生の間での俺、偉い。


【ダンジョンコアが取り除かれた天空島は墜落する】




 ……え?




 ……いまとんでもない事が聞こえたような?


 …………し、仕方あるまい。


 そりゃ、天空島型だけ有利ってことは無いよね?

 弱点ぐらいあるさ。

 ……人生甘くないってことだね。


【ダンジョンレベルは、ダンジョンマスターのレベルと同等である】

【なぜなら、ダンジョンはダンジョンマスターの一部と解されるからである】

【ダンジョンマスターのレベルを上げるには、原則的に、ダンジョンの成長、すなわち『聖力』を吸収するか他のダンジョンコアを吸収する以外、方法は無い】


 ダンジョンは俺の一部なのか。

 俺がダンジョンの一部だと思っていたが。


 それよりも、レベルの上げ方が問題か。

 おれ自身のレベルを上げるとしたら、領域内で、人間やそれに類する者、ここではエルフやドワーフの亜人かな? を、殺すか、他のダンジョンのコアが必要なのか……。


 ……重いな。

 まあ、地球でも、他の牛や豚の命を頂いて、自分のエネルギーにしていたわけだが……。

 あれ、『聖力』ってことは、ダンジョン領域内で死ぬのは、動物でもいいのかな?

 魔物やモンスターでなければ、魔力は拡散するわけだから、たぶんそうなのだろう。


 でも、魔物とモンスターって、区別あるのか?

 同じものなのか、明確な違いがあるのかさっぱり解らない。

 まあ、どうでもいいことだが。


【ダンジョンマスターは、魂の融合、最終工程において、ダンジョンに運営に必要なダンジョン魔法を覚える】

【まず、モンスター創造魔法】

【ダンジョンで生まれるものはモンスター、それ以外で生まれるモンスターを魔物と言うため、この名がついた】


 ……いきなり、答えが出たよ……。

 しかし、ダンジョン魔法か?

 運営に必要なって事は、他のタワー型や洞窟型とかと、ダンジョンの特色上、各々、違う魔法もありそうだな。


【ダンジョン領域内すなわち、天空島の中であればどこであろうとも、ダンジョンマスターが指定する場所にモンスターを生み出せる】

【これは、天空島型ダンジョンは城だけでなく、島自体がダンジョン領域である事を意味する】

【創造できるモンスターの頻度・強さ・数などは、ダンジョンマスター自らの魔力量に依拠する】


 便利そうだ。

 後でどれほどの規模で可能なのか要確認だ。


【そして、ダンジョン移転魔法】

【ダンジョンコアルームに、ダンジョンマスターは転移できる。ただし、転移には本人の魔力などが必要とされ、魔力量により距離などに制限がある】


 これも便利そうだが、どれほどの距離が可能か……

 やはり、要確認か。


【念動魔法、手に触れることを必要とせず物その他を……】

【浮遊魔法、魔力を効率的に使い物質その他を……】

【ダンジョンコアに、外の様子を映し……】

【ダンジョンの宝物の間は・・・・・・】

【ダンジョ・・・・・・】




 光の玉のように、長々と続く虹の玉(ダンジョンコア)の説明。

 ――玉系は説明長いのかな?

 などとため息交じりに考えていたら、急に不思議な力が俺の中に流れ込んでくる。

 その力は、じんわりと俺の中に広がって行き……。

 まるで、最高のマッサージを受けるかのような、気持ちよさ。

 それは、真冬に暖かい布団に包まれるかのような、気持ちよさ。

 あたかも、極上の湯船に浸かっているかのごとく感じる、気持ちよさ。


 ……どれほどの時が流れたのか。

 もう、時間すらも解らなくなってきた。

 大きなエネルギーと自分が混ざり合う不思議な感覚が続く……。

 ……。




 ゴウンッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




 爆音と共に、衝撃が俺の体を駆け抜ける!


 と、同時に視界が変わる。

 頭がクラクラとして、眩暈がする。

 上手く焦点が合わない。


 強烈な熱さが足を襲う! なんだっ!


 何が起こって……。

 俺が混乱の極みに達しようかという時、視界に現実離れした光景が入って来た。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ