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そして自動人形は心を探す  作者: 刀祢凛子
第一章 機械仕掛けの少女は動き出す
4/9

第1部 地下シェルター

遅くなりました。

タイトルを「そして機械人形は心を探す」から

「そして自動人形は心を探す」に変更しました。

 俺は薄暗いところで目が覚めた。転生っていうことだったからテンプレートに知らない天井だ、とか言ってみたかったけど、どうやらそうは行かないらしい。

 壁にもたれ掛って座っている自分の体と無機質な床が見える。寒いから動きたいんだけど、体が軋んで思うように動けない。


「ここ、は?」


 とりあえず疑問を声に出してみたが、声を出すのも一苦労だ。一先ず行動は諦めて、現状を把握することにしよう。まあ、首すら動かないから分かることは少ないけど。

 まず自分の状態だが、体が動かないから細かいことは分からないがどうやら女のようだ。何がって俺の体が。いわゆるTS転生ってやつだ。立てないから身長は分からないが、全体的に細くて華奢だと思われる。

 次にこの世界についてだが、今いるところは地下シェルターらしい。これは俺の記憶にある俺のものじゃない記憶から分かった事だ。おそらくこの体の記憶だろう。それによると、この地下シェルターは196年前、小惑星の墜落で分厚い雲に覆われ冷えた地上から逃げるように作られたものだということ。その時、人類は人口の約7割を失ったそうだ。

 それから175年後、つまり21年前自分が作られた。言い忘れていたが俺の今の体は作られたもので、いわゆる自動人形オートマトンだ。

 そして8年前、謎の感染病により人形である自分を残して人類はほぼ全滅、6年前最後の一人も息を引き取った。この体の主は6年間の孤独に耐えられず、自らの意識を削除、つまり自殺をした。それが最後の記憶のようだ。

 それから何年たったか定かでは無いが、この記憶が確かなら人類はもう滅んでいるのだろう。転生して早々一人ぼっちって、そんな馬鹿な。

 と、あれこれ考えていたら、いつの間にか体が動くようになっていたので少し探索することにした。


「よ、いしょ」


 掛け声とともに一気に立ち上がると身体から大量の埃が舞い上がった。


「けほっ、けほっ……ふぇえ~。どんな長い時間座り込んでたんだよ、けほ」


 それにしては身体のどこかが傷んでいる様子はないし、ほとんど人間にしか見えないし、すごい科学力だったんだなぁ。もう誰も生きてないらしいけど。


「とりあえず扉的な何かはどこ?」


 まずはこの薄暗い部屋から外に出ないことにはどうしようもない。扉はどこだ。


「お、扉はっけーん。あれ?」


 壁をつたって歩いていてやっと扉を見つけたのだが、開かない。押しても引いても動かない。スライドもできない。どうやって開けるんだ?力技で開くかな?


「ふぐぐぐぐ、ほりゃあああっ!!…………はあ、はあ」


 力みすぎて変な声が出るほど踏ん張ったがピクリともしない。どうやったら開くのだろうか?ふと扉の横にキーボードらしきものがあるのに気付いた。が、壊れているようで反応しなかった。外側から開くかとも一瞬考えたが、人間は絶滅してるから外側から開ける人がいない。

 つまり。


「閉じ込められたってこと?」


 なんてこった。他に自動人形オートマトンが動いてりゃそのうち見つけてくれるかも知れないけど、一体どれだけ待てばいいんだ?

 俺はしばらく、どうにかここから出られないかといろいろと試した。

 通気口から脱出……狭すぎて入れない。窓から……そもそも無い。壁に穴を……硬すぎる。

 奮闘むなしく力尽きた俺は、埃を隅に払いのけ少し綺麗になった床に寝そべる。


「だめだ、出られない。誰かここから出してー」


 俺のつぶやきはむなしく暗闇に吸い込まれて消えていった。

説明するのって難しい。

タイトルは前の方がいい、と言われたら戻します

誤字脱字などありましたら修正します。

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