第八十一章
姉は母を連れて去った。彼女たちは一体どこへ行ったのか。
この問いはアイウェシルの頭の中で長く渦巻いていた。しかし彼女には答えを探す時間がなかった。
各部族が派遣した偵察隊が、ある知らせを確かなものにしていた——敵がエルフ族全体の殲滅を目指していると。
彼らはもちろん恐怖した。
もしアイセロンが虐殺されれば、次は自分たちの番だ。
そこで各部族はその後、次々と返事を寄越し、できるだけ早く軍隊を派遣すると約束した。
だが、一つ条件があった。
「空のエルフが出兵しないのであれば、我々としても多くの兵を出すわけにはいきません。何しろ空のエルフの戦力は、全部族を合わせたよりも高いのですから。人数もそうです」
アイウェシルと共に帰還したほぼ全てのエルフ使者が、大殿で口にしたのは同じ言葉だった。
「どうかアイウェシル城主、ご容赦ください」
「しかし我々が対抗しているのは二勢力だぞ!」
アイウェシルは王座に座り、その声には一切の婉曲さがなかった。
彼女は元来率直だ。彼女はサンタリアの主理者がどれほど恐ろしいかを知っていた。
つい数日前、審判廷の騎士団がアイセロンに迫っていた。
アイウェシルは城壁に立ち、その銀白色の奔流が地平線から押し寄せるのをこの目で見ていた——旗は風にはためき、甲冑は陽光の下で冷たい光を放ち、蹄の音は整然と響いていた。
そして、全てが変わった。
騎士団の足元に、突如として巨大な盤が現れた。
それは何の前触れもなく出現した。
ついさっきまで普通の荒野だったのが、次の瞬間には白黒の格子が地底から生え出たかのように、視界全体を覆い尽くしていた。
64の格子、一つ一つが十頭の馬が並んで立てるほど広い。
境界線では灰色の炎が燃え上がり、熱くはないのに、空気を歪ませていた。
空は戦の煙に覆われ、陽光は濁った鉛色に変わっていた。
アイウェシルの呼吸が一瞬止まった。
そして彼女はポレモスを見た。
サンタリアの主理者が城門から駆け出し、蹄が石板を叩いて火花を散らす。
彼は材質も分からない甲冑を身にまとい、手には銀灰色の長槍を握っていた。槍身は無数の細かな歯車が噛み合ってできており、陽光の下で冷たい光沢を放っている。
彼の蹄が盤に触れた瞬間、世界中が静まり返った。
騎士団の団長が何かを叫んでいる——アイウェシルには音は聞こえず、ただ口が動いているのが見えただけだ。彼の表情は威厳から困惑へ、困惑から恐怖へと変わっていく。
しかし彼は言い終えなかった。
盤上の白黒の格子が突然、光を放ち始めた——半分だけが輝き、残りの半分は闇に沈んだ。
ポレモスは輝く方の半分の中央に立ち、盤に選ばれた駒のように見えた。
そして、騎士団は分断された。
アイウェシルにはその詳細な過程は見えなかった。
盤の外縁の灰色の炎が、生きた幕のように全ての細部を覆い隠していた。
格子の間を動くぼんやりとした影しか見えない——ある者の足元の格子が輝き、ある者の足元の格子が暗くなる。
輝く方の半分では、傀儡たちが整然と動く。暗い方の半分では、騎士たちは琥珀に閉じ込められた虫のように身動きが取れない。
誰かが目に見えぬ力で馬上から引きずり下ろされ、誰かが隊列の最後尾に押しやられ、誰かが抵抗しようとするが、体は釘付けにされたようで、もがいても無駄だった。
盤の中央に、灰色の炎が燃え盛る川が突然現れ、盤を真っ二つに分けた。
炎は高くはないが、人に本能的に後退させたくなる——それは普通の火ではなく、意志さえも焼き抜くものだ。
そして、彼女はそれらの傀儡を見た。
それらは灰色の炎の中から歩み出てきた。まるで一本の糸に操られているかのように整然と。
最前列には8人の短槍を持つ軽歩兵、歩調は揃い、盾は並び、動く壁のようだ。
盤の両隅には、2人の重槌を持つ攻城者、槌頭は歯車と蒸気管が絡み合ってできており、見ているだけで重さが伝わる。
側翼には2人の双刃曲刀を持つ戦騎、刃には細かな鋸歯があり、灰色の炎に照らされて暗赤色の光を放つ。
高所には2人の灰色の炎の長弓を持つ射手、弓身そのものが炎で凝り固められており、矢じりには消えない灰色の火が燃えている。
そしてもう一人、双刃の長戟を持つ女武神が、ポレモスの脇に立っていた。
彼女は他の傀儡より頭一つ高く、長戟は彼女の手の中で軽やかな小枝のように見えるが、戟刃が空気を切る時には、暗赤色の残像を残す。
その後は、何も見えなくなった。
灰色の炎はますます勢いを増し、盤全体を鉄壁の檻のように包み込んだ。
アイウェシルには音だけが聞こえた——金属のぶつかる鋭い音、甲冑の砕ける鈍い音、何かが引きずられる摩擦音。
しかしそれらの音はすぐに止んだ。
彼女は城壁に立ったまま、どれだけ経ったのか分からなかった。
足は痺れ、指先は冷たくなっていたが、彼女は視線を外せなかった。
彼女は自分がこんな思いを抱くとは思わなかった——審判廷が勝ってほしいと願うなんて。
審判廷も同じくらい嫌な存在だ。ただの思想で一般人を惑わす教会に過ぎない。
しかしあの瞬間、彼女は彼らが勝ってほしいと強く願った。自分の敵がどれほど強大なのか、想像するだけで恐ろしかった。
灰色の炎がようやく消え始めた。
アイウェシルは息を呑む。
戦場には何も残っていなかった。
死体もなく、血痕もなく、砕けた甲冑の一片さえも残っていなかった。
あの騎士たち、あの馬たち、あの審判廷の旗——全てが消えていた。
ただそれらの傀儡だけが残り、最後の数体の死体を盤の端へと引きずっていた。その動作はまるで荷物を運ぶかのように整然としていた。
一つの死体の手が地面を掴み、土に浅い溝を何本か刻んでいたが、すぐに引きずり去られた。
ポレモスは盤の中央に立ち、長槍を斜めに地面に向け、その先には何も付いていない。
彼は顔を上げ、城壁の方を見た。
アイウェシルには彼が自分を見ているのが分かった。
空中に浮かぶ「蜂眼」——彼女は以前、何かの偵察装置だと思っていたもの——が今、まさに彼女の顔に向けられていた。
彼女はそれらの冷たい鏡面に映る自分の姿を見ることができた:顔色は青白く、唇は固く結ばれ、指は城壁の石を必死に握りしめている。
ポレモスは楽しんでいた。
この小さな衝突を、彼女の恐怖を。
そして彼はもっと多くのものを欲しがっていた。
その時、一筋の白光がサンタリアの街から空へと立ち上った。
雷は鳴らなかったが、雷よりも人を怯えさせるものだった。
その白光は針のように細く、しかしアイウェシルは本能的に目を閉じざるを得ないほどに輝いていた。
これほど遠く離れていても、彼女はその力の圧迫感を感じ取ることができた——温度でも音でもなく、もっと本質的なもの、何か存在がここを見つめているかのような。
ポレモスは顔を上げ、その白光を見つめた。
彼は長槍を収め、蹄がその場で二歩踏み、そして——頭を下げた。
審判廷の騎士団を蟻のように踏み潰した存在が、頭を下げた。
アイウェシルの心臓が大きく鼓動した。
彼でさえ頭を下げるもの……一体何なのか?
白光が消えるまで、彼は再び身を起こさなかった。
そして、蜂眼たちが動いた。
それらは四方八方から集まり、アイウェシルの前に巨大なスクリーンを組み上げた。
歯車が噛み合う音が聞こえ、スクリーンの縁の細かな紋様が光を放つのが見えた。
ポレモスの半身像がスクリーンに現れた。
彼はアイウェシルだけを見つめてはいなかった。
その目は城壁を越え、エルフの旗を越え、もっと遠くを見つめていた——オーケアノス港の方角を、同じようにこの光景を見つめる人魚たちを、息を呑んで待つ全ての人々を見つめていた。
「諸君」
彼の声が蜂眼から響き渡る。歯車が鉄の軌道を碾くように低く、しかし一言一言が聞く者の耳に鮮明に刻まれる。
「時間は用意する」
彼は一瞬間を置いた。まるでこの沈黙を楽しんでいるかのようだ。
「これが戦争としての、私から与える最も公平な恩恵だ」
彼の口元が微かに上がる。それは笑顔ではなく、むしろ確信のようなものだ。
「全力を見せてくれ。私は喜んで——」
彼は一瞬間を置いた。
「お前たち全てを敵に回そう」
スクリーンは消えた。
蜂眼たちは四方へ散っていく。使命を終えた鳥の群れのように。
アイウェシルはまだその場に立っていた。
指はまだ城壁の石を握りしめ、関節は白くなり、爪は石の隙間に食い込んでいる。
彼女はあの空っぽの荒野を見つめ、灰色の炎が消えた後に残った焦げ跡を見つめ、ポレモスが街へと背を向けるのを見つめた。
彼は「全ての人」と言った。
エルフだけに向けて言ったのではない。
全ての人に向けて言ったのだ。
カロンに向けて。人魚たちに向けて。まだ出兵を迷っている部族たちに向けて。
そして、彼女に向けても。
アイウェシルはゆっくりと指を緩めた。石には浅い傷跡が幾筋か残っている。
彼女は振り返り、城壁を下りた。
足音が石段に反響する。一度、また一度。一歩一歩が確かだ。
彼女は姉がどこへ行ったのか知らない。母が何を持ち去ったのか知らない。あの部族の援軍がいつまで経っても来ないことを知っている。空のエルフが出兵するかどうかも知らない。
しかし彼女には一つだけ分かっている。
ポレモスは時間を与えた。しかしその時間は長くはない。
それまでに、彼女は全てを整えなければならない。
ここでポレモスの能力が初めてお目見えしました。私、めちゃくちゃカッコいいと思ってます!「戦争」の欠片として、戦局を操り、強制的に参戦させる“盤上領域”こそ王道ですよね!この設定、本当に大好きなんです!皆さんはどう思われますか?




