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大竹 明菜の非日常な日常  作者: Keola
非日常の入り口
1/7

遭遇

大竹 明菜は市内の中学校に通う平凡な女子生徒。


で、あるはずだった。

そう、近所のスーパーにお使いに行くまでは。






「あーあー…お使いめんどくさいなぁ」


買い物を頼む母と押し問答を続けて15分。

カレー作ってあげるから!の一言に明菜は自らのお腹の虫と臨時会議を開き、結果しぶしぶ買い物に行くことを決意したのであった。

面倒なことはさっさと終わらせよう。


(この坂を上がれば、もうスーパーだ。)


明菜は、右手に握ったメモを一瞥すると、早く晩御飯にありつきたい一心で足を速め、急勾配な坂を上りきった。


と、その時。

耳を(つんざ)く爆発音。

そして目を焼くような閃光。


一瞬にして砂埃が立ち込め、明菜は腕で顔を庇い膝をついた。


耳鳴りも収まり、ようやく五感が戻ってきた明菜が、明滅する視界に捉えた景色は…



割られたコンクリートに蜘蛛の巣状にひび割れた窓。


そしてその凄惨な光景の真ん中で凄まじい存在感を放つ何か。


砂埃のせいでよく見えないが、少なくとも明菜は3メートルに届くような体長に、トカゲのような尻尾を持った生物など知らない。


そしてその生物の周りに渦巻く砂埃が消えるとそこに立っていたのは。


怪獣。まさに怪獣だった。


ごつごつとした鱗のついた四肢は大木のように太く、

その凶悪性は、足元に無残に転がる軽自動車が教えてくれる。


そんな体躯(たいく)を持つ怪獣の顔に、風に乗って飛来した白い紙。それは上手い具合に怪獣の目を覆い隠した。


これは明菜にとってまぎれもないチャンス。

逃げるタイミングとしてこれ以上のものはないだろう。


しかし。


(う…うごけない…)


恐怖に足が竦み、明菜は惚けたようにその場に立ち尽くすしかなかった。

逃げようとしても動いてくれない自分の足。

そうこうしているうちに、怪獣に引っかかった紙は剥がれ、真っ赤な双眼が明菜を睨みつけた。









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