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大竹 明菜の非日常な日常  作者: Keola
非日常の入り口
5/7

覚醒

あらすじ:変身なう




紅。炎のように荒く、それでいて美しく。

彼女の瞳は…紅く染まっていた。


さらに首元より少し長いくらいの黒髪もまた炎を踊らせるかのように紅く染まっている。


そして何よりも。


赤と金色に彩られた絢爛な浴衣。


その右手首には、やはりあの水晶のブレスレットがあった。


見た目の変化はこれくらいだろうか。

だがその紅眼を細めて怪獣を睨みつける彼女は、派手に変わった見た目以上に、強烈な闘気で怪獣を圧倒していた。


不意に明菜は右手をしたから勢いよく振り上げる。


瞬間、怪獣は後ろに跳んだ。

理由理屈ではない。

なにかくる、という野生的本能が、突如として地面から噴き出した大量の炎を躱させたのだ。


地を割って噴き出したのは天まで届くような炎。

建物でいうと4階あたりまで上がったそれは、消滅せずに、だんだんとその形を変えていく。


まるで生きているかのように波打つそれに、怪獣は生まれて初めて恐怖を覚えた。


そしてその恐怖が、この攻撃をしたと思われる明菜を消せばいいという結論に辿り着くのにそう時間はかからなかった。


奴を殺さなければ。

地面が崩れるくらいの力を込めて怪獣は地を蹴り出すと、その巨体からは想像できないような速度で明菜に肉薄する。


しかし明菜は右手を振り上げたまま微動だにしなかった。


動かない獲物ほど楽なものはない。

怪獣は高々と振りかぶった右手を振り下ろし、明菜を

まるで虫けらのように地面に叩きつけた。


耳が割れるような轟音が鳴り響く。

それは崩れかけのスーパーを跡形もなく崩し、あたりに転がっている自動車をもあちこちに吹き飛ばす程の衝撃。


怪獣は安心したのか、たったいま自分が作りだした巨大な穴に背を向けのそりのそりと歩き出した。


が。


ふいに怪獣は頭上に凄まじい熱を感じ、上を仰ぐ。


そこには。


陽光に光り輝く荘厳な出で立ちの龍が凶悪な炎牙をむき出していた。


まるで蛇に睨まれた蛙のように動けなくなってしまった怪獣は背後から足音が聞こえても尻尾で振り払うことさえできなかった。


そして足音の主は怪獣の真ん前に回り込む。

その正体は言わずもがな、傷一つついていない明菜である。


その時、明菜の足は赤光をまとっていた。

その光はだんだんと輝きを増し、明菜が膝をたわめて跳んだ瞬間に、炎を伴って弾ける。


即ち、明菜は爆発を利用して上空へ跳んだのである。


そうして高く跳び上がった明菜は、空に浮かぶ龍のすぐ下まで到達すると、怪獣の拳を受ける以前から伸ばしていた右手を、龍に合図を送るように空中ですばやく振り下ろした。





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